この記事の要約はこちら
・野良猫を見つけたときは、まず母猫が近くにいないか、本当に野良猫かどうかを確認することが重要。
・猫を保護した直後は、安全な場所へ移動させ、ケガや体調を確認し、体を温めるなどの応急対応を行う。
・先住猫がいる家庭では感染症を防ぐため、動物病院で健康チェックを受けるまで必ず隔離する。
・野良猫を動物病院に連れて行った場合、初診費用は約1万5,000円〜3万円程度が目安で、検査や治療内容によって変動する。
・子猫を保護した場合は専用ミルクを与えるなど適切な飼育環境を整え、将来的な医療費に備えてペット保険も検討すると安心。
猫を保護することは素晴らしい行動ですが、正しい知識を持って対応することが大切です。
野良猫を拾った場合、動物病院での初診費用は約1万5,000円〜3万円程度かかることが多いといわれていますが、怪我や感染症が見つかった場合はそれ以上の治療費が必要になるケースもあります。
この記事では、
・野良猫を拾う前に確認するポイント
・動物病院で受ける検査と治療費の目安
・子猫を保護したときの応急対応
・最低限必要な飼育グッズ
について解説します。
この記事を読めば、野良猫を見つけたときの正しい対処法がわかります。
この記事の目次
野良猫を拾う前に確認したい2つのポイント
外で困っている猫を見ると、助けてあげたいと思う人も多いでしょう。
しかし、外にいる猫が必ずしも野良猫とは限りませんし、猫の感染症は人間に感染するものもあります。
猫を保護する前に、必ず次の2つを確認しましょう。
保護前に確認するポイント
・母猫が近くにいないか
・本当に野良猫かどうか
これらを確認せずに保護してしまうと、かえって猫にとって良くないケースもあります。
母猫が近くにいないか確認する
子猫を見つけた場合、近くに母猫がいる可能性があります。
母猫は子猫にとって、
・母乳を与える
・体温を守る
・外敵から守る
といった大切な役割を担っています。
そのため、子猫はすぐに保護するのではなく、周りを一度確認したり、少し離れた場所から様子を見ることも大切です。
母猫は人が近くにいると警戒して近づかないこともあり、30分〜1時間ほど様子を見ると戻ってくることもあります。
一方で、次のような場合は保護を検討してもよいかもしれません。
・子猫が明らかに衰弱している
・ケガをしている
・母猫が長時間戻ってこない
この場合は、子猫だけでなく母猫や兄弟猫も一緒に保護できないか検討することが望ましいとされています。
本当に野良猫か確認する
外にいる猫でも、迷子になった飼い猫の可能性があります。
次のポイントを確認してみましょう。
飼い猫の可能性があるサイン
・首輪をつけている
・人に慣れている
・毛並みがきれい
・体格がよい
首輪がなくてもマイクロチップが入っている猫もいるので、首輪の有無で判断するのはよくありません。
マイクロチップは、動物病院にある専用のリーダーで読み取ることができるため、保護する際は必ず確認してもらいましょう。
猫を保護した場合は、次の機関へ連絡しておくと安心です。
- 保健所
- 警察
- 地域の保護団体
また、自宅周辺の動物病院に迷い猫の情報が掲示されていたり、近年はSNSで助けを求める投稿があがるっていることがあります。
自宅へのお迎えを検討している場合は、一度確認してみるとよいでしょう。
野良猫を拾った直後にやること
野良猫や子猫を保護した直後は、どうするべきか悩む人も多いでしょう。
まずは、次のポイントを落ち着いて確認してみましょう。
猫を拾った直後にやること
・安全な場所に移動させる
・体調やケガの有無を確認する
・体を温める
・先住猫がいる場合は隔離する
これらの対応を行うことで、猫の体調悪化や感染症のリスクを防ぐことができます。
安全な場所に移動させる
まずは、猫を危険がない場所へ移動させましょう。
道路の近くや、カラスなど天敵に襲われる恐れのない場所が望ましいです。
子猫にとって、外の世界は命の危険がたくさんあります。
ダンボール箱やキャリーケースなどに入れて、静かな場所で保護するのがおすすめです。
ただし、はじめから家の中に招くのはオススメしません。
猫の体にはノミやダニもついていますので、まずは安全な場所に移動するところまで進めましょう。
体調やケガの有無を確認する
猫を保護したら、まず体調を確認します。
チェックしたいポイント
・ケガや出血はないか
・呼吸が苦しそうではないか
・明らかに衰弱していないか
もし、
- 呼吸困難
- 意識が弱い
- 出血がある
などの状態が見られる場合は、すぐに動物病院へ連絡しましょう。
体を温める
特に子猫の場合は、体温を保つことがとても重要です。
子猫は体温調節が苦手なため、体が冷えると体調を崩しやすくなります。
体を温めるおすすめの方法は、
・毛布やタオルで包む
・湯たんぽ
・ペットボトル湯たんぽ
などを用いることです。
湯たんぽを使用する際は、低温やけどを防ぐために必ずタオルを巻きましょう。
先住猫がいる場合は隔離する
すでに猫を飼っている家庭では、先住猫と接触させないことが大切です。
野良猫は、
・ノミ
・ダニ
・猫エイズ
・猫白血病
などを持っている可能性があります。
特に猫エイズ(FIV)は完治することが難しい病気で、猫同士で感染する恐れのある恐ろしい病気です。
そのため、動物病院で健康チェックを受けるまでは別の部屋で隔離するようにしましょう。
ノミやダニのことを思うと、簡単に部屋に招き入れるのはあまりおすすめしません。
野良猫を拾ったらまず動物病院へ
母猫が近くにいないことや迷い猫ではないことが確認できたら、できるだけ早く動物病院に連れて行きましょう。
外で生活している猫は、一見元気そうに見えても
・感染症
・寄生虫
・ケガ
などの問題を抱えていることが少なくありません。
また、病気によっては先住猫や他の猫に感染してしまう可能性もあります。
そのため、猫を保護したらまず動物病院で健康状態を確認することが大切です。
動物病院で確認してもらうこと
・ケガや衰弱の有無
・ノミやダニなどの寄生虫
・猫エイズ(FIV)
・猫白血病(FeLV)
・脱水や栄養状態
これらの検査によって、猫の現在の健康状態を把握することができます。
もし寄生虫や感染症が見つかった場合は、駆虫薬や治療薬などの処置が行われます。
また、健康状態に問題がなければ、猫風邪などの感染症を防ぐワクチン接種をすすめられることもあります。
特に、先住猫のいる家庭では先住猫への感染を防ぐためにも早めの健康チェックが重要です。
野良猫の治療費はいくらかかる?
野良猫を動物病院に連れて行った場合、初診費用は約1万5,000円〜3万円程度かかるケースが多いとされています。
猫の健康状態や検査内容によって大きく変わるのであくまで参考にして下さいね。
例えば、動物病院では次のような検査や処置を行うことがあります。
野良猫の初診で行われる主な検査
・身体検査(視診・触診・聴診など)
・ノミやダニなど寄生虫駆除
・猫エイズ(FIV)検査
・猫白血病(FeLV)検査
・血液検査
・糞便検査
・尿検査 など
また、厚木ひまわり動物病院の案内では、ワクチン接種や健康診断は年間数千円〜1万円程度が目安と記載されています。
参考:厚木ひまわり動物病院 動物病院で野良猫を診察する流れと費用相場|避妊去勢・緊急時の対処法も徹底解説
動物病院の料金例
例えば「のらねこさんの手術室」という保護猫診療を行う動物病院では、次のような料金例が公開されています。
| 子猫を保護した場合は何を食べさせればいいですか?項目 | 内容 | 料金目安 |
| 駆虫薬 | アドボケート | 1,210円~ |
| 駆虫薬 | その他各種駆虫薬 | 550円~ |
| 抗生物質注射 | コンベニア(体重別) ※メスの場合は手術代に含まれることあり |
1,100円~ |
| ワクチン | 3種混合ワクチン(手術時接種) | 2,500円 |
| ワクチン | 3種混合ワクチン(単体) | 3,500円 |
| 検査 | エイズ・白血病検査(手術時検査) | 3,000円 |
| 検査 | エイズ・白血病検査(単体) | 3,500円 |
| 検査 | 生化学検査 | 3,850円~ |
| 検査 | CBC検査 | 1,650円 |
| マイクロチップ | マイクロチップ 挿入(手術時) |
2,500円 |
| マイクロチップ | マイクロチップ 挿入(単体) |
3,300円 |
参考:のらねこさんの手術室
この中から検査や処置を組み合わせると、初診で1〜3万円程度になります。
自治体の助成制度が使える場合もある
地域によっては、野良猫の避妊・去勢手術に助成制度がある自治体もあります。
例えば、京都市の避妊去勢手術助成制度では
犬:5,000円
猫:5,000円(野良猫も対象)
を補助してくれます。
このような制度を利用することで、野良猫の医療費負担を減らせる可能性があります。
関連記事
犬の停留精巣の手術費用は?保険適用や去勢の費用についても解説!
参考:京都市「犬・猫の避妊・去勢手術費用の助成制度について」
野良猫を拾ったら警察や保健所に連絡するべき?
野良猫を保護した場合、警察や保健所に連絡しておくことが望ましいとされています。
先ほども述べた通り、迷子になった飼い猫の可能性もあるためです。
実際に飼い主が猫を探している場合、
・警察
・保健所
・動物愛護センター
などに迷い猫の届け出を出しているケースがあります。
そのため、猫を保護した場合は次のような施設に連絡をしておくと安心です。
猫を保護したときの連絡先
・最寄りの警察
・保健所や動物保護愛護センター
・地域の保護団体
また、届け出を出していなくとも、近くの動物病院やスーパーなどに迷い猫の張り紙が出ていることもあります。
確認してみるとよいでしょう。
落とし物として扱われるケースもある
地域や状況によっては、猫が落とし物(遺失物)として扱われる場合があります。
その場合、警察へ届け出をしておけば飼い主が見つかったときのトラブルを防ぐことができます。
子猫に食事を与えるときのポイント
保護した猫が子猫の場合、年齢に合わせた食事を与えることが重要です。
特に、生後間もない子猫の場合は体力が弱く、与えるものや与え方を間違えると体調を崩してしまうこともあります。
ここからは下記の3つのポイントについて解説してきます。
子猫に食事を与えるときのポイント
・生後1か月未満の場合は子猫用ミルクを与える
・牛乳は与えない
・哺乳瓶で少量ずつ与える
子猫用ミルクを与える
生後1か月未満の子猫には子猫専用のミルクを与えます。
通常、子猫は母猫の母乳で育ちます。
子猫用ミルクは、栄養バランスが母乳に近い成分で作られているので、体に負担をかけることなく安心して与えられます。
ペットショップや動物病院、オンラインショップでも購入することができますよ。
牛乳は与えない
子猫に牛乳を与えるのは絶対に避けましょう。
猫は牛乳に含まれる乳糖をうまく分解できないことが多く、下痢を起こす原因になることがあります。
特に体力の少ない子猫は、下痢によって脱水や体力の低下などの症状が起こります。
そのため、ミルクは必ず子猫専用のものを使用しましょう。
哺乳瓶で少量ずつ与える
生後間もない子猫は、お皿からミルクを飲むことができません。
そのため、ペット用の哺乳瓶を使ってミルクを与える必要があります。
ミルクを作るときは約38℃前後(母猫の体温に近い温度)を目安にするとよいでしょう。
温度が高すぎると火傷の原因になります。
腕の内側に垂らしてぬるいと感じる程度に調整するとよいですよ。
また、ミルクの量や回数はメーカーによって異なります。
必ずパッケージの説明に従って作ることが大切です。
子猫を育てるときに最低限必要なグッズ
子猫を保護して育てることになった場合、最低限そろえておきたいものがあります。
子猫の飼育に必要なもの
・猫トイレ
・猫砂
・寝床(毛布・タオルなど)
・食器
・キャリーケース
すべてを一度にそろえる必要はありませんが、トイレと寝床は早めに準備しておくと安心です。
ここからは、それぞれのグッズについて簡単に解説してきます。
トイレ用品
猫は比較的トイレを覚えやすい動物です。
下記を準備しましょう。
・猫トイレ
・猫砂
・スコップ
猫砂がすぐに用意できない場合は、細く裂いた新聞紙で代用することも可能です。
また、子猫がトイレを覚えない場合は失敗した排泄物をトイレに入れておくと覚えやすくなるといわれています。
寝床
子猫は体温調節が苦手なため、暖かい寝床を用意することが大切です。
例えば、
・バスタオル
・毛布
・ペット用ベッド
などを使うと安心ですよ。
また、猫は暗くて狭い場所を好みます。
はじめは、ケージやダンボールに布をかけてあげると落ち着いて過ごせる環境を作ることができます。
猫の医療費に備えるならペット保険も検討
猫には人間のような公的医療保険制度がありません。
そのため、動物病院の治療費は基本的に全額自己負担となります。
今回紹介したように、野良猫は
・健康診断
・ワクチン
・寄生虫駆除
・病気の治療(生涯にわたるものも)
などで初期から生涯にかけて医療費がかかります。
もし家族として迎える場合は、ペット保険を検討しておくと安心です。
ペット保険は、加入後に発症したけがや病気の治療費を補償してくれる制度です。
一般的に、治療費の50%、70%、90%、100%を補償してくれるものが多く、治療費が高額化しやすい元野良猫にはとてもおすすめです。
ただし、猫が病気になってからでは加入できない場合もあるため、健康なうちに検討することが大切です。
ペット保険アドバイザーでは、猫の年齢や希望条件に合わせたペット保険の相談を受け付けています。
「どの保険を選べばいいかわからない」という場合は、ぜひ下記から相談してみてください。
ペット保険は必要?

ペットには公的医療保険制度がありません。
そのため診療費の自己負担額は100%です。
もしものときにお金を気にせずペットの治療に専念できるよう、ペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペットが元気なうちに加入を検討しましょう。
よくある質問
野良猫に噛まれた場合はどうすればいい?
野良猫に噛まれた場合は、まず傷口を石鹸と流水でよく洗い流してください。
猫の口の中には多くの細菌がいるため、腫れや発熱などの感染症を起こすことがあります。
傷が小さくても、できるだけ早めに人の病院(外科や皮膚科)を受診することをおすすめします。
野良猫の治療費は無料になりますか?
基本的に無料にはなりません。
動物病院の治療費は公的医療制度の対象ではないため、保護した人が費用を負担するケースがほとんどです。
ただし自治体によっては助成制度がある場合があります。
保護した場合は、お住まいの自治体の制度を確認してみましょう。
野良猫をそのまま飼うことはできますか?
そのまま飼うこと自体は可能です。
ただし、迷子猫の可能性も加味した行動が大切です。
また、家に迎える場合は動物病院で健康チェックを受けてから飼育を始めるようにしましょう。
まとめ
野良猫を見つけたときは、まず次のポイントを確認しましょう。
・本当に野良猫か確認する
・母猫が近くにいないか確認する
・保護した場合は動物病院で健康チェックを受ける
猫を保護することは素晴らしい行動ですが、命を守るためには費用や責任も伴うことを理解しておくことが大切です。
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