医療保険
  • 公開日:2024.12.11
  • 更新日:2025.5.8

公務員には医療保険が必要ない?不要論の根拠や保険選びのポイントを解説

公務員には医療保険が必要ない?不要論の根拠や保険選びのポイントを解説

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「公務員に医療保険は不要である」といった話しを聞くことがありますが、どういった理由で不要と説いているのか分からない方も多いはずです。この記事では、「公務員に医療保険が不要」といわれている理由と、実際のところ必要かどうかを解説します。

この記事の要約はこちら

・公務員は社会保障が民間企業よりも充実していることが多い
・社会保障は充実しているものの、差額ベッド代や先進医療には対応できない
・貯蓄があまりない方や先進医療に対応したい方は医療保険の検討をする

「公務員に医療保険は必要ない」といった声を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

たしかに、公務員は民間の会社員と比べて福利厚生が充実していますが、本当にそれだけで安心といえるのでしょうか。

医療保険が不要とされる根拠を正しく理解せずに「入らなくて大丈夫」と判断してしまうと、いざというときに想定外の出費に直面する可能性もあります。

この記事では、「公務員に医療保険は不要」と言われる背景を解説した上で、本当に保険に入る必要があるのかどうかを解説します。

公務員に医療保険が不要といわれている理由

公務員に医療保険が不要といわれる主な理由は次の4つが挙げられます。

公務員に医療保険が不要といわれる主な理由
・働けない場合の社会保障が充実している
・高額療養費制度が利用できる
・一部負担金払戻金を受け取れる
・団体保険に加入できる

 

それぞれ詳しくみていきましょう。

働けない場合の社会保障が充実している

公務員は病気やケガで仕事を休んだ際の社会保障が充実しています。

そもそも公務員には「病気休暇」と「休職」の2つの制度が設けられており、病気休暇の期間は90日、休職は3年間となります。

仮に長期間の療養生活を強いられたとしても、給与額の全額または一部が支給され、経済的な負担を大幅に軽減することが可能です。

ただし、休職の残り6ヵ月間は無給となります。

具体的な支給額については以下の表にまとめています。

期間 支給割合
病気休暇 90日間 全額
休職(3年) 1年間 80%
1年6ヶ月 3分の2
6ヶ月 支給なし

公務員にはこのような手厚い制度があることから「医療保険は不要である」といわれています。

高額療養費制度が利用できる

高額療養費制度も公務員に医療保険は不要といわれる要因の1つです。

高額療養費制度とは、病気やケガで生じた1ヵ月間の医療費が、自己負担限度額を超えた場合に、超過分が返金される制度です。

こちらの制度は公務員に限らずすべての方が対象となります。

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出典:全国健康保険協会 協会けんぽ 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)

たとえば、標準報酬月額40万円、1ヵ月の医療費が50万円の方で試算してみましょう。

この場合の自己負担限度額は以下のとおりです。

8万100円+(50万円-26万7,000円)×1%=8万2,430円

自己負担限度額が8万2,430円となるため、50万円-8万2,430円で41万7,570円が後日返金されます。

このように高額療養費制度を利用することで、病気やケガで出費が大きくなったとしても、実際に支払う金額は自己負担限度額の範囲内に収まるため、家計への負担を軽減できるのです。

一部負担金払戻金を受け取れる

公務員の場合は、前述で解説した高額療養費制度に加えて「一部負担金払戻金」を利用できる可能性があります。

「一部負担金払戻金」とは、高額療養費が支給されても、なお残る自己負担額が1件につき2万5,000円を超える場合、その超過分が一部負担金払戻金として支給される制度です。

ここでは、前述の高額療養費制度の自己負担額の例をもとに、一部負担金払戻金額をみていきましょう。

先ほどの例では、自己負担限度額は8万2,430円でした。この場合の一部負担金払戻金額は以下のとおりです。

【一部負担金払戻金】
8万2,430円-2万5,000円=5万7,400円(百円未満切り捨て)

【最終的な自己負担額】
2万5,030円

※一部負担金払戻金は百円未満切捨のため端数の30円が上乗せされています。

このように、一部負担金払戻金が適用されることで、医療費の自己負担がさらに軽減されることが分かります。

団体保険に加入できる

公務員が民間の保険に加入する必要性が低いといわれる理由に「団体保険」の存在も挙げられます。

団体保険とは、共済組合や企業などの団体が契約者となり、その団体に所属する人を保険の対象者(被保険者)とする仕組みです。

団体割引が適用され、手頃な掛金で加入できる特徴があります。

公務員の場合も団体保険に加入することが可能であり、死亡保障や医療保障などをカバーできることから、民間の医療保険に加入しなくても十分だと考える人も少なくありません。

 

公務員にも医療保険が必要な理由

ここまでの話しを聞くと、確かに「公務員には医療保険は不要」と感じる方も多いかもしれません。

しかし、実際には公務員でも医療保険が必要なケースは多いものです。

ここでは、公務員にも医療保険が必要といえる2つの理由について解説します。

公的医療保険でカバーしきれない費用があるから

高額療養費制度によって、医療費の自己負担が抑えられるのは事実です。

しかし、差額ベッド代や先進医療費、入院中の食事代など、公的保障の対象外となる費用は自己負担となります。

例えば先進医療の技術料などは1回あたり数百万円に上るケースもあり、貯蓄に余裕がなければ家計に大きな影響を及ぼすでしょう。

退職後は一部負担金払戻金や団体保険の保障がなくなるから

現役の公務員であれば、「一部負担金払戻金」のような保障を受けられますが、退職後は通常の健康保険制度に移行するため、現役時代のような手厚い保障は受けられません

また、団体保険は公務員だけが加入できる制度であり、退職後は自動的に脱退となり、継続加入できない場合がほとんどです。高齢になるほど医療費がかかりやすくなるにもかかわらず、保障が薄くなるという状況になりかねません。

 

公務員でも医療保険に加入しなくてもよいケース

公務員でもまとまった貯蓄がある場合は、医療保険への加入の必要性は低いといえます。

万一の際に多額の費用が発生した場合であっても、貯蓄でカバーできるのであれば無理に保険に加入せず、その資金を貯蓄に回すほうが有効です。

資産運用などを活用すればより効率よく資産形成ができるかもしれません。

ただし、ケガや病気によって多額の費用が発生した場合に貯蓄でカバーできたとしても、資産の大幅な目減りは否めません。

そのため、たとえまとまった貯蓄がある場合であっても、家計に負担をかけない程度の医療保険には加入しておきたいところです。

公務員が医療保険に加入した方がよいケース

ここからは、公務員が医療保険に加入した方がよい具体的なケースを3つ紹介していきます。

公務員が医療保険に加入した方がよいケース

・家族が増える見込みの人
・あまり貯蓄ができていない人
・先進医療にも対応したい人

 

これらのケースに該当する方は、医療保険への加入を検討することをおすすめします。

家族が増える見込みの人

結婚や出産など、家族が増えるときは医療保険への加入を検討しましょう。

家族が増えるとそれに伴って生活費も増えます。

そのような状況で、病気やケガによる入院や手術によって突発的な医療費が発生すると、家計に大きな負担を与える可能性が高まります。

万一のことがあっても家族が困窮することがないよう、きちんとした保障内容の医療保険に加入することが大事です。

あまり貯蓄ができていない人

貯蓄がほとんどできていない方にとって、ケガや手術による突発的な費用は非常に大きな負担となってしまいます。

経済的な理由で希望する治療を断念せざるを得ないことも考えられます。

しかし、医療保険に加入しておくことで、入院給付金や手術給付金を受け取ることができ、こうした急な出費を補うことが可能です。

差額ベッド代や入院中の生活費なども気にせず安心して治療に専念できるでしょう。

先進医療にも対応したい人

先進医療を受ける可能性を考慮している場合も、医療保険を検討しましょう。

公務員の公的保障は充実しているとはいえ、先進医療には対応していません。

そのため、高額な治療費が全額自己負担となる場合があります。

医療保険に先進医療特約を付けることで、先進医療にかかる費用をカバーすることが可能です。

これにより、最新の医療技術を活用した治療を金銭的な不安なく選択できるようになるでしょう。

 

 

公務員が医療保険を選ぶ際のポイント

では実際に公務員が医療保険への加入を検討する際、どういったポイントを押さえるべきかをみていきます。

ポイントは大きく次の3つです。

公務員が医療保険を選ぶ際のポイント
・現在の保険では補えない部分を民間の保険で対応する
・保険料が家計を圧迫しないか
・今の医療環境にあった保障か

 

現在の保険では補えない部分を民間の保険で対応する

公務員が高額療養費制度や一部負担金払戻金を活用できるとしても、これらでは対応できない費用が存在することを解説しました。

具体的には、以下のような費用に対しては民間の保険で備えることが重要です。

民間の保険で備える必要がある費用
・差額ベッド代
・自由診療や先進医療(陽子線治療や重粒子線治療など)
・入院中の食事代
・医療機関への往復の交通費

 

たとえば、入院時に個室を希望し、差額ベッド代が8,000円かかったとしましょう。

仮に15日間の入院となった場合に追加で12万円の費用が生じます。

ほかにも先進医療や入院中の食事代、医療機関までの往復の運賃なども考慮する必要があります。

それらの費用に対応するため、どの程度の保障が必要なのかをあらかじめ試算し、不足部分を補う必要があるでしょう。

その際はFPなどの専門家に相談し、具体的な必要保障額を算出してもらうことをおすすめします。

保険料が家計を圧迫しないか

保険料が家計を圧迫せず、資産形成を阻害しないことも重要なポイントです。

保険は保障内容を充実させるほど保険料は割高になります。

過剰に保障を手厚くしてしまうと、保険料が高額になってしまい、家計を圧迫してしまう可能性があります。

繰り返しになりますが、公務員の場合は公的保障が非常に手厚いものとなります。

そのため、保険に加入する際はその点を十分に考慮し、必要最低限の保障に留めるべきです。

その結果、保険料を抑えつつ無理のない範囲で万一に備えることができるでしょう。

保険料を低く抑えることができればその分を資産形成に充てることが可能です。

今の医療環境に合った保障か

一昔前と比べて医療は驚くほどのスピードで進歩を続けています。

そのため、現在加入している医療保険が、今の医療環境に適しているかどうかは一概にいえません。

たとえば、がん治療の1つをとっても、以前と現在では大きく状況が変わっています。

以前は、がんと診断されると大がかりな手術が必要で、長期の入院が避けられませんでした。

しかし、現在では治療方法が進化し、早期発見であれば手術を伴わずに済む治療や短期間の入院、さらには外来治療が主流となるケースも増えています。

そのような状況を踏まえると、医療保険を選ぶ際には、最新の医療環境に対応しているか、自身の健康リスクに合った保障内容になっているかを確認することが重要です。

 

医療保険以外で公務員におすすめ保険3選

ここからは公務員が医療保険以外にも加入を検討しておきたい保険を3つ紹介します。

死亡保険
がん保険
個人年金保険

 

以下で詳しく解説していきます。

死亡保険

死亡保険は、加入者が死亡または高度障害状態になった場合に保険金を受け取れる保険です。

死亡保険は主に「定期保険」と「終身保険」の2種類に分かれます。

公務員の場合は団体保険という選択肢もありますが、団体保険では保障額が足りない場合などに民間の生命保険を活用するとよいでしょう。

また、団体保険の多くは定期保険となり、掛金が戻ってくることはありません。

掛金を無駄にしたくない場合は終身保険への加入も選択肢の1つです。

終身保険であれば、万一の保障を確保しながら資産形成も同時に進めることが可能です。

そのうえ、解約返戻金が設定されているため、将来的にまとまった資金が必要になった際に解約して現金化できる点もメリットの1つです。

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がん保険

公務員は公的保障が手厚くなっていますが、がんに対する保障は十分とはいえません。

たとえば、先進医療や自由診療を受ける場合、公的保障の対象外となるため、治療費が全額自己負担となります。

重粒子線治療や陽子線治療などの先進医療の費用は数百万円に達することもありますが、先進医療特約などのオプションを付けておくことで、これらの高額な治療費をカバーすることが可能です。

さらに、民間のがん保険では、がんと診断された時点で「診断給付金」を受け取れます。

この給付金は治療が始まる前に受け取れるため、病院への交通費や、仕事を休むことで減少した収入の補填など、さまざまな用途に使うことが可能です。

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がん保険に入っておけばよかったと後悔する例は?貯金があれば不要?

個人年金保険

個人年金保険も公務員におすすめの保険です。

個人年金保険はあらかじめ定められた保険料を毎月支払い、積み立てた資金で将来の年金原資をつくる保険商品です。

設定しておいた満期に達すると、年金形式で保険金を受け取れます。

2015年の「被用者年金一元化法」の実施により、公務員の年金制度は民間の厚生年金と統一され、公務員特有の恩恵が少なくなりました。

そのため、公的年金だけでは将来の老後資金が十分とはいえず、自助努力が求められる状況となっています。

個人年金保険を活用することで、計画的に老後資金を確保できるでしょう。

ただし、個人年金保険は早期解約してしまうと、払い込んだ保険料より少ない解約返戻金になる可能性があります。

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保険選びに迷ったらFPに相談!

公務員に医療保険が不要といわれている理由に、民間企業よりも社会保障が充実していることが挙げられます。

しかし、公的な社会保障では差額ベッド代や先進医療、入院時の食事代は対応しておらず、これらの費用にも対応できる保障の医療保険に加入しておくことが重要です。

公務員が医療保険を選ぶ際には「現在の公的保険で不足する部分は民間保険で補う」ことや「今の医療環境に合った保障か」を確認することが重要です。

ただし、これらを自らで判断するのは難しいでしょう。

その際はお金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのがおすすめです。

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