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・終身保険には「保険料が掛け捨て型保険よりも高い」「インフレに弱い」などのデメリットがあり、すべての人におすすめできるわけではない
・一方で「一生涯の保障」や「相続税対策」など、特定の目的をもつ人には大きなメリットがある
・家計の状況や資産形成の目的に応じて、掛け捨て保険やNISAなど他の選択肢と組み合わせるのも一つの方法
生命保険文化センターの「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、直近加入の保険契約のうち、終身保険の加入率は29.2%と医療保険(28.1%)やがん保険(10.5%)を上回っています。
多くの人が、万が一に備えて終身保険に加入する一方で、「本当に終身保険は必要なのか?」「やめたほうがいいという話も聞くけど、どうなんだろう?」と疑問を感じている人もいるでしょう。
実際に、終身保険の必要性はライフプランや家計の状況などによって大きく異なります。
この記事では終身保険のデメリット・メリットを徹底比較し、終身保険が不要な人・必要な人の特徴を解説します。
この記事の目次
終身保険はやめたほうがいい?5つのデメリット
終身保険は「一生涯の安心」というイメージがありますが、一方で見過ごせないデメリットも存在します。
1.定期保険などの掛け捨て型保険よりも保険料が高い
2.インフレに弱い
3.早期に解約すると元本割れのリスクがある
4.投資商品に比べると運用効率が低い
5.保障内容の見直しがしにくい
なぜ「やめたほうがいい」といわれるのか、その理由を5つの側面から詳しく見ていきましょう。
1.定期保険などの掛け捨て型保険よりも保険料が高い
終身保険の保険料は、一定期間の保障に特化した定期保険(掛け捨て型)と比べると高めに設定されています。
というのも、終身保険の保険料には万が一のときの保障に充てられる部分だけでなく、将来の解約返戻金や満期保険金のために積み立てる「貯蓄」の部分が含まれているためです。
純粋に「万が一の保障」だけを求めるのであれば、定期保険のような掛け捨て型保険の方が、家計への負担を抑えられます。
2.インフレに弱い
契約時に定めた保険金額が一生涯変わらないのが終身保険の特徴ですが、これはインフレに弱いというデメリットにもなります。
インフレとは、物価が継続的に上昇し、お金の価値が下がることです。
たとえば、500万円の終身保険を契約したとします。
30年後に万が一のことが起きた場合、遺族に支払われる金額は500万円で変わりません。
しかし、30年後にインフレが進んで物価が今の2倍になっていた場合、500万円を受け取ってもモノやサービスは現在の半分しか購入できません。
つまり、実質的なお金の価値も半分になってしまうのです。
米ドルや豪ドルなどの外貨で保険料を支払い、保険金も外貨で受け取る「外貨建て終身保険」であれば、日本円より高いドルの金利で運用されるため、インフレに強いといわれることがあります。
しかし、外貨建て保険には為替リスクがあるため、円高のときに保険金を受け取ると、円換算したときの金額が想定より減ってしまう可能性があります。
3.早期に解約すると元本割れのリスクがある
終身保険は貯蓄性があるといわれますが、それは長期間継続した場合の話です。
保険料払込期間中に解約すると、支払った保険料の総額よりも受け取る解約返戻金が少なくなる「元本割れ」を起こす可能性が高くなります。
特に払込期間中の解約返戻金が低めに設定されている分、保険料も手頃な「低解約返戻金型終身保険」の場合は、途中解約すると大きく元本割れするリスクがあるため注意しましょう。
4.投資商品に比べると運用効率が低い
貯蓄や資産形成を主な目的とする場合、終身保険は株式や投資信託のような投資商品と比べて運用効率が低くなる傾向があります。
終身保険の保険料には、保障のための費用や保険会社の運営経費、営業担当者の手数料などが含まれています。
そのため、支払った保険料の全額が運用に回るわけではありません。
純粋に資産を増やしたいのであれば、手数料が比較的低く、運用益が非課税になるNISAなどを活用する方が、効率的な資産形成に期待できます。
終身保険はあくまで「保障がメインで、貯蓄機能はサブ」と理解しておいた方がよいでしょう。
5.保障内容の見直しがしにくい
人生には結婚、出産、住宅購入、転職など、さまざまなライフイベントが訪れます。
そのたびに必要な保障額は変わりますが、終身保険は一度契約すると内容の見直しがしにくいというデメリットがあります。
終身保険は一生涯の契約であるため、定期保険のような更新のタイミングがありません。
保障額を減らす「減額」は可能ですが、保障額を増やす「増額」をするには、その時点の年齢で再審査が必要になり、保険料の負担が大きくなることもあります。
健康状態によっては増額自体ができないケースも少なくありません。
ライフステージの変化に柔軟に対応しにくい点は、終身保険の大きなデメリットといえるでしょう。
運用効率も低く、保障の見直しが難しい点にも注意が必要です。
終身保険5つのメリット
終身保険には他の金融商品にはない独自のメリットも存在します。
・死亡保障が一生涯続く
・保険料が一生涯上がらない
・解約返戻金で老後資金や教育資金を計画的に準備できる
・非課税枠を活用して相続税対策ができる
・生命保険料控除を活用できる
どのような場面で終身保険は役立つのか、5つのメリットを見ていきましょう。
1.死亡保障が一生涯続く
終身保険の大きなメリットは、その名のとおり、保障が一生涯続くことです。
定期保険は保険期間が満了すると保障はなくなりますが、終身保険は途中解約しない限り、いつ亡くなっても必ず保険金が支払われます。
「いつか必ず訪れる死」に備えるという意味で、この確実性は大きな安心感につながるでしょう。
2.保険料が一生涯上がらない
終身保険は、契約時の年齢で算出された保険料が、その後一生涯変わりません。
若いうちに加入すれば、比較的安い保険料のまま一生涯の保障を確保できます。
毎月の支払額が変わらないため、長期的な家計の計画が立てやすい点もメリットです。
3.解約返戻金で老後資金や教育資金を計画的に準備できる
終身保険は保障が不要になった時や、まとまったお金が必要になった時に、解約して解約返戻金を受け取ることもできます。
解約返戻金は保険期間の経過とともに徐々に増えていくため、保険料を毎月コツコツ支払うことで貯蓄の代わりとしても活用できます。
老後資金や教育資金などを準備する目的で終身保険に加入する人は少なくありません。
4.非課税枠を活用して相続税対策ができる
終身保険は相続税対策に活用することもできます。
生命保険の死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠が設けられています。
たとえば、法定相続人が妻と子2人の合計3人いる場合、500万円 × 3人 = 1,500万円までの死亡保険金には相続税がかかりません。
つまり、預貯金で1,500万円を残すよりも、終身保険で残した方が、その分だけ課税対象の遺産を減らせる可能性があります。
さらに、銀行口座は名義人が亡くなると凍結されてしまいますが、死亡保険金は受取人固有の財産として、速やかに支払われます。
葬儀費用や当面の生活費、相続税の納税資金としてすぐに現金を使えるという点も終身保険ならではのメリットといえるでしょう。
5.生命保険料控除を活用できる
終身保険の保険料を支払っていると、年末調整や確定申告で「生命保険料控除」が適用されるため、所得税と住民税の負担を軽減できます。
生命保険料控除とは、1年間に支払った生命保険料に応じて所得から一定額を差し引ける制度です。
控除には「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つの枠があり、終身保険は「一般生命保険料控除」の対象です。
新制度(平成24年1月1日以降の契約)の場合、所得税で最大4万円、住民税で最大2万8,000円が課税所得から控除されます。
終身保険が不要な人
メリットとデメリットを踏まえると、以下のような人には終身保険の必要性は低いといえます。
・家計に余裕がない人
・すでに十分な資産がある人
保障よりも貯蓄が主な目的の人
資産形成や貯蓄を最優先に考えるなら、終身保険は最適とはいえません。
前述のとおり、運用効率の面で投資商品に劣るからです。
保障と貯蓄を効率よく両立させたい場合は、保障は割安な掛け捨て保険で確保し、浮いたお金をNISAやiDeCoなどで運用するといった考え方が合理的です。
家計に余裕がない人
終身保険は保険料が高めに設定されている上、長期間の加入を前提としている保険です。
無理して加入しても、途中で解約して損をしてしまっては意味がありません。
家計に余裕がなく、途中で支払いが困難になる可能性がある場合、元本割れのリスクが高い終身保険は避けたほうがよいでしょう。
すでに十分な資産がある人
遺族の生活費や子どもの教育費、自身の葬儀費用などを、すでに保有している預貯金や資産で十分にまかなえる人は、あえて終身保険に加入する必要は少ないでしょう。
終身保険がいらないと自分で判断するのが難しい場合は、無料保険相談キャンペーンおすすめ7選を参考にキャンペーン実施中の相談サービスでプロに意見を聞いてみましょう。
関連記事:無料保険相談サービスキャンペーンのまとめ!もらえる商品・謝礼や相談の注意点にも解説
終身保険が必要な人
以下のように明確な目的がある人は、終身保険を活用しやすいでしょう。
・死後の整理資金を家族に残したい人
・相続税の課税対象となる資産が多い人
・貯蓄が苦手な人
死後の整理資金を家族に残したい人
自分が亡くなったあと、家族に葬儀費用などの金銭的な負担をかけたくないと考える人に終身保険は適しています。
なぜなら、保障が一生涯続くため、いつ亡くなっても必ず葬儀費用に充てる資金を用意できるからです。
葬儀費用は地域や形式によって異なるものの、200〜300万円程度かかるケースも珍しくありません。
相続税の課税対象となる資産が多い人
相続税は、遺産総額が基礎控除額を超えた場合に発生します。基礎控除額の計算式は以下のとおりです。
たとえば、法定相続人が3人(配偶者と子2人)の場合、基礎控除額は4,800万円です。
遺産がこの額を超える場合、相続税の申告と納税が必要になります。
相続税の課税対象となる資産が多い人は、終身保険に加入することで納税資金を確保しつつ、生命保険の非課税枠を活用して全体の相続税額を抑えることが可能です。
貯蓄が苦手な人
「お金があるとつい使ってしまう」「計画的に貯金するのが苦手」という人にも、終身保険は役立ちます。
毎月決まった額が保険料として引き落とされるため、意識せずとも将来のための資金を積み立てることが可能です。
途中解約すると元本割れするリスクがあるため、貯蓄を継続するインセンティブが働きやすいメリットもあります。
運用効率は投資に劣るかもしれませんが、着実に資産を形成できるという点は終身保険ならではの魅力といえるでしょう。
保障と貯蓄を両立したいなら、一度プロに相談してみましょう。
終身保険以外の貯蓄手段
終身保険以外にもさまざな貯蓄手段があります。
・個人年金保険
・学資保険
・変額保険
・NISA
・iDeCo
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った手段を見つけましょう。
個人年金保険
個人年金保険は、一定年齢まで保険料を払込み、60歳や65歳以降に年金を受け取る保険です。
老後の生活資金準備に特化した保険なので、返戻率(受け取る年金÷支払った保険料)は終身保険よりも高い傾向にあります。
一方で、個人年金保険は保険料払込期間中に亡くなった場合、基本的に払い込んだ保険料相当額が戻ってくるだけで、終身保険のような大きな死亡保障はありません。
個人年金保険については、こちらの記事で解説をしています。
【初心者向け】個人年金保険とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説
学資保険
学資保険は子どもの教育資金を準備するための貯蓄型保険です。
一定年数保険料を払い込み、子どもの進学に合わせて満期保険金や祝金を受け取れます。
学資保険は「子どもの教育資金準備」という目的に特化しているため、終身保険よりも貯蓄性は高い傾向にあります。
また、保険料払込免除特約もあるため、親に万が一のことがあっても着実に教育資金を準備することが可能です。
一方で子どもの年齢が一定に達しなければ保険金を受け取れないというデメリットもあります(解約もできるが元本割れするリスクがある)。
終身保険の場合は、都合の良いタイミングで解約して現金化する事が可能です。
学資保険については、こしらの記事で解説をしています。
学資保険をおすすめしない理由とは?デメリットと他の教育資金についても解説
変額保険
変額保険は支払った保険料を株式や債券などの特別勘定で運用し、その運用実績によって保険金や解約返戻金が変動する保険です。
終身保険と同じく死亡保障がありますが、貯蓄部分の運用リスクを契約者が負う点が異なります。
運用がうまくいけば終身保険より大きく資産を増やせる可能性がありますが、逆に元本割れのリスクも高くなります。
ハイリスク・ハイリターンの保険といえるでしょう。
変額保険については、こちらの記事で解説をしています。
変額保険とは?メリット・デメリットや積立NISAとの違いをわかりやすく解説!
NISA
NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、専用口座内での投資で得た利益(配当金、分配金、譲渡益)が非課税になる制度です。
終身保険との最大の違いは、死亡保障が全くない点です。
そのかわり、いつでも自由に売却して現金化できる、投資先によっては大きな成長に期待でき、効率よい資産形成を目指せるいったメリットがあります。
NISAについては、こちらの記事で解説をしています。
新NISAはデメリットしかないって本当?新NISAの基本的な仕組みやメリットなどを詳しく解説!
iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を作るための私的年金制度です。
掛け金が全額所得控除の対象になる、運用益が非課税になるなど、節税効果を得ながら資産形成できる点がメリットです。
ただし、積み立てた資産は原則60歳まで引き出せないという制約があります。
また、NISAと同様に死亡保障はありません。
iDeCoについては、こちらの記事で解説をしています。
iDeCo(イデコ)はやらないほうがいい?7つの理由や向いている人の特徴を解説
終身保険に入るタイミングはいつがベスト?
終身保険に加入するベストなタイミングは人それぞれですが、ライフイベントを迎え、加入目的が明確になったときに加入するケースが一般的です。
たとえば、「結婚して家族ができたから、葬儀代で迷惑をかけないようにしたい」「子どもが生まれたから、万が一に備えて生活費を残したい」といった具体的な目的が生まれたときが、適切な加入タイミングといえます。
ただし、一般的に生命保険は年齢が若いほど保険料は安く設定されています。
また、若くて健康なうちの方が、加入できる商品の選択肢も多くなるので、なるべく早めに検討を始めたほうがよいでしょう。
自分に適した内容を知りたい方は、保険のプロに相談をしよう!
終身保険をわざわざ解約するのはもったいない?
終身保険を解約すると以下のようなデメリットが生じるため、「解約はもったいない」といわれることがあります。
・元本割れするリスクがある
・健康状態や保険料の面で再加入しにくくなる
しかし、保険料の支払いを終えて解約返戻金が払込総額を上回ったタイミングや、他の保険で十分な保障を確保できたタイミングであれば、解約してまとまった資金を得るのも選択肢の一つです。
もし、保険料の支払いが苦しくて解約を検討しているなら、すぐに解約する前に以下の方法を検討しましょう。
減額
保障額を減らして、月々の保険料を安くする方法
払済保険
保険料の支払いを中断し、その時点の解約返戻金を元手に、保険金額の少ない終身保険に切り替える方法
延長保険
保険料の支払いを中断し、その時点の解約返戻金を元手に、保険金額が同一の「定期保険」に変更する方法
契約者貸付制度
解約返戻金の一定範囲内で、保険会社からお金を借りられる制度
これらの方法をうまく活用すれば、保障を手放すことなく、家計の負担を軽減できる可能性があります。
まとめ
終身保険は「保険料が高い」「インフレに弱い」「見直しがしにくい」といったデメリットがあるため、家計に余裕がない人や、保障よりも資産形成を重視する人には不向きな場合があります。
一方で、「一生涯の死亡保障」や「相続税対策」「半強制的な貯蓄」など、終身保険ならではのメリットもあるため、葬儀費用を確実に残したい人や資産の多い人、貯蓄が苦手な人などにとっては大いに役立つ可能性があります。
「みんなが入っているから」という理由で安易に加入するのではなく、自身の状況を正しく理解し、必要であれば掛け捨て保険やNISA、iDeCoといった他の選択肢と比較検討することが、保険選びで後悔しないためのポイントです。
もし「自分だけで判断できない」「どの選択肢が適しているかわからない」というときは、保険やお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。
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