医療保険
  • 公開日:2024.8.19
  • 更新日:2024.10.21

住宅ローンでがん団信に入るならがん保険はいらない?どっちがおすすめ?保障内容の違いやメリット・デメリットを解説

住宅ローンでがん団信に入るならがん保険はいらない?どっちがおすすめ?保障内容の違いやメリット・デメリットを解説

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住宅ローンを契約する際に加入する団体信用生命保険。最近では、がんの保障を付けたがん団信などのプランが人気です。がん団信を選択した場合のがん保険加入の必要性や、がん団信とがん保険の違いについて解説していきます。

この記事の要約はこちら

・がん団信はがんと診断された際に、住宅ローンの返済が不要となる保険
・ただし、保障対象外となるがんがある、生命保険料控除の対象とならない、保障期間は住宅ローンの返済中に限られるといったデメリットがある
・一方、民間生命保険会社が発売しているがん保険は、がん団信よりも保障が幅広く、一生涯の保障を用意できるメリットなどがある
・がん団信とがん保険は、カバーする保障範囲や加入目的が異なる保険なので、両方備えておくのがベスト

住宅を購入する際、多くの人が住宅ローンを活用しています。

住宅ローン契約時には、「団体信用生命保険」(略して「団信」)に加入する必要があり、団信に加入していれば、契約者が死亡・高度障害状態に該当した場合に住宅ローンの残債がゼロになるため、非常に安心です。

団信は、死亡や高度障害保障だけでなく、様々な特定疾病保障を付けることもできます。

ただ、団信の保障を充実させると住宅ローンの金利が上がるため、どの程度プランを充実させるかという点で悩んでしまう人も多いかと思います。

とは言え、今、日本は超低金利時代に突入していることもあり、各種疾病保障を充実させて金利が上乗せになったとしても、かなり安い金利で住宅ローンを契約できる状況にあるでしょう。

本記事では、疾病保障の中でも特に注目度が高いがん保障がついた「がん団信」を選択した場合、別途がん保険への加入が必要かどうかについて解説していきます。

住宅ローンの団信・がん団信とは?

まずは、住宅ローン契約時に加入することになる団信やがん団信の基本的な仕組みをおさらいしていきます。

住宅ローンの団信とは?

団信の正式名称は、団体信用生命保険です。

団信は、住宅を購入する際に活用する「住宅ローン」の返済リスクを保障する保険です。

ライフステージの中で最も大きな買い物と言われるマイホームの購入には、一般的に数千万円などの高額な資金が必要になります。

とは言え、現役時に現金一括で購入できる資産を保有している人は少ないため、多くの人が金融機関の「住宅ローン」を活用して、住宅を購入します。

住宅ローン契約は、30年前後の長期間に渡って、契約者がローンを支払い続けることになります。

その間のリスクの解決策として、契約者に万が一のことがあった場合に住宅ローン残高を無くすことができるのが「団体信用生命保険」です。

団信の契約形態は以下の通りです。

保険契約者 被保険者 保険金受取人 保険契約先
金融機関(銀行等) 住宅ローン契約者 金融機関(銀行等) 各生命保険会社

上記のように団信に加入していると、住宅ローン契約者が死亡や高度障害状態になってしまった場合に、住宅ローン残高相当額の保険金が生命保険会社から支払われ、住宅ローン残高の返済に充てられます。

結果、残された家族は住宅ローンの支払いが無くなり、経済的な負担なく購入した住居に住み続けられるという仕組みになっています。

住宅ローンについては、こちらでも解説をしています。
住宅ローンの契約時に加入する「団体信用生命保険」とは?特徴や注意点などをわかりやすく解説!

住宅ローンのがん団信とは?

団信には様々な疾病保障のオプションがあり、特に注目度が高いのは、特定疾病の中でも2人に1人が罹患すると言われるがんの保障が付いた「がん団信」です。

がん団信は、団信の死亡・高度障害保障に加え、がんと診断された場合に、住宅ローン残高相当額の保険金が生命保険会社から支払われ、住宅ローン残高が無くなります。

がんと診断されてしまった場合、治療費の出費に加え、今まで通り働けず、収入が減少してしまうなどのリスクもあるため、住宅ローンの支払いが無くなる「がん団信」は、経済的に高い安心感を得られる保障と言えるでしょう。

がん団信を選択した場合、一般的には金利が上乗せになりますが、低金利な現状では、金融機関のがん団信の金利はかなり低水準で設定されているため、がん団信を選択しやすくなっています。

住宅ローンのがん団信はなぜ必要?

ここでは、住宅ローンのがん団信の必要性について解説します。

がんの罹患率は高い

一般的に住宅ローンを利用するのは40代前後といわれています。

一方、がんの罹患リスクが高まるのも40代前後です。

一生涯でみれば男性の65.5%、女性の51.2%がかかる病気なので、がんにかかるリスクは決して低くありません。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス

がんになると多額の治療費がかかる

がんは、一般的な病気と比べると多様な治療方法があるため、治療費が高額になる可能性があります。

年間治療費 1日あたりの入院費
胃がん 996,965円 76,901円
結腸がん 978,567円 84,672円
直腸がん 1,150,026円 88,925円
気管支及び肺がん 913,065円 104,558円
乳がん 792,609円 106,681円

参照:公益社団法人全日本病院協会 医療費(重症度別)【年間】

自由診療や先進医療など、公的保険の適用外となる治療を受けるケースも少なくありません。

治療費が家計を圧迫し、住宅ローンの返済が困難になることも十分考えられます。

がんになると働けなくなって収入が減る可能性も

がんになると、健康な時と同じようには働けなくなる可能性があります。

アフラックの「がん罹患者およびその家族へのアンケート調査」によると、がん罹患者のうち1年以上の治療期間を要した人は42%、治療期間の平均日数は490日です。

また、東京都保険医療局「がん患者の就労等に関する実態調査」によると、がん罹患後に49.4%の人が「収入が減った」と回答しています。

つまり、がん治療が長引くことによって収入が減るリスクについても考えておかなければならないということです。

収入が減ってしまうと、住宅ローンの返済が苦しくなる可能性があります。

参考:アフラック生命株式会社 がん罹患者およびその家族へのアンケート調査
参考:東京都保険医療局 がん患者の就労等に関する実態調査

がん団信加入のメリットとデメリット

がん団信のメリット・デメリットを把握した上で加入を検討しましょう。

がん団信加入のメリットとは?

がん団信加入のメリット

・がん診断の保険金で住宅ローンを減らせる
・がんの治療に専念できる
・適用基準が「がん診断」と明確
・一般的ながん保険よりも割安な保険料で加入できる

 

がん団信のメリットとしては、死亡や高度障害状態までいかずとも、がんと診断されれば住宅ローンをゼロにできますので、経済的・精神的な安心感が大きいことが挙げられるでしょう。

がんは、入退院を繰り返したり、通院治療が長引くケースが多いため、治療費諸々にお金が掛かったり、思うように働けず収入の減少などに繋がり、経済的なダメージを受けやすくなります。

そのような状況下で、がん団信により住宅ローンの支払いが無くなると、経済的な心配が大きく軽減され、がんの治療にも専念しやすくなるでしょう。

また、様々な疾病保障がある中で、がん団信の適用条件は、「がん(所定の悪性新生物)に罹患したと医師に診断された時」となっており、他の疾病保障に比べ保障の適用基準が明確なことも魅力の一つと言えるでしょう。

がん団信加入のデメリットとは?

がん団信加入のデメリット

・住宅ローンの金利が上乗せになることも
・ローン契約中は保障内容の変更や解約ができない
・すべてのがんには適用されない
・住宅ローンの返済中しか保障されない
・がん保険のような生命保険料控除は無い

 

死亡・高度障害保障にがんの保障をプラスしたがん団信を選択した場合、一般的には住宅ローンの金利が上乗せになりますので、毎月の住宅ローンの返済額が上がる点は、デメリットに感じる人が多いでしょう。

また、住宅ローンとがん団信が連動しており、ローン契約中は、がん保障のみ解約するなど団信の契約内容を変更することができないため、不便に感じる人もいるかもしれません。

そのほか、がん団信と言っても、軽度な上皮内がんには適用されなかったり、一般的ながん保険と違い生命保険料控除の適用がないということもありますので、デメリットになりそうな点はよく確認するとよいでしょう。

 

生命保険のがん保険とは?

次に、一般的ながん保険について解説していきます。

がん保険はどんな保険?

がん保険とは、生命保険の一種で、がんに罹患した際に保障を受けられる保険です。

一般的ながん保険の保障は、以下の通りです。

保険金・給付金の種類 保障内容
がん診断給付金 がんと診断されたときに給付金を受け取れる。
がん入院給付金 がんの治療を目的に入院したときに給付金を受け取れる。
がん手術・がん放射線治療給付金 がんで所定の手術を受けたとき、
がんで所定の放射線治療を受けたときに、給付金を受け取れる。
がん通院給付金 がんの治療を目的に通院したときに給付金を受け取れる。
がん死亡給付(保険)金 がんが原因で死亡した場合に給付金(保険金)を受け取れる。
死亡給付(保険)金 がん以外の原因で死亡した場合に給付金を受け取れる。

そのほかにも、最近のがん保険では、入院・通院に関わらず、長引く抗がん剤治療にあわせて、月ごとに給付金を受け取れたり、全額自己負担となる高額な先進医療や自由診療による治療をカバーできたりと、多様化するがん治療に対応できるようになっています。

がん保険に加入するメリット・デメリットは?

続いて、がん保険に加入するメリットとデメリットを確認していきます。

がん保険に加入するメリットとは?

がん保険に加入するメリット

・がん診断でまとまったお金を受け取れる
・長引く入院・入退院を繰り返す場合も経済的にカバー
・がんの治療のための通院もお金を受け取れる
・告知項目が少なく、加入しやすい
・自由診療をカバーできる保険もある
・全額自己負担の先進医療もカバーできる

 

がん保険に加入するメリットとしては、がんに罹患した際にかかる治療費や全額自己負担となる高額な治療費などが給付金で幅広くカバーされるため、安心して様々な治療に臨めるようになる点でしょう。

また、一般的にがん保険は、医療保険と比べれば告知項目が少なく、既往歴があってもがんと関連性の薄い病気であれば、加入できるケースもあります。

がん保険への加入を希望しているが、健康状態で気になる点があるという人は、一度気になっているがん保険の告知内容を確認してみると良いでしょう。

がん保険に加入するデメリットとは?

がん保険に加入するデメリット

・加入後、免責期間がある
・がん以外の病気は保障されない
・軽度ながんは保障されない、保障が小さくなるケースもある

 

がん保険には、契約後、90日間の保障の待ち期間があるため、この期間中にがんと診断された場合は、保障の対象になりません。

また、がん保険は、あくまでがんの治療を目的とした入院・手術・通院などに給付金が支払われるため、がん以外の病気の治療に給付金は支払われません。

そのほか、軽度ながんである上皮内新生物の場合には、保障が小さくなったり、支払われない給付金もありますので、契約前に上皮内新生物の保障についてもしっかり確認するとよいでしょう。

がん団信に入るならがん保険はいらない?

ここまで、住宅ローン契約時に選択するがん団信と、生命保険のがん保険について、基本的な仕組みや保障内容を確認してきました。

ここからは、住宅ローン契約時にがん団信を選択した場合、がん保険に加入する必要があるかについて、解説していきます。

がん団信とがん保険の違いについて

がん団信とがん保険の違い
・がん団信:住宅ローンの経済的負担を無くしたり、軽減させることを目的
・がん保険:治療にかかる費用を保障しつつ、収入減少に備えることなどを目的

 

どちらもがんに罹患した際の保障ではあるものの、がん団信とがん保険は、目的や保障される内容が大きく異なります。

もしどちらか一つを選ぶのであれば、以下のような基準で選んでみるとよいでしょう。

がん団信がおすすめの人 がん保険がおすすめの人
・がんになった時に住宅ローンの負担を無くしたい人

・一般的ながん保険よりも割安な保険料でがんに備えたい人

・がんになった時に住宅ローンの返済よりも、収入不足分のカバーを優先したい人

・幅広いがんに備えたい人

・生命保険料控除による節税効果を得たい人

・住宅ローンの返済が終わってからもがんの保障が欲しい人

ただし、がん団信かがん保険、どちらか一方のみの準備とする場合は、住宅ローンの支払いまたは治療費のどちらかが経済的に大きな負担となる可能性が高くなりますので、緊急時の予備資金を手厚くしておくなど、他の備えも充実させておくことをおすすめします。

がん団信とがん保険は両方加入しておくのがおすすめ

がんの罹患時に、住宅ローンの支払いや治療費など、経済的な面での心配をせずに済むことを考えると、可能な限り両方備えておいた方が安心です。

がん団信とがん保険にはそれぞれメリット・デメリットがありますが、両方備えておくことでお互いのデメリットをカバーしあえます。

 

まとめ 加入を検討しているならまずはプロに相談を!

今回は、住宅ローン契約時の「がん団信」と生命保険の「がん保険」の違い、がん団信を選択した場合のがん保険の必要性、がん保険加入のメリット・デメリットなどについて解説してきました。

がん団信は、あくまで住宅ローンの負担軽減、がん保険は治療費等のカバーに役立つため、そもそもの目的が異なっている点を踏まえ、がん団信を選択していても、がん治療の出費に備えたい場合には、がん保険に加入しておくとよいでしょう。

ただ、特にがん保険は各生命保険会社から様々な商品が出されており、ニーズを満たした上で、保険料や各商品のメリット・デメリットを比較検討することは非常に困難な作業になりますので、一度専門のアドバイザーに相談すると良いかもしれません。

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