老後資金
  • 公開日:2025.12.17
  • 更新日:2025.12.17

ゆとりある老後に必要な生活費は?老後生活費の内訳と不足額をわかりやすく解説

ゆとりある老後に必要な生活費は?老後生活費の内訳と不足額をわかりやすく解説

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ゆとりある老後生活費の平均や内訳、不足額とその備え方を徹底解説。年金だけで足りない分を補う資産形成のポイントを紹介します。

この記事の要約はこちら

・ゆとりある老後生活費は夫婦2人で月約37.9万円、最低限の生活費は月23.2万円とされる

・65歳以上の夫婦世帯では支出が収入をわずかに上回り、年金だけでは不足しやすい傾向がある

・単身世帯ではさらに不足が大きく、生活費や医療費を一人で負担するリスクが高い

・厚生年金世帯でも「ゆとりある生活」には毎月数万円不足し、国民年金のみの世帯ではさらに厳しい

・不足分を補うには、NISAやiDeCoなどの非課税制度や貯蓄性保険・投資を組み合わせた早めの対策が重要

老後の生活費について考えるとき、多くの人が気になるのは「ゆとりある暮らしには毎月いくら必要なのか」という具体的な数字と内訳です。

最低限の生活費ではなく、旅行や趣味も楽しみながら安心して暮らすための金額を知ることで、将来への備えがぐっと現実的になります。

本記事では、公的調査データをもとに「ゆとりある老後生活費の内訳」と必要資金を整理し、年金収入との不足額や埋め合わせの方法をわかりやすく解説します。

さらに、NISAやiDeCoなどの資産形成制度を活用した準備法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ゆとりある老後生活費とは?必要な費用は平均37.9万円

ゆとりある老後生活費とは、日常の生活必需品にかかるお金だけでなく、趣味・レジャー・旅行なども含めた豊かな暮らしに必要な金額を指します。

こうした余裕を含めた出費を想定しておくことが、安心した老後生活につながります。

生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人が「ゆとりある老後」を送るための生活費は月額平均約37.9万円とされています。

一方で、夫婦2人が最低限の生活を送るために必要な費用は月額23.2万円とされています。

この金額には衣食住や光熱費、医療費などの基礎的な支出が含まれます。

つまり、23.2万円(最低限)と37.9万円(ゆとりある暮らし)の差額が「老後の余裕」を決めるポイントになります。

自分がどちらの生活を目指すかによって、必要な資金計画は大きく変わるでしょう。

参考:生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」

老後の生活費はどのくらい?内訳を確認

老後にかかる生活費は、夫婦世帯と単身世帯とで大きく異なります。

ここでは、65歳以上の夫婦世帯と単身世帯における平均的な実収入と消費支出を比較し、老後の生活費の実態を具体的に確認していきましょう。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の生活費

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの世帯の生活費の内訳は以下のとおりです。

【65歳以上の夫婦のみの無職世帯(高齢単身無職世帯)】

項目 月平均額
食料 76,352円
住居 16,432円
光熱・水道 21,919円
家具・家事用品 12,265円
被服及び履き物 5,590円
保健医療 18,383円
交通・通信 27,768円
教育 0円
教養娯楽 25,377円
その他の消費支出 52,433円
 (諸雑費) (22,125円)
 (交際費) (23,888円)
 (仕送り金) (1,040円)
消費支出 256,521

参考:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」

65歳以上の夫婦のみで暮らす無職世帯の場合、毎月の生活費は平均で消費支出256,521円にのぼります。

内訳をみると、食料費が76,352円と最も大きく、次いでその他の消費支出(52,433円)、交通・通信(27,768円)、教養娯楽(25,377円)、光熱・水道(21,919円)などが主な割合を占めています。

一方で、住居費は16,432円と比較的低く、持ち家世帯が多いことや夫婦で固定費を共有できる点が影響していると考えられます。

全体として、夫婦世帯は単身世帯に比べて食費や日用品の支出が増える傾向にあります。

65歳以上の単身無職世帯の生活費

同調査によると、65歳以上の単身無職世帯の生活費の内訳は以下のとおりです。

【65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)】

項目 月平均額
食料 42,085円
住居 12,693円
光熱・水道 14,490円
家具・家事用品 6,596円
被服及び履き物 3,385円
保健医療 8,640円
交通・通信 14,935円
教育 15円
教養娯楽 15,492円
その他の消費支出 30,956円
(諸雑費) (13,409円)
(交際費) (16,460円)
(仕送り金) (1,059円)
消費支出 149,286

参考:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」

65歳以上の単身無職世帯では、毎月の消費支出が149,286円という結果でした。

内訳をみると、食料費が42,085円と最も大きく、次いでその他の消費支出(30,956円)、教養娯楽(15,492円)、交通・通信(14,935円)、光熱・水道(14,490円)などが主な項目です。

住居費は12,693円と比較的低めですが、一人暮らしであるため光熱費や医療費などをすべて自己負担しなければならず、緊急時にはまとまった支出が発生するリスクもあります。

老後の生活費以外にかかる費用は?

老後には日常の生活費だけでなく、思わぬ支出も発生します。

例えば、子どもの結婚式の援助をはじめ、孫の出産祝いや入学祝いなどは一回あたり数万円から十数万円が必要になることもあります。

また、万が一介護が必要になった場合にも出費が増えます。

生命保険文化センターの調査によると、介護が必要になった際、住宅改造や介護用品の購入費といった一時的な平均費用は47.2万円、毎月の平均費用は9.0万円とされています。

さらに、自分や配偶者の万が一の際には、葬儀費用も発生します。

鎌倉新書の「第6回お葬式に関する全国調査」によると、葬儀費用の平均総額は118.5万円です。

他にも住宅のリフォームや車の買い替えなどに大きな費用が発生することもあるでしょう。

こうした費用を想定して資金計画を立てることが、老後を安心して暮らすための大切なポイントです。

関連記事
【FP監修】葬儀保険とは?生命保険と何が違う?メリット・デメリットやおすすめランキングを紹介

年金収入と不足分の差額は?

老後の生活費を十分にカバーするには、どの程度の不足額が生じるかを明確にしておくことが大切です。

ここでは公的年金の収入と不足分を確認していきましょう。

年金はどのくらい貰える?

公的年金は大きく分けて「国民年金」と「厚生年金」があり、受給額は加入期間や報酬額によって異なります。

令和5年度末の平均額を見ると、厚生年金は男性が月約16.6万円、女性が約10.7万円で、夫婦2人が厚生年金に加入していた場合は合計で月27万円前後となります。

一方、国民年金のみの場合は、男性が約6万円、女性が約5.6万円と大きく低く、夫婦合計でも月11.5万円程度にとどまります。

この差からもわかるように、現役時代の働き方や年金制度への加入状況によって、老後の生活水準は大きく左右されます。

参考:厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業年報

ゆとりある老後を迎えるには足りない!

公的年金の受給額だけでは、ゆとりある老後生活費を十分にまかなえないケースが多いのが現実です。

前述の生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人で「ゆとりある生活」を送るためには月37.9万円が目安とされていますが、平均的な厚生年金を受給する夫婦でもこの水準には届かず、不足分が生じやすくなります。

単身世帯では受給額自体が低いため、その不足はさらに大きくなりやすいのが現実です。

今からでも間に合う老後資金対策

老後資金を確保するためには、できるだけ早めに始めることが大切です。

もし、始める時期が遅くなったとしても、利用できる制度や金融商品は数多く存在します。

自分のライフスタイルやリスク許容度に合わせて選択し、計画的に資金を積み上げることが重要です。

ここでは老後資金対策を4つ紹介します。

今からでも間に合う老後資金対策
・NISA
・iDeCo
・貯蓄性のある保険商品
・株式・投資信託

 

NISA

NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託などで得た売却益や配当金が非課税となる制度です。

通常であれば約20%の税金がかかる利益も、NISAを利用すればそのまま手元に残せるため、資産形成を効率的に進められるのが大きな魅力です。

少額から投資を始められるため、初心者でも挑戦しやすく、長期的な資産形成に向いています。

NISAを活用する際には、非課税枠を最大限に活かしつつ、株式や投資信託など複数の商品に分散投資してポートフォリオを組むことが重要です。

値動きの異なる資産を組み合わせることでリスクを抑え、安定的に資産を増やす可能性が高まります。

NISAについては、こちらの記事で解説をしています。
NISAを今から始めるのは遅い?2026年からでも間に合う理由や年代別の始め方を解説

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金の準備を目的とした制度で、掛金が全額所得控除の対象となることが大きな特徴です。

現役時代の税負担を軽減しながら、効率的に老後資金を積み立てられる点が大きなメリットといえます。

近年では投資信託や定期預金など、リスク許容度に応じて選べる商品も増えており、初心者から上級者まで幅広く活用できます。

一方で、iDeCoは原則60歳まで引き出せないという制約があるため、流動性の低さには注意が必要です。

急な出費に備える資金は別に確保しておき、iDeCoはあくまで老後資金専用として運用するのが安心です。

iDeCoについては、こちらの記事で解説をしています。
iDeCo(個人型確定拠出年金)とNISAは併用可能?メリットや注意点について解説

貯蓄性のある保険商品

保険と貯蓄をセットにした貯蓄型保険は、万が一の保険金額を確保しながら、保険料の一部を積み立てられる仕組みです。

具体的には、終身保険や学資保険、養老保険などが該当します。

満期時や解約時には、満期保険金や解約返戻金などでまとまったお金を受け取れます。

ただし、保険料が比較的高めに設定されることも多く、途中で解約すると元本割れするリスクもあります。

自分の目的や健康状態に合った保険商品を選び、どのくらいの期間でどれだけ貯蓄できるかをしっかり見極めることが大切です。

関連記事
【FPが比較】貯蓄性のある保険と貯蓄(預貯金)との比較!掛け捨ての保険との違いもあわせて紹介

株式、投資信託

株式や投資信託は、リスクこそあるものの、長期的に見れば高い成長が期待できる資産クラスといえます。

分散投資を徹底し、さまざまなセクターや地域に資金を配分することでリスクを軽減できます。

目先の相場変動に左右されず、余裕資金で長期保有する姿勢が、老後資金の確保につながっていくでしょう。

投資信託については、こちらの記事で解説をしています。
投資信託はやめたほうがいいって本当?デメリットや失敗しないためのポイントを解説!

老後資金のよくある失敗と注意点

老後資金への備えを計画するとき、必ずしも順調にいくとは限りません。

そうした事態に備えるためにも、よくある失敗や注意点を押さえておきましょう。

老後資金のよくある失敗と注意点
・預金だけに頼る
・投資を始めるのが遅すぎる
・想定外の医療・介護費に備えていない

 

預金だけに頼る

安全志向から預金に資産を集中する人は多いですが、超低金利の状況下では資産がほとんど増えないのが実情です。

また、物価が継続して上昇する「インフレ」が進むと現金の価値は目減りしてしまうため、実質的に資産を減らしていることにつながります。

投資や保険などを組み合わせ、リスクを抑えつつ増やす工夫を考えましょう。

投資を始めるのが遅すぎる

投資は長期でコツコツ取り組むことで複利効果が大きく働きます。

定年が近づいてから一気に投資を始めても、運用期間が短くリターンが伸び悩む可能性が高いです。

できるだけ早い段階で少額からでも投資習慣を身につけ、着実に資産形成を進めることを心掛けましょう。

想定外の医療・介護費に備えていない

歳を重ねるにつれ医療や介護のリスクは高まり、突然の入院や手術で大きな費用が発生することがあります。

公的保険である程度はカバーされるものの、差額ベッド代や介護施設の入居費などは十分な備えがないと家計に大きなダメージを与えます。

医療保険や介護保険、貯蓄などあらゆる手段を活用してリスクに対応することが必要です。

不安に思ったら、お金のプロに相談!

老後資金の具体的なシミュレーションは複雑になりがちであり、貯蓄と投資のバランスをどこに置くか迷う人も多いでしょう。

そのようなときは、ファイナンシャルプランナーや専門家のアドバイスを受けることで、客観的な視点から最適なプランを立案できます。

一人で抱え込まず、気軽に相談することが老後資金を効率的に築く第一歩です。

まとめ

ゆとりある老後生活を送るためには、公的年金だけではカバーしきれない可能性が高いことがわかりました。

老後、自分が望む暮らしにどのくらい資金を割きたいのか、早めに試算してみましょう。

最終的には、一人ひとりの価値観や健康状態、家族構成などによって適切な老後生活費は異なります。

しかし、共通して言えるのは、不足が生じてからでは対応が難しいことが多いため、早期から計画的な準備を行うことが不可欠だという点です。

将来を見据え、必要に応じて専門家にも相談しながら、無理のない範囲で行動を起こしていきましょう。

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