この記事の要約はこちら
・先進医療は保険適用を検討するための審査段階にある新しい医療技術。
・先進医療の技術料は全額自己負担で、高額医療費の対象外。
・先進医療の治療を受ける場合、先進医療の技術料以外の部分は保険との併用が許されている。
・高額な先進医療にはがん治療にかかわるものが多く、実施件数が多い先進医療には不妊治療にかかわるものが多い。
・先進医療特約に入っておくことで、費用面で必要な治療を諦めなくても済むため、治療の選択肢が増える。
先進医療と言うと「高額な費用がかかる治療方法」というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
すべての先進医療の技術料が何百万円という高額になるわけではありませんが、保険適用の診療と比べると全体的に高くなる傾向があります。
なぜ先進医療が高額なのか、その理由がわかれば、備えが必要だと感じることでしょう。
この記事では、高額な先進医療と実施件数の多い先進医療それぞれのランキングを紹介したうえで、高額な先進医療に備える必要性と備える方法について解説します。
この記事の目次
先進医療とはどういうもの?
先進医療という名前は知っていても、実際はどの医療技術を指しているかわからないという人が多いようです。
どれが先進医療なのかがわかっていなければ、なぜ高額な医療費に備える必要があるのかもわからないでしょう。
この機会に、先進医療について正しく理解しておきましょう。
先進医療とは?
先進医療とは、公的医療保険の適用すべきか否かを検討している段階にある先端の医療技術で、なおかつ厚生労働大臣が定める「高度な医療技術を用いる療養やその他療養」に該当するものです。
将来的な保険導入のために評価を行っている最中なので、まだ保険診療の対象にはなっていません。
評価が終了した時点で保険適用が可か否かが決まり、その段階で先進医療の対象ではなくなります。
令和7年11月1日時点で先進医療に該当する医療技術は71種類です。
かかる費用は全額自己負担
先進医療は、保険給付の対象とすべきかを検討している最中なので、医療保険の適用が受けられません。
つまり、先進医療を受ける場合、技術料に関しては全額自己負担です。
「高額になっても高額療養費があるから大丈夫」と思っている人もいるかもしれませんが、残念ながら、先進医療は高額療養費の対象からも外れています。
高額療養費の対象は公的医療保険が適用される医療費の自己負担分だからです。
先進医療は公的医療保険の対象外なので高額療養費の対象にもなりません。
保険診療導入に向けた「評価療養」の1つ
評価療養とは、将来的に公的医療保険の適用対象とすべきかを検討中の先進的な医療技術や医薬品のことです。
検討中ではありますが、評価療養としている時点では、将来的な保険適用を前提としています。
評価療養による治療は、その治療法自体にかかる費用は全額自己負担です。
ただし、診察や検査、投薬、入院など、一般の保険診療と共通している部分の費用に関しては、健康保険が適用されます。
ちなみに、評価療養に該当するのは先進医療だけではありません。
医薬品の治験や医療機器の臨床試験にかかわる診療、薬事法上の承認後に保険適用前の医薬品や医療機器を使用するケース、適応外の医薬品・医療機器を使用ケースなども評価療養に当たります。
受けられる医療機関が限られている
先進医療は、全国どこの医療機関でも受けられるというものではありません。
受けられる医療機関がごく一部に限られています。
それは、安全性と有効性を担保するためです。
実施できるのは、厚生労働大臣が定める施設基準を満たし、厚生労働省への届け出を済ませた医療機関のみになります。
しかも、先進医療ごとに基準が異なるため、それぞれの施設基準を満たし、届け出をしなければなりません。
1つの医療機関ですべての先進医療を受けられるというわけではないのです。
医療技術ごとに適応症が決められている
先進医療は、それぞれの技術ごとに適応症や対象部位が細かく決められており、決められた病名や部位以外に技術を用いることは認められていません。
先進医療の対象疾患や条件以外でその医療技術を受けた場合は、先進医療としては扱われず、自由診療となってしまうということです。
そうなると、評価療養ではなくなるため、先進技術料以外の部分(通常は保険診療になる診察、検査、投薬、入院など)も全額自己負担となります。
先進医療はAとBに分類されている
先進医療はAとBの2種類に分類されています。
未承認の医薬品や医療機器を使用しないものが先進医療A、使用するものが先進医療Bです。
既に一定の有効性と安全性が確認されている技術は先進技術A、まだ評価の途中段階にある、より新しい、あるいは複雑な技術は先進医療Bはという違いもあります。
先進技術Bは、科学的根拠が乏しい場合があるため、より慎重な評価画必要です。
先進医療AとBとでは、実施医療機関についても違いがあります。
先進医療Aは施設基準を満たせば実施可能ですが、先進医療Bはより重点的な観察や評価が必要なため、実施施設は厳しく限定されています。
先進医療Aは保険診療への移行の可能性が高い技術として提供されているのに対し、先進医療Bは新しい医療技術の評価や臨床試験を目的としているケースが多いという点も大きな違いです。
技術料は全額自己負担で、高額療養費も使えない。
受けられる病院や病気が限られていて、AとBの2種類があるんだ。
先進医療は混合診療の対象?
先進医療を受ける際に気になるのは、混合診療の対象かどうかという点でしょう。
混合診療の対象でなければ、先進医療の技術料以外の部分も全額自費になってしまいます。
先進医療を受ける際に、どこまでの医療費負担が必要になるのかという点についても、理解しておきましょう。
日本では原則禁止されている混合診療
混合診療とは、健康保険適用の保険診療と、保険適用外の自由診療を、1つの病気の治療に同時併用することで、日本では原則禁止されています。
なぜ禁止されているのかというと、保険診療と自由診療が混ざると医療費が不当に高額になる可能性があるためです。
お金を持っているか否かによって受けられる医療に格差が生じるようでは、国民皆保険制度の趣旨から外れてしまうからです。
そのような理由により、原則的には、混合診療が行われた場合は、保険診療分も含めて全額自己負担となります。
保険外併用療養として例外的に認められるケースは?
日本でも、治療の選択肢を充実させ、医療サービスの質を向上させるために、例外的に保険外併用療養として混合診療が認められるケースがあります。
ただし、例外的に保険診療分の治療費と自由診療分の全額自己負担を分けて考えるのは、評価療養と選定療養の場合のみです。
評価療養には先進医療や治験など保険導入の評価を行うための医療、選定療養には大病院の紹介状なし受診や、完全予約制クリニックの予約診療、差額ベッド代など特定のサービスなどが該当します。
費用が高額な先進医療ランキング
先進医療の費用は、受ける先進医療の種類によって異なり、医療機関によっても異なります。
ランキングを出すに当たり、厚生労働省が発表した先進医療会議「令和6年度実績報告」の先進医療費総額を実施件数で割って平均値を算出し、各先進医療1件あたりの平均技術料としました。
費用が高額な先進医療のランキングは以下の通りです。
| 先進技術名 | 実施件数(件) | 平均技術料(円) | |
| 1位 | 周術期デュルバルマブ 静脈内投与療法 |
19件 | 9,573,786円 |
| 2位 | 自己軟骨細胞シートによる 軟骨再生治療 |
7件 | 4,045,186円 |
| 3位 | 腫瘍治療電場療法 | 5件 | 3,393,149円 |
| 4位 | イマチニブ経口投与及び ペムブロリズマブ静脈内投与の併用療法 |
6件 | 3,278,271円 |
| 5位 | 重粒子線治療 | 442件 | 3,144,880円 |
| 6位 | 生体肝移植 (切除が不可能な肝門部胆管がん) |
1件 | 2,692,000円 |
| 7位 | 陽子線治療 | 827件 | 2,679,335円 |
| 8位 | シスプラチン静脈内投与および 強度変調陽子線治療の併用療法 |
9件 | 2,410,333円 |
| 9位 | ネシツムマブ静脈内投与療法 | 19件 | 2,295,904円 |
| 10位 | 自己骨髄由来培養間葉系細胞移植 による完全自家血管新生療法 |
1件 | 2,008,463円 |
参考
厚生労働省 先進医療の実績報告について(令和6年度実績報告)
大同生命 先進医療情報ガイド
実施件数が多い先進医療のランキング
こちらの場合も、実施する医療機関によって先進医療の費用が異なるため、厚生労働省が発表した先進医療会議「令和6年度実績報告」の先進医療費総額を実施件数で割って平均値を算出し、各先進医療1件あたりの平均技術料としています。
実施件数が多い先進医療のランキングは以下の通りです。
| 先進技術名 | 実施件数(件) | 平均技術料(円) | |
| 1位 | タイムラプス撮像法による 受精卵・胚培養 |
89,316件 | 40,779円 |
| 2位 | 子宮内膜刺激術 | 23,723件 | 36,630円 |
| 3位 | 強拡大顕微鏡を用いた 形態学的精子選択術 |
14,040件 | 20,584円 |
| 4位 | ヒアルロン酸を用いた 生理学的精子選択術 |
10,209件 | 33,063円 |
| 5位 | 子宮内細菌叢検査2 | 9,131件 | 51,596円 |
| 6位 | 膜構造を用いた 生理学的精子選択術 |
8,299件 | 43,456円 |
| 7位 | 子宮内細菌叢検査1 | 5,935件 | 70,900円 |
| 8位 | 子宮内膜受容能検査1 | 5,252件 | 131,917円 |
| 9位 | 子宮内膜擦過術 | 2,758件 | 17,143円 |
| 10位 | 二段階胚移植術 | 2,717件 | 112,775円 |
参考
厚生労働省 先進医療の実績報告について(令和6年度実績報告)
大同生命 先進医療情報ガイド
2つのランキングから読み取れることは?
費用が高額な先進医療のランキングと実施件数が多い先進医療のランキングを見比べると、ランキング上位の医療技術が異なっています。
2つのランキングの違いを分かりやすくするために、それぞれの技術の適応症を挙げたうえで比較してみましょう。
費用が高い先進技術の特徴
費用が高額な先進医療のランキングで紹介した先進技術の適応症は以下の通りです。
| 先進技術名 | 適応症 | |
| 1位 | 周術期デュルバルマブ 静脈内投与療法 |
肺尖部胸壁浸潤がん。 ただし、化学放射線療法後のものであって、 同側肺門リンパ節・縦隔リンパ節転移、 同一肺葉内・同側の異なる肺葉内の肺内転移 及び遠隔転移のないものに限る。 |
| 2位 | 自己軟骨細胞シートによる 軟骨再生治療 |
変形性膝関節症。 ただし、軟骨欠損を伴うものであって、 高位脛骨骨切り術の適応となるものに限る。 |
| 3位 | 腫瘍治療電場療法 | 膠芽腫。 ただし、当該疾病が発症した時点における 年齢が18歳未満の患者に係るもので、 なおかつテント上に位置するものに限る。 |
| 4位 | イマチニブ経口投与及び ペムブロリズマブ静脈内投与の併用療法 |
進行期悪性黒色腫。 ただし、KIT遺伝子変異を有するものであって、 従来の治療法に抵抗性を有するものに限る。 |
| 5位 | 重粒子線治療 | 肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、 泌尿器腫瘍または転移性腫瘍。 ただし、いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。 |
| 6位 | 生体肝移植 (切除が不可能な肝門部胆管がん) |
高額ランキングの対象となっている 生体肝移植の適応症は、切除が不可能な肝門部胆管がん。 切除が不可能な転移性肝がんに対しても生体肝移植術が行われるが、 この場合は、大腸がんから転移したもので、 なおかつ大腸切除後の患者に係るものに限るという条件がある。 |
| 7位 | 陽子線治療 | 脳腫瘍を含む頭頚部腫瘍、肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、 肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍または転移性腫瘍。 ただし、いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。 |
| 8位 | シスプラチン静脈内投与および 強度変調陽子線治療の併用療法 |
頭頸部扁平上皮がん。 ただし、喉頭がん、中咽頭がんまたは下咽頭がんであって、 p16陽性中咽頭がんの場合はステージⅡ期~Ⅳ期、 それ以外はステージⅢ期またはⅣ期のものに限る。 |
| 9位 | ネシツムマブ 静脈内投与療法 |
切除が不可能なEGFR遺伝子増幅陽性固形がん。 ただし、食道がん、胃がん、小腸がん、尿路上皮がんまたは乳がんに限る。 ※この技術は、令和7年9月30日で先進医療に該当しなくなった。 |
| 10位 | 自己骨髄由来培養間葉系細胞移植 による完全自家血管新生療法 |
閉塞性動脈硬化症。 ただし、血行再建術が困難なものであって、 フォンタン分類Ⅲ度またはⅣ度のものに限る。 |
適応症を見るとわかる通り、費用が高額な先進医療の技術は、がん治療に用いられるものが大半を占めています。
いずれも、先進医療Bに該当する新しい技術で、ごく限られた医療機関でしか実施できない技術です。
慎重に実施する必要があり、施設基準も厳しいことが高額な費用につながっているのでしょう。
実施件数は少ないものの、がん治療に用いるということは、誰にいつ必要になってもおかしくない技術ですので、選択肢の1つにできた方がよいでしょう。
実施件数が多い先進技術の特徴
一方、実施件数が多い先進医療のランキングで紹介した先進技術の適応症は以下の通りです。
| 先進技術名 | 適応症 | |
| 1位 | タイムラプス撮像法による 受精卵・胚培養 |
不妊症。 ただし、卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は 一般不妊治療が無効であるものに限る |
| 2位 | 子宮内膜刺激術 | |
| 3位 | 強拡大顕微鏡を用いた 形態学的精子選択術 |
|
| 4位 | ヒアルロン酸を用いた 生理学的精子選択術 |
|
| 5位 | 子宮内細菌叢検査2 | ①不妊症。 ただし、卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は 一般不妊治療が無効であるもので、 なおかつこれまで反復して着床又は 妊娠に至っていない患者に係るものに限る。 |
| ②慢性子宮内膜炎が疑われるもの又は 難治性細菌性腟症。 |
||
| 6位 | 膜構造を用いた 生理学的精子選択術 |
不妊症。 ただし、卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は 一般不妊治療が無効であるものに限る |
| 7位 | 子宮内細菌叢検査1 | 慢性子宮内膜炎が疑われるもの |
| 8位 | 子宮内膜受容能検査1 | 不妊症。 ただし、卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は 一般不妊治療が無効であるもので、 なおかつこれまで反復して着床又は 妊娠に至っていない患者に係るものに限る。 |
| 9位 | 子宮内膜擦過術 | |
| 10位 | 二段階胚移植術 | 不妊症。 ただし、卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は 一般不妊治療が無効であるもので、 なおかつこれまで反復して着床又は妊娠に至っていない、 子宮内膜刺激術が実施された患者に限る。 |
適応症を見てわかる通り、実施数が多い先進医療の大半は不妊治療に関係するものです。
晩婚化、妊娠・出産の高齢化が進んでいる昨今では、このような技術に頼らざるを得ないケースも少なくないでしょう。
先進医療の技術料としては比較的安価ですが、治療が長期にわたるうえに、複数回受ける可能性もありますので、1回1回は安価でも、総額が高額になることも考えなければならないでしょう。
高額な先進医療の費用はどう備える?
高額な費用がかかる先進医療の多くががん治療に関するものだとわかり、「何とかして治療の選択肢の1つにしたい」と思った人もいることでしょう。
ここからは、高額になりがちな先進医療を受けるためには、どのような備えをすればよいのか考えていきましょう。
・公的医療保険を理解する
・自己資金で備える
・民間医療保険で備える
公的医療保険を理解する
先進医療を受けるためにはいくら準備すればよいのかを計算するためには、公的医療保険でどこまでカバーできるのかを正しく理解しなければなりません。
先進医療の技術料は全額自己負担で、保険診療の部分に関しても1~3割の自己負担があるからです。
先進医療は高額療養費の対象外ですから、その点についても正しく理解しておく必要があります。
逆に、高額な先進医療は全額自己負担だと考えていた人は、公的医療保険と併用できる部分があることを理解できれば、費用負担が抑えられていると感じられるようになるはずです。
公的医療保険でカバーできる範囲を正しく理解することにより、本当に準備しておかなければならない資金がいくらなのかも計算できるようになるでしょう。
自己資金で備える
先進医療を受ける場合、技術料の部分は全額自己負担ですし、保険診療部分にも自己負担があります。
しかも、先進医療の費用は高額療養費の対象外なので、先進医療を受ける場合は、保険適用の治療を受ける場合よりも治療費が高額になります。
とはいえ、高額であっても、十分な自己資金があれば先進医療を受けることは可能です。
しっかり自己資金を準備しておくことができれば、複数の治療方法から希望する治療方法を選べます。
ただし、いくら準備していれば十分と言えるかがわかりにくい点は問題です。
民間医療保険で備える
多くの民間の医療保険やがん保険に先進医療特約があります。
先進医療を受けたときにかかった技術料の実費をカバーする先進医療給付金と治療に伴う旅費や宿泊費などをカバーする先進医療一時金があるので、どこまでのカバーが必要かをよく考えて選びましょう。
給付金の種類や限度額などは保険会社によって異なります。
医療保険、がん保険以外に先進医療専門の保険を販売している保険会社もありますが、取り扱っている保険会社は限られているため選択肢がほとんどありません。
そのため、先進医療特約を、医療保険につけるか、がん保険につけるかという選択になるでしょう。
どちらに付けるかによって保障範囲が変わるため、その点には注意が必要です。
医療保険の先進医療特約は、がんも含むすべての先進医療が対象ですが、がん保険の先進医療特約はがん関連の先進医療に限定されます。
同じ保険会社の複数の保険に加入している場合、先進医療特約を複数の保険には付けられない場合が多いので、どの保険に先進医療特約を付けるかよく考えましょう。
特約については、こちらの記事で解説をしています。
医療保険の特約はいらない?迷いやすい特約の必要性を解説
自分に必要な保障は人それぞれ違うから、保険のプロに相談して整理すると安心です!
先進医療特約が必要な理由
「先進医療なんて受ける機会はほとんどなさそう」という理由で、先進医療特約を最初から検討していないとしたらもったいないです。
先進医療特約の必要性をよく理解しましょう。先進医療特約が必要といえる理由は主に3つです。
・治療の選択肢が広がる
・手頃な保険料で準備できる
高額な出費に備えられる
先進医療を受ける際には高額な費用がかかることがほとんどで、中には1回受けるのに数百万円かかるケースもあります。
先進医療は技術料が全額自己負担ですから、受けるとなるとかなり大きい経済的負担となるでしょう。
もし、民間の医療保険やがん保険に先進医療特約を付けていれば、かかった技術料の実費が給付されるので、生活費などに影響が出るのを防げます。
治療の選択肢が広がる
いくら貯蓄している人でも、それを全額治療費に充てられるとは限りません。
子どもの進学費用や自分たちの老後資金として貯めているとしたら、それらを切り崩して治療費に充てるという決断ができない可能性もあります。
先進医療特約の給付金は、先進医療を受けるためのお金で、技術料の相当額が実費で支払われるケースがほとんどです。
治療のためのお金を確保できれば、経済的な心配がなくなるため、医師から先進医療の提案を受けても、費用面を理由に治療を諦めずに済みます。
手頃な保険料で準備できる
特約は本体の保険の保険料よりも安く設定されているのが普通です。
先進医療特約の場合は、1カ月あたり100円~数百円程度が相場と考えてよいでしょう。
低コストで数百万円の保障を準備できるため、コストパフォーマンスが高く、負担感もあまりありません。
わずかな出費で安心感を買えるのですから、メリットは大きいでしょう。
いざというとき、できるだけ多くの選択肢から自分で納得できるものを選びたいと考えるのであれば、先進医療特約に入っておくのがおすすめです。
先進医療について事前に確認すべきことは?
先進医療特約を検討する前に、もう少し先進医療について知っておいた方がよいことがあります。
というのも、細かい点を理解していないと、いくらくらい準備すればよいかがわかりにくいからです。
少なくとも、以下で紹介する5つのポイントについては事前にチェックしておきましょう。
・先進医療の対象は変化する
・実施医療機関が限られている
・先進医療特約には上限金額がある
・保険診療部分にも自己負担がある
・医療機関への直接支払いが可能かどうか
先進医療の対象は変化する
厚生労働省が先進医療と定める医療技術は、公的医療保険の対象になるかどうか評価中のものです。
つまり、公的保険の対象と決まればその時点で先進医療ではなくなるということです。
評価が完了し、保険対象とならなかった場合も先進医療から外れます。
現時点で先進医療でも、技術が進歩して、当たり前の技術となれば、将来自分が治療を受ける際には保険対象になっているかもしれません。
先進医療の対象から外れれば、当然先進医療特約の対象でもなくなります。
それを損と捉えると先進特約には入れません。
先進医療は随時見直されていますから、先進医療の治療内容は常に変化するという認識が必要です。
保険契約時には先進医療だった治療でも、自分が受けるときに先進医療から除外されていれば給付金の対象外となりますが、逆に、保険契約時に先進医療でなかった治療でも、診療時に先進医療に該当していれば給付金が支払われるのですから、決して損するわけではないということを理解しましょう。
実施医療機関が限られている
先進医療は、厚生労働大臣が定める施設基準を満たしている必要があるため、受けられる医療機関が限定されています。
厚生労働省に届け出も済ませていなければならず、医療技術ごとに施設基準を満たして申請する必要があるため、医療機関によって実施できる先進技術とできない先進技術があるということをきちんと理解しましょう。
先進技術を提供できる施設基準を満たしている医療機関は少ないため、近くで受けられないことがほとんどです。
先進医療を受けるためには遠方に出向かなければならない可能性が高いため、診察や付き添いのための移動費や宿泊費が発生することも計算に入れておきましょう。
先進医療特約には上限金額がある
先進医療特約だけで先進医療を受けるのに必要な費用を全額賄えるとは限りません。
先進医療特約には給付の上限額が設定されているからです。
上限を2000万円までに定めている保険会社が多いですが、中には1000万円というところもあります。
しかも、この上限額は1回あたりではなく通算の限度額です。
契約期間中に受けた全ての先進医療技術料の総額に対する上限であること、上限額まで給付を受けると特約は消滅することをきちんと理解しておきましょう。
保険診療部分にも自己負担がある
先進医療を受ける場合、先進医療の技術料の高さに目が向きがちで、高額の先進医療技術料を払えるかどうかというところに集中してしまいます。
先進医療を受ける場合は混合診療が可能ということで油断してしまうかもしれませんが、保険診療の部分にも自己負担部分があるということを忘れてはいけません。
入院して治療を受けるのであれば入院費もかかります。
先進医療の技術料以外にも、通常の治療にかかる費用があることを想定して準備する金額を決めましょう。
医療機関への直接支払いが可能かどうか
高額な治療費を保険でカバーできるとしても、一旦自費で立て替えなければならないとしたら払えるでしょうか。
数百万円~数千万円の先進医療費を一時的にでも立て替えることができるのかもしっかり考えなければならないことの1つです。
先進医療特約だけでなく、ベースの医療保険やがん保険についても、検討する際には医療機関への直接支払いが可能かどうかを確認しましょう。
直接支払いが可能であれば、建て替えができるかどうかを心配しなくてもよくなります。
ちなみに、高額療養費の対象部分(保険診療部分)については、事前に手続きして限度額適用認定証を利用できるようにしておくと、医療機関の窓口での支払いを限度額までに抑えることができます。
高額な立て替えが難しいのであれば、忘れずに手続きしておきましょう。
条件は保険ごとに違うから、自分に合う備え方は保険のプロに相談してみましょう!
先進医療を選択できる備えをしておこう
先進医療は、「一部の人だけが受ける特別な治療」というイメージを持たれがちですが、実際には将来の保険適用を見据えて評価中の医療技術であり、がん治療を中心に誰にとっても無関係とはいえない存在です。
一方で、先進医療の技術料は全額自己負担となり、高額療養費制度も使えません。
実施できる医療機関が限られていることや、移動費・宿泊費が発生する可能性がある点、先進医療特約には通算の上限金額がある点など、事前に知っておくべき注意点も多くあります。
だからこそ重要なのは、「先進医療を必ず受けるかどうか」ではなく、必要になったときに選択肢として検討できる状態をつくっておくことです。
公的医療保険でカバーできる範囲を正しく理解したうえで、不足する部分を自己資金で補うのか、それとも先進医療特約付きの医療保険・がん保険で備えるのか。
この判断は、年齢や家族構成、貯蓄状況によって大きく異なります。
「自分の場合、どこまで備えておくべきか分からない」「先進医療特約は本当に必要なのか判断できない」
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