老後資金
  • 公開日:2024.10.17
  • 更新日:2025.12.5

老後破産する人の特徴とは?9つの原因と8つの対策で回避する方法を解説!

老後破産する人の特徴とは?9つの原因と8つの対策で回避する方法を解説!

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老後破産する人の特徴として、支出と収入の管理ができないことが挙げられます。また、老後破産した多くの人が生活保護を受けています。この記事では、老後破産になる原因と対策を詳しく解説します。

この記事の要約はこちら

・老後破産は高収入者も含めたすべての人が直面する可能性がある
・老後破産になる人は資産の少なさと定年後の生活環境が原因
・老後破産にならないための対策は資産の増加のほか運動や食生活などの生活面も重要
・老後破産してしまうと最低限の資産以外は差し押さえされてしまうが年金は受け取れる

老後破産は誰にでも起こり得る可能性があり、多くの人が「何が原因で老後破産してしまうのか」「いくらあれば老後破産しないのか」という不安を抱えています。

この記事では、老後破産の主な原因やその特徴、さらには老後破産を避けるための具体的な対策について解説します。

対策は定年を迎える前から始められるものばかりなので、今すぐ取り組むことが可能です。

老後破産を回避するために、ぜひ参考にしてください。

老後破産しやすい人の特徴

老後破産に陥りやすい人には、以下のように共通する特徴があります。

老後破産しやすい人の特徴
・固定費が高額な人
・貯蓄金額が少ない人
・生活レベルが下げられない人
・家計状況を把握していない人
・老後資金のシミュレーションをしていない人

 

これらを理解し、早めに対策を取ることで、経済的に安定した老後を迎えられるでしょう。

固定費が高額な人

住宅ローンや家賃、保険料などの固定費が高いと、老後の収入が減ったときに家計が厳しくなりやすいでしょう。

固定費は毎月必ずかかるため、生活費を大きく圧迫します。

特に退職後に高額な住宅ローンや保険料の支払いが続いていると、他の必要な支出に十分なお金を回せなくなることがあります。

また、医療費などの急な出費が発生したり、勤務先からの収入が大きく減ったりすると、一気に家計が傾くことも少なくありません。

老後の家計を安定させるためには、早めに住居費を見直したり、保険を整理したりして、固定費を減らしておくことが重要です。

貯蓄金額が少ない人

年金だけでは生活費をまかないきれないケースが多いため、現役のうちにしっかりと貯蓄をしておくことが大切です。

老後に備えた貯蓄が少ないと、日々の生活費や急な医療費に対応できなくなることがあります。

また、貯蓄が少ないと、ちょっとした出費でも家計が不安定になりやすくなります。

まずは、毎月少しずつでも貯金を増やすことを習慣にすることが大事です。投資信託や定期預金などを活用して、効率よく資産を増やす方法も検討してみましょう。

生活レベルが下げられない人

現役時代の生活水準をそのまま維持しようとすると、老後に家計が厳しくなることがあります。

老後は収入が年金だけに限られることも多く、現役時代ほど余裕のある生活を送るのは難しいこともあります。

とはいえ、趣味や食事、住まいなど、今までの生活スタイルを変えるのは簡単ではありません。

その結果、家計が赤字続きになってしまい、早い段階で貯蓄が尽きてしまうこともあります。

老後を見据え、少しずつ無理のない範囲で支出を減らし、生活レベルを調整していくことが重要です。

家計状況を把握していない人

家計の収支を把握できていないと、気づかないうちに無駄遣いが増えたり、必要な貯金ができなかったりします

特に老後は収入が限られるため、収支のバランスを意識することが大切です。

家計簿や家計管理アプリを使って、毎月どれだけのお金が入ってきて、何に使っているかをチェックしてみましょう。

現状を把握することで、無駄な支出を減らせるため、老後資金を貯めやすくなるはずです。

老後破産しやすい人に共通するのが、「年金だけで何とかなる」と思い込み、老後のお金について深く考えないことです。

こうした誤解がどんなリスクにつながるのかは、「老後のお金に対する誤解」で詳しく整理されていますので、あわせて確認しておきましょう。

老後資金のシミュレーションをしていない人

老後にどれくらいのお金が必要かを具体的に計算していないと、実際に退職してから「お金が足りない」と気づくことがあります。

退職してからでは収入源が限られてしまうことが多く、手遅れになるケースも少なくありません

老後には、生活費以外にも医療費や介護費用など、予想以上の支出が必要になることがあります。

金融機関が提供しているシミュレーションツールや、ファイナンシャルプランナーの相談を活用して、必要な金額を事前に計算しておくことが大切です。

具体的な数字を知ることで、目標が明確になり、より計画的に資金を準備できるようになります。

そもそも老後破産とは?

老後破産とは、定年後に年金生活を送る中で収入や貯蓄が不足し、破産状態に陥り生活が困窮する状況です。

老後破産の問題は、収入が少ない家庭に限った話ではありません。

高収入であっても、適切に貯蓄せずに過剰に消費してしまうと、どんな人でも老後破産する可能性があります。

老後破産に陥った場合、多くの人が生活保護の申請を余儀なくされるため、老後前からの対策が重要です。

生活保護とは資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する人に対し、最低限度の生活を保障して、自立を助長する国の制度をいいます。

老後破産するとどうなる?

老後破産(自己破産)してしまった場合、保有している財産は差し押さえされてしまいます。

しかし、すべての財産が差し押さえられるわけではありません。

以下の財産については差し押さえの対象外です。

老後破産してしまっても差し押さえられない財産
・生活必需品(衣服、寝具、家具、台所用具など)
・給料や退職金の4分の1
・公的給付金
・老齢基礎年金や付加年金
・老齢厚生年金
・iDeCo

 

このように生活に必要な最低限の財産は守られています。

しかし、iDeCoに関しては、税金の滞納がある場合や、既に預金口座に振り込まれた後の資金は差し押さえの対象となる点には注意しましょう。

老後破産の実態

日本弁護士連合会・消費者問題対策委員会「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によれば、破産債務者の中で、60代が16.37%、70代以上が9.35%を占め、60歳以上の割合は全体の25%になります。

これは破産者の中で高齢者が4人に1人いるということです。

2005年のデータの60代14.2%、70代以上3.05%と比べると、破産する高齢者の比率が明らかに増加しています。

また厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和3年度確定値)」によると2021年度には生活保護を受けている家庭は約164万件あり、そのうち全体の55.4%となる約90万8000件が高齢者の家庭でした。

とくに、高齢者の家庭における生活保護の利用状況を詳しく見ると、単身の高齢者家庭が83万7,379件で全体の51.3%を占め、2人以上の高齢者家庭が7万1,455件で4.4%を占めています。

このように生活に困窮している高齢者は多く、年金受給のみでは資金が不足していることがわかります。

参考:日本弁護士連合会・消費者問題対策委員会「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」
参考:厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和3年度確定値)の結果を公表します」

老後破産する9つの原因

老後破産になる9つの原因

 

年金が少ない

老後破産になる原因の1つとして、受け取る年金が少ないことが挙げられます。

実際に日本の年金制度下での高齢者世帯の平均年金額は、生活を維持するのに十分ではない状況が明らかです。

まずは、令和5年度の年金額をみてみましょう。

【令和5年度の年金額の例(67歳以下の場合)】

令和5年度(月額) 令和4年度(月額)
国民年金
(老齢基礎年金(満額))※1
6万6250円 6万4816円
厚生年金
(夫婦2人分の老齢基礎年金
を含む標準的な年金額)※2
22万4482円 21万9593円

※1 令和5年度の68歳以上の老齢基礎年金(満額)は、月額66,050円です。
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
出典:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」

老齢基礎年金を満額で受け取ったとしても約月額6万円となり、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む厚生基礎年金は約月額22万円です。

次に、夫婦2人の老後にかかる生活費はいくらになるのか、みてみましょう。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の生活費は、以下のとおりです。

【65歳以上の夫婦のみの無職世帯の生活費】

項目 月平均額 構成比(%)
消費支出 23万6696円 100%
食費 6万7776円 28.60%
住居費 1万5578円 6.60%
光熱・水道 2万2611円 9.60%
家具・家事用品 1万371円 4.40%
被服及び履物 5003円 2.10%
保険医療 1万5681円 6.60%
交通・通信 2万8878円 12.20%
教養・娯楽 2万1365円 9.00%
そのほかの消費支出 4万9430円 20.90%
諸雑費 1万9818円 8.40%
交際費 2万2711円 9.60%
仕送り金 1334円 0.60%

出典:総務省「家計調査報告2022年(令和4年)平均結果の概要」

このように令和5年度の老齢基礎年金と厚生基礎年金の月額は、高齢者世帯の月平均消費支出約23万6696円に対し、明らかに不足していることがわかります。

さらに非消費支出となる、直接税1万2854円と社会保険料1万8945円を含めると実際の必要生活費は月平均31万2355円に上るのです。

また賃貸住宅に住む世帯や、将来の物価上昇を考慮すると、現在の年金額では生活を支えることがさらに困難になることが予想されます。

このような状況は貯蓄や追加の収入がない限り、高齢者世帯が経済的な困窮に陥り、最終的には老後破産へとつながる重要な要因といえるでしょう。

貯蓄が少ない

多くの高齢者が年金を主な収入源としていますが、受け取る年金額が少ない場合、生活を維持するためには貯蓄に頼るしかありません。

金融庁の推計では、老後の生活費が毎月5万円足りないとし、95歳まで生きることを前提にすると、約2000万円の貯蓄が必要になるとされています。

充分な貯蓄がないと、高齢者は経済的な困難に直面し、最終的には老後破産に陥るリスクが高まります。

貯蓄が十分でない場合、財産の中で換金可能なものがあれば、貯金額に応じて売却を検討することも1つの手段です。

参考:金融庁「金融審議会市場ワーキング・グループ報告書」

社会的に孤立している

社会的に孤立している状況や支援を受けられる人が周囲にいない状況の場合、老後生活の大きなリスクとなる可能性があります。

人との繋がりが少ないと相談する相手がいないため、悪質な業者や詐欺に遭遇しやすくなるほか、健康管理がおろそかになりがちです。

また1人で過ごす時間が増えると外出の機会が減少し運動不足に陥ったり、栄養バランスの取れていない食事を選びがちになったりして、結果的に病気のリスクを高めます。

病気になれば医療費や介護費の支出が増え、経済的な負担が加重し、老後破産への道をさらに速めることになります。

 医療費や介護費の負担が大きい

厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳です。

しかし2019年(令和元年)のデータによると、健康寿命は男性が72.7歳、女性が75.4歳であり、多くの人が老後の約10年間を健康上の問題に直面しながら過ごすことが示されています。

健康寿命とは、健康の問題で日常生活に制限が生じずに過ごせる期間です。

これらのデータは、現代社会において医療や介護の費用が重要な課題となっていることを示しています。

医療費の自己負担割合は年齢や収入によって異なります。

また高額療養費制度を活用することも可能です。

その結果、60代後半から90代前半の医療費がかさむ年齢でも、年間の自己負担額は平均で約8万3000円、月額平均では約7000円となり、意外に負担は大きくありません。

しかし長期間に渡る医療が必要になった場合、自己負担額の累計は大きな額になる可能性があります。

また、介護が必要になった場合には、介護施設や老人ホームの入居費、介護サービスの利用費用がかさみ、家計に重大な影響を及ぼす可能性が高いです。

介護施設への入居は、単に希望する施設を選ぶだけではなく、多くの場合、要介護認定が必要になります。

入居にかかる費用もさまざまで、15万円〜4000万円を超えることもあるのです。

特別養護老人ホームや介護老人保健施設のように、初期費用が不要な施設もありますが、それでも毎月約8万円〜30万円の費用が発生します。

このように老後の医療費や介護費の負担が大きいことも老後破産の原因の1つといえるでしょう。

参考:厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
参考:厚生労働省「平均寿命と健康寿命」
参考:厚生労働省「年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の比較(年額) (令和2年度実績に基づく推計値)」

定年退職後に教育費の負担がある

晩婚化の影響で、定年退職後も子供が高校生や大学生である家庭が増加しています。

このため、収入が減少する定年後に教育費が大きな負担となることが珍しくありません。

とくに高校や大学の教育にかかる平均的な費用は、家計に重大な影響を及ぼす可能性があり、老後破産に繋がるケースも見られます。

具体的に高校と大学でどのくらいの教育費がかかるのかみてみましょう。

公立 私立
全日制高等学校
(3年間)
154万3116円 315万6401円

参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します」

 

費用の種類 国公立大学 私立大学文系 私立大学理系
入学費用
(受験費用・入学金など)
67万2000円 81万8000円 88万8000円
在学費用
(授業料・通学費・教科書代など)
414万円 608万円 732万8000円
合計 481万2000円 689万8000円 821万6000円

参考:日本政策金融公庫「教育費に関する調査結果(2021年12月20日発表)」

このように高校と大学では多くの学費がかかることがわかります。

教育費の継続的な負担は、退職後の生活において考慮すべきであり、適切な準備と計画が大切といえます。

孫の教育費を負担するケースもある

子どもが離婚後に孫を連れて実家に戻って来る場合、親が子どもや孫の生活費や教育費を一部、または全部支払うことになることがあります。

このような突然の経済的な負担は、家計に大きな影響を与える可能性があります。

とくに、退職後に収入が少ない場合、この負担は長期間にわたって重くのしかかるかもしれません。

孫の教育費を支援することは、愛情の表現であると同時に、計画されていない支出が家計に加わることとなります。

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孫のために学資保険に入りたい!祖父母が契約する際に気を付けることは?

熟年離婚によって生活が困窮する

専業主婦(主夫)やパートタイムで働く人は、熟年離婚によって経済的に困難な状況に陥る可能性があります。

専業主婦(主夫)やパートタイムで働く人は、老後に老齢基礎年金だけを頼りにすることになるため、収入は月に数万円になることが一般的です。

また熟年離婚する際に年金分割制度を利用しても、婚姻期間中に蓄積された厚生年金を分け合う程度の対策しか取れません。

さらにパートナーが自営業者の場合は、年金分割が適用されない点にも注意が必要です。

このように熟年離婚は、退職後の生活資金に重大な影響を及ぼし、経済的困窮に陥るリスクを高めます。

老後生活の支出管理ができていない

老後の生活で支出を適切に管理できないことは、老後破産の原因の1つとなります。

定年後の収入に合った生活水準を保てない場合、支出が収入を超え長期にわたって赤字が続くことになり、老後破産へとつながります。

老後に備えて、日常の生活費だけでなく、介護費用、葬儀費、車の買い替えなどの大きな出費も考慮に入れることが大切です。

適切な支出管理と事前の計画がないと、経済的な負担が増え、老後の安定した生活が危うくなります。

定年退職後も住宅ローンの支払いがある

「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によれば、住宅を所有する人の中で個人再生手続を選択する割合が、自己破産する割合よりも顕著に多いことが明らかになっています。

個人再生手続とは、借金の返済が困難になった人が、裁判所を利用して借金を減額する手続きです。

申立人の住居形態 個人再生申立債務者 破産債務者
本人所有 37.88% 3.47%
家族所有 12.99% 20.89%
持ち家でない 43.11% 70.24%
記入漏れ 6.02% 5.40%

収入が減少する定年後でも住宅ローンの支払いが続くことで、経済的な負担が増大し、個人再生手続きや老後破産に至る家庭が少なくありません。

住宅購入の際は計画性をもって購入することが重要といえます。

参考:日本弁護士連合会・消費者問題対策委員会「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」

投資知識がないまま資産運用してしまう

資産運用を始める際、十分な投資知識がなければ、元本が減少するリスクが高まります。

多くの金融商品は元本保証がないため、知識不足での投資は損失の可能性を増加させます。

老後に退職金を運用し資金不足に陥るケースも見られるため、定年後の運用はとくに注意が必要です。

資産運用は将来の計画に重要ですが、リスクを把握し、少ない金額から始めて知識を徐々に増やすことが重要です。

安全な投資戦略を立てるには、市場の動きを学び、リスク管理を理解することが必要といえます。

老後破産にならないように理解しておきたいこと

老後破産にならないように対策していても、対策のやり方を間違えてしまうと後悔してしまうかもしれません。

老後破産にならないように理解しておきたいことは以下のとおりです。

老後破産にならないように理解しておきたいこと
・自宅を売るのはリスクが高い
・資産は意外に少なく平均額だと不足する可能性もある

 

自宅を売るのはリスクが高い

自宅売却で老後の資金を得る選択にはリスクが多いです。

たとえば30歳で購入した戸建ては70歳の時点で築40年経過しており、建物の価値はほとんどなく、売却価格は土地の価値に依存します。

しかし立地の人気によっては、価格が下落している可能性もあります。

さらに、売却後に新しい住まいを探す作業も課題が多いです。

子どもとの同居は理想的な解決策の1つですが、子どもに受け入れられるとは限りません。

また高齢者に対する賃貸市場の一定の抵抗感があり、アパートの賃貸物件を探す際には金銭的な問題や孤独死のリスクなどから入居が難しい場合があります。

国土交通省「新たな住宅セーフティネット制度による居住支援の状況」のデータによると、住宅確保要配慮者の入居に対する賃貸人の意識では80%が高齢者に対して拒否感を感じています。

このように自宅を売却する際はリスクを理解し、よく検討することが大切です。

リバースモーゲージなどの代替手段を検討することも可能ですが、デメリットが伴うため十分な理解のもとで決断することが重要です。

リバースモーゲージについては、こちらの記事で詳しい解説をしています。
リバースモーゲージはやばいのか?利用すると悲惨と言われる理由を解説!

参考:国土交通省「新たな住宅セーフティネット制度による居住支援の状況」

資産は意外に少なく平均額だと不足する可能性もある

老後資金は平均的な資産でも将来的に不足する可能性が高いです。

総務省の「家計調査報告(2022年)」によれば、65歳以上の家庭の平均貯蓄は約2414万円で、中央値は約1677万円となっています。

また貯蓄が2500万円以上の世帯は全体の約34.2%に過ぎず、反対に300万円未満の世帯も14.4%存在するなど、貯蓄の分布には大きな差があります。

しかし現状の平均額では、多くの人が将来的に資金不足になる可能性があります。

たとえば病気や介護が発生した場合、家庭の経済状況はさらに悪化します。

毎月の赤字が10万円を超えることも珍しくなく、70歳で1000万円の貯金があっても、10年経たずに尽きてしまう可能性があります。

このような状況を回避するためには、病気や介護に備えて保険に加入し、資金不足に備えることが重要です。

保険への加入は、万一のときの治療費や生活費を確保するための手段であり、資金計画において重要な役割を果たします。

老後の資金不足に直面しないためにも、現在の貯蓄状況を見直し、長期的な視点での資産運用計画を立てることが大切です。

参考:総務省「家計調査報告(2022年)」

老後破産しないためにやるべき8つの対策

老後破産にならないための7つの対策
・貯蓄を増やす
・固定費を見直す
・支出と収入を把握する
・運動や食生活を改善する
・人とのかかわりを持つ
・定年後の働き方を考えておく
・定年退職前に住宅ローンを完済する
・リースバック・リバースモーゲージを検討する

 

貯蓄を増やす

貯蓄を増やす方法は、以下の5つです。

貯金を増やす方法
・iDeCo
・NISA
・財形貯蓄
・定期預金
・外貨建ての保険

 

貯蓄を増やす方法は預貯金以外にも多くの方法があり、効率的に増やせるものもあります。

それぞれ詳しくみていきましょう。

iDeCo

iDeCoは自らが将来受け取る年金を運用し築いていく制度です。

公的年金と異なり加入は任意で、加入の申込や掛金の拠出、掛金の運用のすべてを自身で行います。

掛金は所得控除の対象となり、運用益は非課税です。

メリット デメリット
・掛金が全額所得控除
・利息・運用益が非課税
・受取時に退職所得控除または公的年金等控除の対象
・引き出しは原則60歳以降となり、途中解約ができない
・運用結果によっては期待したリターンが得られないリスクもある

 

NISA

NISAはNISA口座内で、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になり、税金がかからない制度です。

2024年1月から開始した新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠のどちらか一方、または両方で運用が可能です。

金融機関によっては100円から始められるため、投資初心者でも気軽に始めやすいといえます。

メリット デメリット
・非課税期間が無期限
・投資上限額が1800万円
・売却した分の枠は翌年から再度利用ができる
・いつでも解約できる
・元本保証がない
・年間投資上限額がある
・市場の変動によるリスクがある

iDeCo・NISAについては、こちらの記事でも解説をしています。
初心者必見!新NISAの節税効果とは?iDeCoとの違いを解説

財形貯蓄

財形貯蓄は勤務先を通じて行う定期的な貯蓄です。

財形貯蓄には以下のような種類があります。

財形貯蓄の種類
・財形住宅貯蓄
・財形年金貯蓄
・一般財形貯蓄

 

手元にお金があるとすぐに使ってしまう人や、貯蓄が苦手な人におすすめです。

メリット デメリット
・税金が優遇される
・給与天引きがあり自動的に貯蓄できる
・住宅ローン融資が受けられる財形貯蓄もある
・財形貯蓄を導入している企業に限定される
・金利が低い
・運用先によっては元本割れのリスクがある

財形貯蓄については、こちらの記事で詳しい解説をしています。
財形貯蓄なんて意味ない?やめた方がいいと言われる理由を知ろう

定期預金

定期預金とはあらかじめ設定された期間、銀行に資金を預ける方法です。

普通預金と違い、好きなときにお金を引き出せるわけではなく、定期預金では設定された期間が終わるまで資金の引き出しは基本的にできません。

預け入れる期間は、通常1ヶ月〜10年の範囲で期間を選べます。

メリット デメリット
・普通預金よりも金利が高い
・手数料がかからない
・元本割れのリスクがない
・金利が低い
・原則満期を迎えるまで引き出せない
・定期預金している銀行が経営破綻した場合保証は1000万円まで

外貨建ての保険

外貨建ての保険は保険料や保険金、解約返戻金が外貨で設定された保険商品です。

外貨建て保険には以下のような種類があります。

外貨建て保険の種類
・終身保険
・個人年金保険
・養老保険

 

日本よりも高金利の国の通貨で運用することにより、日本円で資産運用するよりも増加する可能性があります

メリット デメリット
・為替変動により高いリターンを目指せる
・海外資産への分散投資が可能
・保障としての役割も果たせる
・生命保険料控除の対象になる
・為替レートの変動によっては損失が出る可能性がある
・金利変動リスクがある

外貨建て保険については、こちらの記事で解説をしています。
外貨建て保険で儲かった人はいる?口コミや注意点を詳しく解説

固定費を見直す

固定費とは家計の支出のうち毎月または定額でかかる支出のことです。

固定費を見直すことで、手間をかけずに長期的な節約が可能となります。

具体的な固定費と見直し方をみていきましょう。

カテゴリ 見直し方
住居費 今よりも狭い、または安い住まいへの引っ越す
水道光熱費 節水・節電の実践、料金プランの見直し
通信費 プランの見直し、余分なオプションの削除
保険料 不要な保険の見直し、保険商品の比較・検討
自動車関連費 カーシェアリングの利用、維持費の見直し、自動車保険の見直し
サブスクリプション代 不要なサブスクリプションの解約、利用頻度に応じたプランの選択

このように固定費には見直すポイントがあり、実践することで支出を減らすことが可能です。

なかでも保険の見直しは、ライフステージの変化に応じて家計の固定費を節約する効果的な手段です。

現在の保障内容を確認し、結婚や子どもの誕生など、生活の変化に合わせて不要な保険を解約または適切な保障内容に見直します。

さらに、複数の保険商品を比較検討し、条件のよいものに変更することで、保険料を抑えることが可能です。

このように定期的な見直しをすることで、不要な支出を減らせるでしょう。

「必要な保険と不要な保険をどのように決めればいいのかわからない」「複数の保険を検討するには時間がかかり面倒」と思う人は保険の無料相談を活用しましょう。

お得に相談をしたい方は、保険相談キャンペーンを実施しているサービスを下記にまとめているので参考にしてみてください。
【2024年版】無料保険相談サービスキャンペーンのまとめ!もらえる商品・謝礼や相談の注意点にも解説

支出と収入を把握す

老後の経済的安定のためには、収入と支出を正確に把握することが不可欠です。

退職後、年金が主な収入源となるものの、現役時代に比べて収入は大幅に減少します。

会社員は厚生年金と国民年金から、自営業者は国民年金のみから受給されるため、収入額には大きな違いが生じます。

老後に必要な生活費や具体的な年金受給額を早期に理解し、適切な計画を立てることが、将来の安心につながります。

日本年金機構から誕生月に届く「ねんきん定期便」やインターネット上で確認ができる「ねんきんネット」では、年金見込額や個人の年金加入記録の確認が可能です。

事前に将来の収入額を把握し、シミュレーションしておくと安心です。

運動や食生活を改善する

老後の生活で医療費は大きな支出項目となりますが、健康を維持することで医療費を大幅に削減できるでしょう。

日常生活における適度な運動の継続とバランスのとれた食生活は重要性が高いです。

定期的な運動は体力維持や病気の予防に効果的であり、栄養バランスを考慮した食事は健康の基盤を支えます。

これらの習慣を身に付けることで、老後の医療費削減につながり、経済的にも身体的にも豊かな生活を実現できます。

人とのかかわりを持つ

人とのかかわりを深めることも、健康状態を維持する上で非常に重要です。

コミュニケーションを通じて相談事や情報交換が行えるため、心の支えを得られます。

また、相談相手がいることで詐欺トラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。

ほかにも地域コミュニティに参加することで、生きがいを見つけ、人とのふれあいが日々の生活に活気を与えるでしょう。

このように人とかかわりを持つことで心身の健康維持にも繋がるため、積極的にコミュニケーションの輪を広げておくとよいでしょう。

定年後の働き方を考えておく

人生100年時代を迎え平均寿命が延びる中で、定年後も活動的に働き続けることが重要になっています。

高齢になっても生活費や医療費、介護費などの出費に対応するためには、元気なうちからできるだけ長く働き、安定した収入を確保することが大切です。

「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると、60歳以降も働き続けられる企業が増えており、再雇用や継続雇用制度の活用が進んでいます。

定年後も働くことを前提に早期からさまざまな働き方を検討し、準備しておくことが豊かな老後を送るために重要といえるでしょう。

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」

定年退職前に住宅ローンを完済する

定年退職前に住宅ローンを完済することは、安定した老後生活への重要なステップです。

定年後に住宅ローンの支払いが残っている場合、繰り上げ返済を活用することで、負担を軽減することが可能です。

繰り上げ返済には返済期間を短縮できる「期間短縮型」と毎月の返済額を少なくできる「返済額軽減型」の2種類があります。

しかし住宅ローン控除を受けるためには、返済期間が10年以上必要なため、期間短縮型の繰り上げ返済を行う際は、控除を受けられなくなるリスクがあるため注意しましょう。

住宅ローン控除を利用できるのは、最大で13年間です。

この期間内で控除を最大限に利用し、控除が終了した後で繰り上げ返済のための資金を用意しておくことも1つの手段です。

また子どもの教育費や予期せぬ大きな支出が控えている場合には、資金不足を招く可能性があるため、慎重な繰り上げ返済計画が必要です。

将来にわたる経済的な安定のためにも、住宅ローンの返済計画を早期から見直し、繰り上げ返済を検討するとよいでしょう。

リースバック・リバースモーゲージを検討する

老後破産を避けるための一つの対策として、リースバックやリバースモーゲージの活用が挙げられます。

リースバックは、自宅を売却して現金を得ながら、その後も同じ家に住み続けられます。

一方、リバースモーゲージは、自宅を担保にして金融機関から融資を受け、そのまま住み続けることが可能です。

これらの選択肢を検討することで、老後の資金計画に幅を持たせ、経済的な安定を図れます。

ただしデメリットも存在するため注意が必要です。

たとえばリバースモーゲージの場合、以下のようなデメリットが挙げられます。

リバースモーゲージのデメリット

・長生きした場合に家を失うリスクがある
・不動産価値が大幅に下落すると担保割れのおそれがある
・金利上昇のリスクがある
・マンションは対象外となる可能性がある
・相続人とトラブルになりやすい

 

このようにメリットとデメリット両方を持ち合わせているため、よく理解して検討することが大切です。

まとめ

老後破産を防ぐためには、早期からの資産管理と計画的な生活設計が不可欠です。

老後破産の主な原因として、貯蓄不足、高額な医療・介護費用、固定費の負担などが挙げられます。

これらの問題に対処するためには、貯蓄の増加や支出の見直し、住宅ローンや教育費の計画的な管理などが重要となります。

老後破産を防ぐためには、できることから早めに行動することが大切です。

固定費の見直しはすぐにでも始められる上に、節約効果が高いといえます。

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