この記事の要約はこちら
・ふるさと納税は制度を正しく活用しないとメリットを得られないケースもある
・控除上限額や手続き方法の確認が特に大切
・年収や家族構成、所得控除の有無などによって向き・不向きがある
・ふるさと納税の活用方法を迷っている人はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみよう
「ふるさと納税はお得って聞くけど、本当にメリットばかりなの?」と感じたことはありませんか?
「実質2,000円で豪華な返礼品がもらえる」と言われる一方で「やめたほうがいい」という声も少なくありません。
賛否両論あるため、始めるべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
ふるさと納税は上手に活用すれば確かに魅力的な制度ですが、すべての人にとってお得な制度とは限りません。
控除の仕組みやルールを正しく理解していないと、思わぬ自己負担が発生したり、手続きが面倒に感じたりすることもあります。
この記事では、ふるさと納税の代表的なデメリットや、やらないほうがいい人の特徴、利用する際に気をつけたいポイントをわかりやすく解説します。
この記事の目次
ふるさと納税はしない方がいい?7つのデメリット
ふるさと納税は、寄付した自治体から返礼品がもらえ、さらに税金の控除も受けられる人気の制度です。
しかし、制度の仕組みをよく理解せずに利用すると、「思ったよりお得じゃなかった」「やらなきゃよかった」と後悔するケースもあります。
ふるさと納税を始める前に知っておきたい7つのデメリットを解説します。
・節税効果は得られない
・控除上限額を超えると全額自己負担になる
・控除の対象は納税者本人のみ
・6つ以上の自治体に寄付すると確定申告が必要になる
・返礼品の品質や内容にばらつきがある
・控除が反映されるのは寄付の翌年
・自分が住んでいる自治体から返礼品はもらえない
1.節税効果は得られない
ふるさと納税は「節税になる」と言われることがありますが、正確には税金の前払いに近い仕組みです。
寄付金額から2,000円を引いた分が、所得税や住民税から控除される制度であり、手元に残るお金が増えるわけではありません。
たとえば、5万円を寄付した場合、自己負担2,000円を除いた48,000円が所得税や住民税から控除されます。
実質的に自己負担2,000円で返礼品が受け取れるため、節税というより「お得な買い物」感覚で利用するのが現実的でしょう。
2.控除上限額を超えると全額自己負担になる
ふるさと納税には、所得や家族構成に応じた「限度額」が決められています。限度額を超えて寄付をすると、その超えた分は税金から控除されず、すべて自己負担になってしまいます。
たとえば、限度額4万円の人が5万円を寄付した場合、所得税や住民税から控除を受けられるのは3万8,000円(=4万円−2,000円)が上限で、残りの1万2,000円は控除対象外(単なる寄付になる)です。
「たくさん寄付するほどお得になる」というわけではありません。
限度額は主に以下の要素で決まります。
- 年収(給与収入や事業所得など)
- 家族構成(配偶者や扶養家族の有無)
- その他の控除(住宅ローン控除、医療費控除など)
同じ年収でも扶養家族の有無によって控除額は大きく変わることがあるので、ふるさと納税サイトのシミュレーションなどを活用して事前に限度額を把握しておきましょう。
3.控除の対象は納税者本人のみ
ふるさと納税の控除を受けるためには、納税者本人の名義でふるさと納税に申し込む必要があります。
特に注意したいのは、寄付の際に使用するクレジットカードの名義人が本人と異なるケースです。
例えば、夫の名義でふるさと納税の申し込みをしたにもかかわらず、決済時に妻名義のクレジットカードを使ってしまった場合、寄付者が妻と判断され、夫の所得税・住民税からの控除が適用されなくなる恐れがあります。
4.6つ以上の自治体に寄付すると確定申告が必要になる
ふるさと納税では、「ワンストップ特例制度」を利用することで確定申告をせずに控除を受けられます。
ワンストップ特例制度とは、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入して、寄付した自治体に送るだけで寄附金控除を受けられる制度です。
ただし、この制度は1年間で5つまでの自治体に寄付する場合に限られるため、6自治体以上に寄付すると確定申告が必須になります。
会社員の場合、確定申告の手続きは不慣れなことも多く、面倒に感じる場合もあるでしょう。
5.返礼品の品質や内容にばらつきがある
ふるさと納税の魅力は返礼品にありますが、実際に届く品物がサイトで見た写真や説明と異なる場合があります。
また、地元業者の選定や管理体制によっても品質にバラつきがあるため、「期待したほどではなかった」という声も少なくありません。
特に生鮮食品や季節限定品は、収穫時期や天候の影響を受けやすく、味や見た目に差が出ることもあります。
SNSやレビューサイトを参考にしても、実際に自分の手元に届くまでは完全には分からないのが実際のところです。
6.控除が反映されるのは寄付の翌年
ふるさと納税をすると、所得税と住民税が軽減されますが、その効果を実感できるのは翌年以降です。
つまり、寄付をした年の家計にはいったん「出費」が発生するだけとなり、実際の控除は後から反映されます。
たとえば、年末に3万円を寄付した場合、その年はお金が出ていくだけで、翌年の6月ごろから住民税が軽減されるかたちでようやく「お得感」を感じられます。
効果を実感できるまでには時間がかかるため、家計に無理が出ない金額で利用しましょう。
7.自分が住んでいる自治体から返礼品はもらえない
ふるさと納税は「他の自治体への寄付」が前提となるため、自分が住んでいる自治体に寄付をしても返礼品は受け取れません。
たとえば、「地元企業の商品を返礼品としてもらいたい」と思っても、居住者は対象外となるため希望は叶いません。
もし、返礼品と地域貢献の両立を目指すなら、出身地や親族の住む地域など、ゆかりのある自治体を選ぶとよいでしょう。
ふるさと納税4つのメリットとは?
ふるさと納税は、「実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえる制度」として広く知られていますが、金銭的なメリットだけでなく、地域貢献や社会的意義も兼ね備えた仕組みです。
ここでは、ふるさと納税を利用することで得られる代表的な4つのメリットを紹介します。
・実質2,000円で豪華な返礼品がもらえる
・応援したい自治体を自分で選べる
・税金の使い道が明確になりやすい
・寄付額に応じて独自ポイントが貯まる場合もある
1.実質2,000円で豪華な返礼品がもらえる
ふるさと納税の最大の魅力は、実質2,000円の負担で地域の特産品などがもらえることです。
たとえば寄付額が3万円であれば、控除上限内であれば28,000円は翌年の税金から控除され、実質の負担は2,000円だけ。
にもかかわらず、地域の高級和牛やお米、海産物など、寄付額に見合った豪華な返礼品が届きます。
食品だけでなく、日用品や定期便なども選べるため、自分のライフスタイルに合わせた返礼品を選べます。
通常の納税では感じにくい「見返り」を実感できるのが魅力と言えるでしょう。
2.応援したい自治体を自分で選べる
ふるさと納税では、災害被災地や出身地など、自分が応援したい自治体を選んで寄付できます。
多くの自治体では応援メッセージを添えることもでき、直接的な形で地域支援の気持ちを表すことができます。
特に小規模な自治体にとって、ふるさと納税は貴重な財源となっています。
間接的ではありますが、地域課題の解決に参加できるという社会貢献の側面もあるのです。
自分の税金がどの地域に使われるかを選択できるのは、通常の納税では得られない満足感につながります。
故郷への恩返しや災害支援など、自分の価値観に合わせた「納税先」を選べるのはふるさと納税ならではの魅力です。
3.税金の使い道が明確になりやすい
一般的な税金と違い、ふるさと納税では寄付金の使途(教育・福祉・環境など)を選べる自治体も多くあります。
自分の関心がある分野に税金を活用してもらえるのは大きな魅力です。
自治体によっては、寄付者に報告書や感謝状を送る場合もあり、税金の使われ方が「見える化」されています。
普段は見えにくい税金の流れが透明になることで、納税に対する納得感が生まれるでしょう。
「ただ税金を払うだけで終わりたくない」と感じている方にとって、使い道を選べる仕組みは大きな魅力です。
4.寄付額に応じて独自ポイントが貯まる場合もある
ふるさと納税のポータルサイトの中には、寄付額に応じてポイントが貯まる仕組みを導入しているところもあります。
このポイントを使って後から好きな返礼品と交換できるケースもあるのです。
ふるさと納税サイトとポイントサイトポイントサイトの両方でポイントをもらえるケースもあります。
ふるさと納税をしない方がいい人の特徴
ふるさと納税はすべての人にとってメリットがあるとは限りません。
ここでは、ふるさと納税を避けたほうがよい人の代表的な特徴を紹介します。
・住民税や所得税を支払っていない人
・生活費に余裕がなく出費を抑えたい人
・寄付する年に退職を予定している人
・制度や手続きを煩雑に感じる人
所得が低く控除上限が少ない人
ふるさと納税では、支払っている所得税や住民税の額に応じて「控除上限額」が決まります。
つまり、年収が低い人ほど控除できる金額も少なくなるため、寄付してもメリットを感じにくくなります。
控除上限を超えて寄付してしまうと損失が大きくなるため、所得が低い方は特に注意が必要です。
シミュレーション結果を見て「わずかな金額しか寄付できない」と分かった場合は、無理にふるさと納税をする必要はないかもしれません。
住民税や所得税を支払っていない人
学生や専業主婦(夫)など、住民税や所得税を支払っていない方は、寄付をしてもふるさと納税の控除対象外です。
返礼品がもらえるとはいえ、制度の本来のメリットは得られなくなってしまいます。
生活費に余裕がなく出費を抑えたい人
ふるさと納税は寄付額をまず支払い、翌年に税金から控除される仕組みです。
つまり、一時的に家計に負担がかかることになります。
生活費に余裕がない場合は、寄付金の「先払い」が負担になる可能性があります。
また、返礼品も必ずしも生活必需品とは限らないため、家計の役に立たない場合もあります。
他の支出を圧迫してまでふるさと納税をする必要はないでしょう。
特に年末に駆け込みでまとまった金額を寄付する場合は、家計のやりくりに影響がないか十分に検討しましょう。
寄付する年に退職を予定している人
退職によって所得が大きく変動する予定がある場合、ふるさと納税は慎重に利用する必要があります。
ふるさと納税の控除は、基本的にその年の所得に基づいて計算されるため、年の途中で退職して想定よりも年収が低くなると、控除できる額も少なくなります。
控除上限額の見積もりを誤ると、控除されない金額が発生し、自己負担が増える可能性があるため、注意が必要です。
制度や手続きを煩雑に感じる人
ふるさと納税には、ワンストップ特例の申請や確定申告など、一定の手続きが必要です。
手続きを煩雑に感じる方にとっては、ふるさと納税自体がストレスになることもあります。
また、申請書の不備や提出忘れにより控除が受けられないケースも少なくありません。
スマホ操作が苦手な方やマイナンバーカードの提出に抵抗がある方にとっては、手続き面でのハードルが高く感じられるでしょう。
ふるさと納税をした方がいい人の特徴
ふるさと納税は、正しく活用すれば返礼品や控除の面で大きなメリットを得られる制度です。
次のような条件に当てはまる方は、ふるさと納税との相性が良く、お得に制度を活用できる可能性が高いでしょう。
・高所得の人
・iDeCoや住宅ローン控除などの所得控除を使っていない人
・返礼品選びや自治体支援を楽しめる人
所得税・住民税を納めている人
ふるさと納税の控除が受けられるのは、所得税・住民税を支払っている人です。
会社員や公務員、自営業者など、安定した収入があり、課税対象となっている人は制度の恩恵を受けやすいでしょう。
特に共働き世帯では、夫婦それぞれが控除上限まで寄付することで、より多くの返礼品を受け取ることも可能です。
家計全体で見たときの「お得度」は高くなるでしょう。
高所得の人
高所得になるほど控除上限額が大きくなるため、より多くの寄付が可能になります。
例えば、給与収入1,000万円で配偶者控除のない共働き夫婦の場合、18万円もの寄付が可能です。
高額の寄付をしても自己負担は2,000円で済むため、満足度の高い返礼品を受け取れる可能性が高まります。
特に高級品や定期便など、普段なら手が出にくい商品でも気軽に選べるようになるでしょう。
出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「税金の控除について」
iDeCoや住宅ローン控除などの所得控除を使っていない人
iDeCo(個人型確定拠出年金)や住宅ローン控除などの他の所得控除を利用していない方は、ふるさと納税のメリットを最大限に得やすいでしょう。
控除枠が他で埋まっていないため、ふるさと納税の控除が十分に反映されやすいからです。
大きな控除を予定していない方は、計画的にふるさと納税を活用することで節税効果を実感できるでしょう。
返礼品選びや自治体支援を楽しめる人
ふるさと納税は各地の特産品を選んだり、自分が応援したい地域に寄付をしたりと、楽しみながら地域貢献ができる制度です。
旅行好きな人や地元愛の強い人にとっては、知らなかった地域の魅力に出会うきっかけにもなります。
「返礼品が届くのが楽しみ」「この地域を応援したい」といった気持ちがある方は、ふるさと納税を通じて金銭的なメリット以外の価値や満足感を得られるでしょう。
ふるさと納税を活用する際の注意点
ふるさと納税は正しく活用すればお得な制度ですが、注意点を見落とすと損をするリスクもあります。以下のポイントを必ず確認しておきましょう。
寄付前に必ず控除上限額をシミュレーションする
ふるさと納税を始める前に必ず行うべきなのが、控除上限額のシミュレーションです。
年収や家族構成によって上限額は大きく異なりますので、自分の場合はいくらまで寄付できるのかを把握しておく必要があります。
ほとんどのふるさと納税ポータルサイトでは、簡単に控除上限額のシミュレーションが可能です。
会社員や公務員の場合は、前年度の源泉徴収票をもとに試算すると良いでしょう。
フリーランスや個人事業主など、収入が変動しやすい人は、あらかじめ控除上限額を少なめに見積もることで、「想定外の自己負担」を避けやすくなります。
控除を受けるには申告手続きが必要
ふるさと納税で控除を受けるためには、ワンストップ特例制度の申請か確定申告のどちらかが必要です。
申請書の不備や提出遅れがあると、せっかくの控除が受けられなくなるので注意しましょう。
確定申告の場合は、寄付先の情報をすべて入力する必要があります。
ワンストップ特例制度を利用する場合は、申請書の提出期限(翌年1月10日まで)に遅れないよう注意しましょう。
引っ越し・住所変更で申請ミスが起きやすい
ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」を利用する場合、申請書に記載する住所は、寄付した翌年の1月1日時点で住民票がある住所でなければなりません。
そのため、寄付後に引っ越しをした場合には、必ず住所変更の手続きが必要です。
もし申請書に古い住所を記載したままだと、控除が正しく適用されない可能性があります。
また、基本的に返礼品は、寄付時に入力した住所に送られます。
引っ越し前に寄付した場合は、新居で受け取れるよう配送先住所の変更も忘れずに行いましょう。
希望する返礼品が受け取れないこともある
人気の返礼品は早期に品切れになることが少なくありません。
特に年末に近づくにつれて、魅力的な返礼品は在庫切れになりやすくなりますので、できるだけ早めに寄付をしましょう。
「年末までに返礼品が欲しい」と思っている方は、10月〜11月までには寄付を完了しておくのがおすすめです。
2025年10月からはポイント付与が禁止になる予定
現在、多くのふるさと納税ポータルサイト(「楽天ふるさと納税」「ふるなび」など)では、寄付額に応じて独自ポイントなどが付与される仕組みがあります。
しかし、2025年10月からは、総務省の制度見直しにより、寄付に対するポイント付与が禁止される方針が示されています。
ふるさと納税のポイントを狙いたい人は、早めの寄付を検討しましょう。
まとめ
ふるさと納税は、自己負担2,000円で地域の特産品を受け取りながら、自治体の支援にもつながる制度です。
うまく活用すれば家計にうれしいメリットがありますが、年収や家族構成によっては思ったほど効果を実感できない場合もあります。
「なんとなくお得そうだから」と寄付するのではなく、自分の所得状況や他の控除制度との兼ね合いを確認したうえで活用しましょう。
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