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・表面利回りは「年間家賃収入 ÷ 物件価格」で算出される単純な指標で、広告や比較に使われやすい。
・実質利回りは管理費・修繕費・税金などの経費を差し引いた現実的な収益性を示すため、投資判断に重要。
・表面利回りが高くても経費や空室リスクで実質利回りが大幅に下がるケースがあり、注意が必要。
・実質利回りの相場はエリアや物件の新築・中古で異なり、都市部で5〜6%、地方で10%程度が目安とされる。
・高利回りを目指すには、需要の高いエリア選定や適切なリフォーム、管理体制の強化が欠かせない。
不動産投資を検討する際、多くの人がまず目にするのが「表面利回り」という数字です。
しかし、この数字だけを信じて物件を選んでしまうと、実際にかかる経費や税金を考慮していないため「思ったほど手元に残らなかった」という失敗につながりかねません。
本記事では、それぞれの特徴や計算方法、どのように使い分けて投資判断に活かすべきかを、初心者にもわかりやすく解説していきます。
この記事の目次
表面利回りと実質利回りの違い
不動産投資の成果を左右する「利回り」は、物件の評価や投資判断において重要な要素です。
単に利回りが高いというだけで飛びつくと、実際に物件を取得してから思わぬコストがかかり、当初の収益予想を大きく下回るリスクもあります。
そのため、まずは表面利回りと実質利回りの基本をある程度理解し、どこまでが概算で、どこからが実際のキャッシュフローに近い指標なのかを意識する必要があります。
表面利回りとは
表面利回りとは、物件の年間家賃収入を購入価格で割って算出する、もっとも基本的でシンプルな利回りの指標です。
不動産投資サイトや広告で目にする数字の多くはこの表面利回りであり、物件を比較する際の最初の目安として役立ちます。
たとえば、購入価格が2,000万円で年間家賃収入が120万円の物件なら、120万円 ÷ 2,000万円 × 100 = 6% が表面利回りになります。
ただし、この数値には仲介手数料や固定資産税、管理費といった運営コストが含まれていないため、実際の手取り収益とは差がある点に注意が必要です。
実質利回りとは
実質利回りとは、表面利回りに管理費や修繕積立金、固定資産税、火災保険料などの運営コストを差し引いて算出する、より現実的な収益性の指標です。
投下資金に対して実際にどれだけ利益が残るかを表すため、表面利回りよりも実態に近い数値になります。
想定利回りとは
想定利回りとは、物件が常に満室で稼働していると仮定して算出される利回りの指標です。
入居状況に左右されずに試算できるため、物件を比較する際のシンプルな目安としては便利です。
しかし実際には、空室が発生すれば家賃収入は減少しますし、修繕費や設備更新、築年数の経過による賃料の下落といった要素も反映されないため、どうしても楽観的な数字になりやすい点には注意が必要です。
想定利回りは「将来的なポテンシャルを把握するための参考値」として活用しつつ、実際の運用との差を見込んでリスクヘッジをしておくことが重要です。
・実質利回り:現実的な収益性の指標
・想定利回り:仮定して算出される利回りの指標
具体例で比較!表面利回りと実質利回りの差
表面利回りは物件価格と年間家賃収入の単純な比率なので、一見高い数字が出ている物件ほど「お得」に感じることがあります。
しかし実際には、物件管理や修繕費、保険料、さらには空室が出た場合の収入減などを考慮する必要があり、この表面利回りだけに目を奪われるケースが多いので注意が必要です。
これに対して実質利回りの計算では、実際に出ていく経費や運営リスクに対応する費用を加味します。
そのため、表面利回りよりも見た目の数字は下がりますが、実質見回りは賃貸経営の現実が反映されている分、投資家にとってはより確度の高い指標です。
実質利回りが一定以上の水準を保てるかをシビアに確認することが、投資判断で大切なポイントになります。
表面利回りだけを見て「高利回り」と思っていた物件の落とし穴
物件広告で「利回り10%以上」といった数字を見ると一見お得に感じますが、実際には、修繕費・管理費・固定資産税などの経費がかさみ、思ったほど手元に収益が残らないケースは少なくありません。
購入前には修繕履歴や管理体制、築年数といった要素をしっかり確認し、物件が抱える潜在的なリスクを見極めることが大切です。
とくに築年数の古い物件で表面利回りが極端に高い場合は、空室リスクや修繕コストによって実質利回りが大きく低下する可能性をあらかじめ想定しておく必要があります。
実質利回りに必要なコストを考慮するとどうなる?
実質利回りを算出する際には、物件運営にかかるコストを考慮する必要があります。
たとえば、年間家賃収入が300万円で物件価格が3,000万円の場合、表面利回りは一見10%となります。
ところが、固定資産税や火災保険料、管理費などの諸経費を年間50万円と見込むと、実際の手取り収入は250万円に減少します。
この場合の実質利回りは「250万円 ÷ 3,000万円 × 100 = 約8.3%」となり、表面利回りとの間に大きな差があることがわかります。
つまり、実質利回りを確認することで投資効率をより現実的に把握できるのです。
実質利回りを計算してみよう
実質利回りを求めるときは、年間家賃収入から年間の経費を差し引いた金額を、物件購入価格に初期費用を加えた金額で割り、100をかけるのが一般的な計算方法です。
初期費用には仲介手数料や登記費用、火災保険料なども含まれるため、表面利回りよりも考慮すべき項目が多くなります。
その分、数値は現実に近くなる一方で計算はやや複雑になります。
物件購入前には経費や初期費用をしっかり見積もり、できれば複数パターンのシミュレーションを行って比較検討することで、投資の失敗を減らすことができるでしょう。
不動産投資で考慮すべきコストとリスク
不動産投資を行う際は、物件の購入時にかかる初期費用や運用開始後にかかるランニングコストなどを総合的に考える必要があります。
さらに、空室リスクや設備故障といった不測の事態が重なると、一時的にキャッシュフローが大きく悪化する可能性もあります。
これらのリスクに備えるためには、投資効率だけを重視するのではなく、物件の管理体制や物件自体の状態も慎重に見極める姿勢が重要です。
複数の見積もりや試算を行い、どの程度のリスクまでであれば許容できるのか、その上で理想的な利回りをめざすのが得策です。
・購入時にかかる初期費用
・運用中のランニングコスト(管理費/修繕費など)
・空室リスクと想定外の出費
購入時にかかる初期費用
一般的には仲介手数料や不動産取得税、登記費用、火災保険料などが初期費用として考えられます。
これらは一度きりの出費ではありますが、合計すると数十万円から数百万円に及ぶことも珍しくありません。
購入価格だけでなく、諸経費を含めた総投資額で利回りを算出しないと、実際の収益力を見誤る可能性が高まります。
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運用中のランニングコスト(管理費/修繕費など)
物件を維持するためには、管理会社への委託費や共用部分の清掃費などさまざまなランニングコストが発生します。
さらに、築年数が経過している物件では定期的な修繕や原状回復費用が大きくなるケースも多く、安易に「家賃収入だけを見て儲かる」と判断するのは危険です。
事前に物件の修繕計画や管理費の水準を確認し、長期的な視点でキャッシュフローを評価することが重要です。
空室リスクと想定外の出費
入居者が退去すると、次の入居者が決まるまでの間は家賃収入がゼロになります。
さらに、退去後のリフォーム費用や広告費、設備交換の必要が出てくる可能性もあるため、実質利回りに大きく影響を与えます。
物件を複数持つ場合でも、空室が一時的に重なるとキャッシュフローが圧迫されるため、ある程度の予備費を確保しておくことが望ましいでしょう。
理想的な実質利回りの相場と最低ライン
実質利回りの相場は、一概に何%が正解とは断定しづらい側面があります。
都心部など物件価格が高く賃貸需要も安定しているエリアならば、実質利回りは相対的に低めでも堅実な投資と考えられるケースが多いです。
一方で地方エリアの物件は表面利回りが高めに設定されることが多いものの、空室リスクなどで実質利回りが思ったほど確保できないこともあるため、要注意です。
最低ラインとされる実質利回りを下回る物件は長期的な赤字リスクが高まり、金利上昇や修繕費増加によって手残りが一気にマイナスになる恐れがあります。
地域差による相場の違い
都市部では賃貸需要が高いため、実質利回りが5〜6%程度でも安定した投資になることが多いです。
一方、地方では10%近い表面利回りをうたう物件もありますが、実際に空室率や修繕費用がかさんで結局は十分な利益を得られなかった、という事例も少なくはありません。
立地条件やエリアの将来性を見極めながら、相場と比べて適正かどうかを判断しましょう。
新築/中古物件別の目安
新築物件は築浅でトラブルが少ない一方、投資初期にかかる費用が高く、実質利回りはやや低めになりがちです。
中古物件は比較的安く購入でき、表面利回りが高めなこともしばしばありますが、修繕費用など想定外の出費がかさむリスクは見逃せません。
メリットとデメリットを加味し、短期だけでなく長期のトータルコストを踏まえて判断する姿勢が重要です。
最低ラインを下回る場合のリスク
実質利回りが低すぎる物件は、金利上昇や入居者の退去が重なっただけで経営が厳しくなるリスクを伴います。
とくに融資を利用する場合は毎月の返済負担が固定されるため、予想を下回る収益しか得られないと簡単にキャッシュフローがマイナスになりかねません。
投資全体を安定させるためにも、最低限クリアすべき利回りラインを設定し、それを下回る物件は慎重に見極める必要があります。
表面利回り/実質利回りを高めるためのポイント
少しでも利回りを上げるために重要となるエリア選定や物件の付加価値向上、管理のコツなどを紹介します。
優良物件を選ぶだけでなく、適切なリフォームやアップグレードを行うことで入居者の満足度を上げ、家賃収入や稼働率を高められる可能性があります。
・賃貸需要の高いエリアを見極める
・リフォームや設備投資による付加価値アップ
・徹底した管理と空室対策で安定経営
賃貸需要の高いエリアを見極める
大都市圏や大学・企業が集まるエリアは、空室リスクが低く安定した収益を期待しやすいです。
街の将来性や再開発計画などを調べ、物件を選ぶ段階で需要が長期的に維持されるかをチェックすることが大切になります。
短期的な表面利回りよりも、長期安定を見越したエリア選定が実質利回りの向上につながります。
リフォームや設備投資による付加価値アップ
キッチンやバスルームなど、水回りを中心としたリフォームや最新設備の導入は、入居者の満足度向上に効果的です。
設備やデザインをグレードアップすることで、周辺物件と差別化しやすく賃料アップにつなげやすくなります。
ただし過剰な投資は回収に時間がかかる場合もあるため、投下コストと家賃アップ・稼働率アップのバランスを見極めることがポイントです。
徹底した管理と空室対策で安定経営
日常の清掃や点検を怠らず、メンテナンスの質を維持することは、入居者満足度と長期安定に直結します。
また、空室が出た際には迅速なリフォームや魅力的な募集条件で新規入居者を獲得するなど、稼働率を落とさない工夫が重要です。
賃貸経営は一度買って終わりではなく、継続的に管理と改善を行うことで安定した利回りを実現できます。
実質利回りを引き下げる要因とその対策
理想的な投資シミュレーション通りにいかないのは、築年数が進むにつれて修繕費用や維持管理コストが増大するためです。
リスクを最小化するためには、物件選定の段階で厳しくチェックすることはもちろん、購入後にも定期的にメンテナンスや入居者ニーズの把握を行う必要があります。
・築年数や旧耐震基準による影響
・管理状態や立地条件の問題
・収益悪化リスクへの備え(火災/修繕/貸借人トラブルなど)
築年数や旧耐震基準による影響
築古物件は購入価格が安い反面、修繕費やリフォーム費用で利益が削られやすい特徴があります。
さらに、旧耐震基準の物件は地震保険なども割高になる可能性があり、金融機関からの融資条件が厳しくなる場合もあります。
耐震診断や補強工事の要否を事前に調査し、短期間のうちに大幅な出費が必要になる可能性を見落とさないようにしましょう。
管理状態や立地条件の問題
管理が行き届いていない物件は入居者に敬遠され、結果として空室が発生しやすくなります。
立地が不便な場所にある物件も、供給に対して需要が小さいため入居率が低下しやすいのが実情です。
事前調査で周辺環境や交通アクセスをしっかり確認し、購入後も清掃や共用スペースの維持管理を徹底することがリスク管理の基本になります。
収益悪化リスクへの備え(火災/修繕/賃借人トラブルなど)
火災や漏水などの大きなトラブルは、修繕費だけでなく入居者の退去リスクも高めるため、保険や資金繰りの面で万全の備えが必要です。
修繕費用は時期や規模が予測しにくい部分もあるため、手元資金をしっかり確保しておきましょう。
また、賃借人とのトラブルに備えて、家賃保証会社や弁護士に相談するルートを用意しておくのも安心につながります。
よくある質問
物件の選定や利回りの見かたなど、初心者が悩みやすいポイントは多岐にわたります。
ここではとくに質問の多い「表面利回り」と「実質利回り」についてQ&A形式でまとめました。
表面利回りと実質利回り、結局どちらを重視すればいい?
表面利回りは物件検討時の概算を把握する目的で便利ですが、実際の出費を考慮する実質利回りが本質的な収益に近いため、投資判断の際には両方を確認することが望ましいです。
表面利回りでおおまかな候補を絞り込み、その後に管理費や修繕費などの経費を加味した実質利回りで収益性を見極めるスタンスが基本になります。
表面利回りが10%以上でも失敗することはある?
運用コストが想定よりもかかったり、空室リスクや家賃下落などが起きて実質利回りが大幅に下がる場合があります。
表面利回りの高さだけで判断するのは危険で、物件の老朽化状況や周辺エリアの需要など、細かな部分も併せて検討する必要があります。
利回りが低くても買う価値がある物件は?
築年数が新しくて資産価値が下落しにくい物件や、将来的に賃貸需要が高まるエリアであれば、短期的な利回りが低くても十分に検討する価値があります。
また、リフォームなどで家賃を上げる余地がある物件も、長期的には利回りの向上を見込めます。
投資目的や資金計画と照らし合わせ、長期的な安定収入を狙えるかどうかを見極めましょう。
実質利回りは物件購入後にも変わるの?
家賃改定や修繕費増加、入居率の変化などにより、購入後の実質利回りは変化します。
購入時に高い利回りだったとしても、あとから発生する大きな修繕や家賃引き下げ要因が出てくると収益性が低下してしまうこともあります。
常に運営状況をチェックし、必要に応じて改善策を講じる姿勢が求められます。
まとめ
不動産投資においては、最初に示される表面利回りを出発点としつつ、実質利回りを慎重に試算することで、より正確な収益性を把握することができます。
購入時の初期費用やランニングコスト、将来的な修繕リスクなども踏まえて収支を試算し、無理のない資金計画を立てることが重要です。
定期的な物件メンテナンスや賃貸状況の見直しを行いながら、想定外の出費を最小化していけば、長期的に安定した投資成果を期待することができます。
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