この記事の要約はこちら
・個人年金保険を学資保険の代わりに利用するためには、満期をどの時期にするかが大事
・個人年金保険のメリットは自動的に教育資金の準備を進められること
・個人年金保険のほかにもNISAや終身保険の活用も有効
子どもが誕生し、「学資保険への加入を検討したい」と考えている方は多いでしょう。
一方で「学資保険以外に教育資金を準備する方法はないのだろうか?」と疑問に感じることもあるかもしれません。
教育資金の準備方法にはいくつかの選択肢があり、そのひとつに個人年金保険が挙げられます。
個人年金保険と聞くと、「老後資金を準備するための保険」というイメージが強いかもしれませんが、実は子どもの教育資金準備にも活用できるのです。
そこでこの記事では、個人年金保険が学資保険の代わりとして活用できる理由や、学資保険との違いをわかりやすく解説します。
また、教育資金を準備するその他の方法についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
個人年金保険は学資保険の代わりに十分なり得る
結論からいうと、個人年金保険は学資保険の代わりに十分なり得ます。
もともと個人年金保険は、老後資金を準備することを目的とした保険ですが、その貯蓄機能を活用することで、学資保険のように教育資金を効率よく準備することが可能です。
ただし、学資保険の代わりとして利用するためには、満期を子どもの教育資金が必要になるタイミングに合わせて設定することが重要です。
具体的には、大学入学や高校進学時期など、大きな教育費が発生する時期を見据えて計画する必要があるでしょう。
次項で個人年金保険の概要や学資保険との違いについて解説していきます。
個人年金保険の概要
個人年金保険は、契約時に決めた年齢(例えば60歳や65歳)まで保険料を支払い、その後、一定期間もしくは終身にわたって年金を受け取れる保険です。
主に老後資金を準備するための保険として広く利用されていますが、教育資金の準備など別の目的にも活用できます。
また、契約者が年金を受け取る前に亡くなった場合は、払い込んだ保険料相当額を死亡保険金として受け取れる仕組みが一般的です。
ただし、長期的な運用を前提としているため、加入期間が短いと返戻率が低くなる点に注意が必要です。
個人年金保険には主に以下の3種類があります。
・円建て個人年金保険
・外貨建て個人年金保険
・変額個人年金保険
確実に決まった金額を準備したい場合は、比較的リスクの少ない円建て個人年金保険の活用がおすすめです。
一方で、積極的に運用しながら教育資金を準備したい場合は、外貨建てや変額個人年金保険を検討するとよいでしょう。
個人年金保険と学資保険の違い
個人年金保険と学資保険の違いについて以下の表にまとめました。
| 個人年金保険 | 学資保険 | |
| 主な目的 | 老後資金の準備 | 子どもの教育資金の準備 |
| 保障内容 | 被保険者が死亡した場合、 払い込んだ保険料相当額が死亡保険金として支給 |
契約者が死亡した場合は 以後の保険料が免除 |
| 運用の種類 | 円建て・外貨建て・変額型 | 円建てが一般的 |
| 生命保険料控除 | あり | あり |
| 保険金の受け取り方法 | 一括または年金形式での受け取り | お祝い金または満期保険金での受け取り |
個人年金保険と学資保険では保障内容や運用の種類などに違いがあります。
とくに保障内容に関しては、加入者が万が一亡くなった場合、学資保険は以後の保険料が免除されますが、満期保険金は満額受け取れます。
一方で、個人年金保険には外貨建てや変額型の商品があるため、運用成果次第では学資保険よりも多くの満期保険金を受け取れる可能性があるでしょう。
学資保険代わりに個人年金保険に加入するメリット
学資保険代わりに個人年金保険に加入する主なメリットは次の3つです。
・自動的に教育資金の準備を進められる
・預貯金よりも高利回り
・健康状態に不安がある人でも加入しやすい
・子どもの年齢に関係なく加入できる
自動的に教育資金の準備を進められる
個人年金保険は自動的に教育資金を積み立てられるメリットがあります。
教育資金の準備は長ければ15年以上と長期にわたるため、計画的かつ継続的な積み立てが重要です。
しかし、貯金などで準備する場合、つい気の緩みで資金に手を付けてしまうことも少なくありません。
個人年金保険であれば、毎月の保険料が自動で積み立てられるため、機械的に教育資金の準備ができます。
また、保険を解約するには手続きが必要となり、完了するまでに手間と時間がかかるため、積み立てた資金を安易に使い込むリスクも抑えられるでしょう。
預貯金よりも高利回り
個人年金保険は、預貯金よりも高い利回りが期待できます。
近年、政策金利の引き上げに伴い預貯金の金利も上昇傾向にありますが、それでも個人年金保険の利回りのほうが有利な状況は変わりません。
教育資金を準備するからには、できるだけ効率よく資金を増やしたいと考える方も多いでしょう。
個人年金保険には、外貨建てや変額型といった運用機能を備えた商品もあり、これらを活用すれば市場環境や為替変動を利用して、さらに高い利回りを目指すことが可能です。
ただし、契約する保険会社によって利回りが異なるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
変額個人年金保険についてはこちらの記事で解説をしています。
変額個人年金保険とは|メリット・デメリットや選び方を解説
健康状態に不安がある人でも加入しやすい
保険に加入する際には、健康状態の申告(告知)を求められることが一般的ですが、個人年金保険では健康状態の申告が不要な商品も多くあります。
個人年金保険は死亡保険のように、死亡時に多額の保険金が支給されるわけではなく、払込期間中に亡くなった場合には、それまでに支払った保険料相当額が死亡保険金として返還される仕組みになっているからです。
一方、学資保険には契約者である親に万が一のことがあった場合に保険料の払い込みが不要になる「保険料払込免除特約」が付加されていることがほとんどです。
健康状態のよくない人が契約者になると保険会社にとってはリスクが高くなるため、原則として告知が必要になります。
そのため、持病を抱えている方や健康状態に不安がある場合、加入できないケースもあります。
子どもの年齢に関係なく加入できる
学資保険は子どもが6〜7歳程度になるまでしか加入できない商品が多くなっていますが、個人年金保険は被保険者となる親の年齢が契約年齢を満たしていれば加入できるのが特徴です。
子どもがある程度成長してから教育資金の準備を始めたい場合にも、柔軟に対応できる点はメリットと言えるでしょう。
学資保険代わりに個人年金保険に加入するデメリット
学資保険代わりに個人年金保険に入る場合のデメリットも押さえておきましょう。
主なデメリットは次の4つです。
・親が死亡した場合の保障がない
・満期を迎えるまでお金は受け取れない
・個人年金保険料控除は適用外になる場合がある
・商品によっては受取率が100%を下回る場合がある
親が死亡した場合の保障がない
学資保険では、親が死亡した場合に以後の保険料支払いが免除され、満期時に予定通りの教育資金が受け取れる保障がついていることが一般的です。
しかし、個人年金保険にはこのような保障がありません。
親が死亡した場合、払込保険料相当額の死亡保険金は受け取れるものの、教育資金の積立は途中でストップしてしまうリスクがあります。
満期を迎えるまでお金は受け取れない
学資保険では、子どもの進学時期に合わせて「祝金」などを分割で受け取れる商品が多くあります。
しかし、個人年金保険は満期まで原則として給付がないため、柔軟に資金を取り崩すことができません。
途中で資金が必要になっても対応しにくい点は注意しましょう。
個人年金保険料控除は適用外になる場合がある
個人年金保険の保険料は、生命保険料控除の対象となり節税効果が期待できます。
しかし、個人年金保険で「個人年金保険料控除」を利用するには、以下のような条件を満たし「個人年金保険料税制適格特約」を付加しなければなりません。
・年金受取人は被保険者と同一人である
・保険料払込期間が10年以上である
・年金の種類が確定年金や有期年金の場合、年金受取開始が60歳以降で、かつ年金受取期間が10年以上である
契約者である親が年金受取開始時に60歳未満の場合、税制適格特約を付加できず「一般生命保険料控除」の対象となってしまう可能性があります。
一般生命保険料控除の控除額は最大で4万円で、すでに他の生命保険に加入してこの枠を使い切っている場合、それ以上の控除は受けられません。
節税効果が想定より小さくなることもあるため、契約時に注意が必要です。
商品によっては受取率が100%を下回る場合がある
外貨建てや変額型の個人年金保険では、運用状況によって受取金額が元本を下回るリスクがあります。
基本的に受取金額が確定している商品が多い学資保険とは異なり、確実に教育資金を準備したい場合には向かない場合があります。
外貨建て個人年金についてはこちら
個人年金保険の外貨建てのデメリットとは?加入して後悔した人の声も解説!
学資保険と個人年金保険はどっちがおすすめ?
子どもの教育資金を準備する手段として、学資保険と個人年金保険のどちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。
これまでに挙げたメリット・デメリットを踏まえて、それぞれに向いている人の特徴を解説します。
教育資金の準備に学資保険を選んだ方がいい人
教育資金の準備に学資保険を選んだ方がいい人の特徴は、以下のとおりです。
・進学のタイミングに合わせて複数回お金を受け取りたい人
必要な時期に必要な金額をなるべく確実に受け取りたい場合は学資保険が向いています。
満期まで継続すれば、基本的に契約時に決めた金額を受け取ることが可能です。
保険料払込免除特約がセットされていれば、途中で契約者の親に万が一のことがあっても、事前に計画した通りの教育資金を残せます。
また、学資保険は、子どもの入学時期(高校・大学など)に合わせて、祝い金や満期金として段階的に資金を受け取れる商品が多くあります。
入学金や初年度の学費など、まとまった出費が重なるタイミングで資金が必要な人にぴったりです。
教育資金の準備に個人年金保険を選んでもいい人
教育資金の準備に個人年金保険を選んでもいい人の特徴は、以下の通りです。
・健康状態に不安がある
・最低限の教育資金は準備できている
学資保険は子どもの年齢が小さいうちしか加入できないケースが多いですが、個人年金保険は子どもの年齢制限によって加入を制限されることは基本的にありません。
また、個人年金保険は告知不要の商品もあるため、持病や体調に不安があり、学資保険の審査に通るか心配な場合も加入しやすいでしょう。
すでに必要な教育資金の一部は確保できていて、さらに資金を増やしたいと考えている場合も、個人年金保険が役立ちます。
特に外貨建てや変額型など運用要素のある商品を選べば、うまくいけば将来受け取れる金額を増やすことも可能です。
個人年金保険の代わりに教育資金を準備できる方法
教育資金の準備方法のひとつとして個人年金保険を紹介してきましたが、そのほかにも以下のような準備方法があります。
・預貯金
・NISA
・終身保険
以下で詳しく解説していきます。
預貯金
預貯金は元本が保証されており、そのうえお金の出し入れが比較的容易であることから、教育資金の準備方法として多くの方に利用されています。
万が一預けている銀行が破綻した場合でも、預金保険制度により1,000万円とその利息までは保証されるため、資金を預けるうえで大きな安心感を得られるでしょう。
ただし、預貯金は元本保証がある一方で、利息が低い傾向にあり、資産を増やす効果はほとんど期待できません。
また、インフレに弱いという特性もあり、将来的に物価が上昇すると、預貯金の実質的な価値が目減りしてしまうリスクも考えられます。
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NISA
NISA(少額投資非課税制度)は、運用で得られる利益が非課税になる制度です。
通常、配当金や譲渡益などに対して約20%の税金がかかりますが、NISA口座を介して購入した金融商品に関しては運用益が非課税となります。
さらに、2024年からは新NISAとして制度が改正され、利用できる枠や内容が大幅に改善されました。
新NISAの基本的な概要や特徴は以下の表のとおりです。

出典:金融庁 NISAを知る
新NISAはこれまでよりも長期運用に適した制度になり、安定したリターンを狙えます。
例えば、NISA口座で株式や投資信託などを購入し、年利4%で運用した場合でみていきましょう。
仮に毎月2万円を積み立て、15年間運用すると、元本360万円に対して最終資産額は約490万円となります。
ただし、NISAで扱う金融商品は元本が保証されていません。
市場環境によっては元本割れを起こす可能性もあるため、リスクを十分理解したうえで運用を進めることが重要です。
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終身保険
終身保険の活用も有効な手段のひとつです。
終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険で、被保険者に万が一のことがあった場合に死亡保険金を受け取れる仕組みです。
そのうえ、貯蓄機能もあるため、万が一に備えながらも教育資金の準備を進められます。
終身保険には主に以下のような種類があります。
・低解約返戻金型終身保険
・外貨建て終身保険
・変額保険
低解約返戻金型終身保険は、満期まで解約返戻金が抑えられている代わりに、手頃な掛金で加入できる商品です。
そのため、なにかとお金のかかる子育て世帯に適した商品といえるでしょう。
効率よく資産を増やしたい方には、外貨建て終身保険や変額保険を活用する方法もあります。
ただし、終身保険においても早期で解約すると、元本割れを起こす可能性がある点には注意が必要です。
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教育資金の準備方法に迷ったらFPに相談
個人年金保険は学資保険の代わりに十分なり得ます。
学資保険の代わりとして利用するためには、満期を子どもの教育資金が必要になるタイミングに合わせて設定することが重要です。
個人年金保険のメリットは「自動的に教育資金の準備を進められる」ことや「生命保険料控除を利用できる」などがあります。
一方で早期解約すると元本割れを起こす可能性がある点には注意が必要です。
教育資金の準備方法は個人年金保険以外にも「NISA」や「終身保険」があるため、自身に適した方法を選択するとよいでしょう。
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