生命保険
  • 公開日:2024.8.24
  • 更新日:2024.11.6

受け取った保険金に相続税はかかるのか?生命保険にかかる税金を徹底解説!

受け取った保険金に相続税はかかるのか?生命保険にかかる税金を徹底解説!

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生命保険の保険金にはどのような税金がかかるのか?相続税がかかるケース、所得税がかかるケース、贈与税がかかるケースそれぞれの詳しい税金の計算方法や、生命保険を活用した相続税対策についても詳しく解説します!

この記事の要約はこちら

・受け取った保険金に相続税や所得税、贈与税がかかかる場合がある
・契約者と被保険者が同一→相続税がかかる
・契約者と受取人が同一→所得税がかかる
・契約者も被保険者も保険金受取人もすべて違う人→贈与税がかかる
・税金は贈与税>所得税>相続税の順番で高くなる
・生命保険には非課税枠があるため相続税対策になる
・生命保険を活用して遺産相続争いを予防することもできる
・死亡保険金は相続放棄をしても受け取れる
・生命保険を受取人ごとに分けて契約するのがおすすめ

生命保険には、万一のときに残された家族の生活を守るという大切な役割があります。

生命保険の保険金を受け取った場合に、税金を払う必要はあるのでしょうか?

この記事では、生命保険の保険金にかかる税金と、生命保険を活用した税金対策について紹介します。

生命保険の保険金に税金はかかるのか?

生命保険の保険金には、税金がかかるものとかからないものがあります。

さらに、契約者(保険料負担者)・被保険者・保険金受取人の関係によって、支払う税金の種類が変わります。詳しく見ていきましょう。

非課税で保険金を受け取れるケースとは?

非課税で受け取れるのは、病気・ケガなどの身体への傷害によって支払を受ける給付金です

例えば入院給付金、手術給付金、通院給付金、がん診断一時金などには課税されません。

非課税となる給付金・保険金には、主に以下のようなものがあります。

入院給付金・手術給付金・通院給付金・疾病(災害)療養給付金・障害保険金(給付金)・特定損傷給付金・がん診断給付金・特定疾病(三大疾病)保険金・先進医療給付金・高度障害保険金(給付金)・リビング・ニーズ特約保険金・介護保険金(一時金・年金)など

出典:生命保険文化センター「入院給付金などには税金がかからない?また、医療費控除とはどんなもの?」

保険金に相続税や所得税、贈与税がかかるケ-スとは?

死亡保険金や解約返戻金、満期保険金を受け取ると、受け取った額によっては税金がかかります。

契約者(保険金を支払った人)、被保険者、保険金受取人の組み合わせによって、所得税、相続税、贈与税のいずれかを払うことになります。

【死亡保険金の場合】

契約形態 契約者 被保険者 保険金受取人 税金の種類
契約者=被保険者 A(例:夫) A(例:夫) B(例:妻) 相続税
契約者=受取人 A(例:夫) B(例:妻) A(例:夫) 所得税
契約者、被保険者、
受取人がそれぞれ異なる
A(例:夫) B(例:妻) C(例:子) 贈与税

 

【満期保険金の場合】

契約形態 契約者 被保険者 保険金受取人 税金の種類
契約者=受取人 A(例:夫) B(例:妻) A(例:夫) 所得税
A(例:夫) A(例:夫) A(例:夫)
契約者が受取人と異なる A(例:夫) A(例:夫) B(例:妻) 贈与税
A(例:夫) B(例:妻) B(例:妻)
A(例:夫) B(例:妻) C(例:子)

生命保険の保険金について詳しく知りたい方はコチラ!
生命保険の受取人が死亡したらどうなる?保険金を受け取れる範囲や相続税について解説

死亡保険金にはいくらの税金がかかるのか?

例えば夫婦と子ども2人の家庭で夫が亡くなった場合、合計3,000万円の死亡保険金に対して税金はいくらかかるのか、具体的に見ていきましょう。

なお、生命保険以外に4,800万円の相続財産があると仮定します。

死亡保険金にはいくらの税金がかかるのか?

 

相続税がかかる場合

生命保険で受け取る保険金が相続税の対象となるのは、契約者(保険料負担者)と被保険者が同一である場合です。

ここでポイントとなるのは生命保険の非課税枠。

生命保険の保険金には「残された家族の生活保障」という役割があるため、相続税の非課税枠があるのです。

この非課税枠は、各相続人の受け取る生命保険金の相続額に応じて按分します。

生命保険の非課税限度額=500万円×法定相続人の数

また、相続税には基礎控除もあります。

相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

相続財産が基礎控除額を超えない場合は、相続税は発生しません。

さらに、配偶者は「1億6,000万円」「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか多い金額までは相続税がかからないことになっています。

相続税を計算するときは、まずは実際に受け取る財産にかかわらず、課税遺産総額を法定相続分どおりに相続したと仮定して「相続税の総額」を算出します。

その後、それぞれが受け取る財産の割合に応じて実際に支払う相続税額を計算します。

少し複雑ではありますが、実際に計算してみましょう。

【例】
・契約者(保険料負担者)であり、被保険者でもある夫が死亡
・保険金受取人:妻と子ども2人(1,000万円ずつ)
・相続割合は妻70%、子15%ずつ

課税遺産総額:4,800万円+3,000万円=7,800万円
相続税の基礎控除額:3,000万円+600万円×3=4,800万円
生命保険の非課税枠:500万円×3=1,500万円

相続税の課税対象額=相続資産-基礎控除-生命保険の非課税枠

=7,800万円-4,800万円-1,500万円
=1,500万円

生命保険の非課税枠は生命保険の金額を受け取った割合に応じて分配されるため1,000万円ずつ受け取った場合は、非課税枠も均等に分配され、

1,500万円÷3=500万円
500万円×10%=50万円

と1人50万円ずつ、合計150万円の相続税を負担する計算になります。

相続税の速算表(2015年1月1日以降に相続があった場合)

各法定相続人の取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0万円
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
10,000万円以下 30% 700万円
20,000万円以下 40% 1,700万円
30,000万円以下 45% 2,700万円
60,000万円以下 50% 4,200万円
60,000万円超 55% 7,200万円

先ほど、1,000万円ずつ保険金を受け取った場合は、総額150万円の相続税が発生することがわかりましたが、各人が負担する相続税は相続割合に応じて以下のように再計算されます。
・妻:150万円×70%=105万円
・子1:150万円×15%=22.5万円
・子2:150万円×15%=22.5万円

ただし妻は配偶者の税額軽減により0円となるので、納税が必要となる相続税額の合計額は45万円です。

 

所得税がかかる場合

契約者(保険料負担者)が受取人と同一の場合は所得税の課税対象になります。

例えば以下のケ-スで夫が死亡したときに発生する所得税を考えてみましょう。

【例】
・契約者:妻(すでに500万円の保険料を支払い済み)
・被保険者:夫
・保険金受取人:妻(死亡保険金3,000万円)

保険金を一時金で受け取ると一時所得、年金で受け取ると雑所得になります。

一時金で受け取ったと仮定すると、計算式は以下の通りです。

課税価格= 総収入-その収入を得るために支出した金額-特別控除額(最大50万円) ×1/2

下記の速算表に基いて、所得税額は課税価格に所定の税率をかけ、そこから所定の控除額を引いて求めます。

課税価格:(3,000万円-500万円-50万円)×1/2=1,225万円
所得税の金額:1,225万円×0.33-153.6万円=250.65万円

所得税の速算表(平成27年分以降)

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

このように、所得税の課税対象になれば相続税と比べて支払う金額は大きくなります。

なお、2013年から2037年までは所得税に復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)が付加されます。

贈与税がかかる場合

契約者も被保険者も保険金受取人もすべて違う人の場合、贈与税がかかります。

以下のケ-スを考えてみましょう。

【例】
・契約者:妻
・被保険者:夫
・保険金受取人:子2人(保険金3,000万円を、それぞれ1,500万円ずつ受け取り)

計算式は以下の通りです。

課税価格=(受け取った保険金額+年間で他に贈与された金額)-基礎控除額(110万円)
贈与税の税率=課税価格×所定の税率-所定の控除額
贈与税=死亡保険金×贈与税の税率

※贈与税の税率・控除額は直系尊属(祖父母や父母など)から20歳以上の子・孫などへの贈与である「特例贈与」とそれ以外の「一般贈与」で分けられています。

受取人の子が未成年であると仮定すると一般贈与となり、贈与税額は以下の計算で求められます。

課税価格=1500万円-110万円(基礎控除)=1,390万円
贈与税額=1,390万円×45%-175万円=450.5万円

贈与税の速算表(一般贈与の場合)

基礎控除後の課税価格 200万円
以下
300万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
3,000万円
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

このように、子1人あたり450.5万円、総額901万円もの贈与税がかかる計算になります。

先述の相続税や所得税と比べて、贈与税の課税対象となると支払う金額がグッと高くなることがわかります。

例えば契約者が夫で被保険者が妻、受取人が子どもという場合は、妻が夫より先に死亡すれば死亡保険金は贈与税の課税対象となってしまいます。

税金の負担を考えれば、このような契約方法は避けるべきでしょう。

 

生命保険を活用した相続税対策とは?

前述のとおり、生命保険には非課税枠があります。

相続財産が「生命保険の非課税限度額」と「相続税の基礎控除」の範囲内であれば、相続税は発生しません。

加えて保険金の受取人を指定できることから、生命保険は相続税対策として広く利用されています。

生命保険の非課税枠をより有効に活用する方法

死亡保険金の非課税限度額は500万円×法定相続人の数で算出します。

例えば法定相続人が3人であれば合計1,500万円までは非課税限度額の範囲内となり、税金はかからないというわけです。

なお、非課税限度額は保険金を受け取った相続人に一律で割り当てられるわけではなく、保険金を受け取った割合に応じて按分します。

一方、配偶者には相続税の軽減措置があり、「法定相続分相当額か1億6,000万円のどちらか多い方の金額」までは非課税です。

そのため相続税対策という面では、子どもではなく配偶者を受取人にしたほうが税負担は軽くなる可能性が高いでしょう。

ただし、妻(配偶者)が夫の遺産の半分以上を受け取り、相続財産が1億6,000万円を超える場合など、保険金の受取人を「子のみ」にした方が相続税を抑えられることもあります。

生命保険を活用して相続税対策を行うメリットと注意点

生命保険を使って相続税対策をする場合のメリットと注意点を知っておきましょう。

生命保険を活用して相続税対策を行うメリットとは?

相続税対策を行うメリット

・課税対象額を低く抑えられる
・遺産相続のトラブルを防げる
・葬儀費用、代償分割の費用などに使える

 

まず、生命保険に相続税の非課税枠があるため、預貯金で残すのに比べて、相続税の課税対象額を低く抑えることができます。

また、生命保険は受取人を指定できるので、遺産相続のトラブルを防ぐことにもつながります。

受取人が指定された保険金は相続財産に含まれず、遺産分割の対象にならないため、受取人が単独で手続きできるからです。

さらに、生命保険金は納税資金や葬儀費用、代償分割の費用などにも使えます。

代償分割とは、自宅や事業用不動産といった分割しにくい遺産を相続したときに使われる手段です。

複数いる相続人のうち、特定の相続人がその遺産を相続する代わりに、ほかの相続人に対して債務を負うという分割方法です。

その場合に、死亡保険金でその債務を支払うことが可能になるのです。

加えて死亡保険金は受取人の固有財産とみなされるため、相続を放棄しても受け取ることができます。

生命保険を活用して相続税対策を行う場合の注意点

生命保険を活用して相続税対策を行う場合に注意したいポイントがあります。

まず、保険金受取人が法定相続人以外の人だった場合、死亡保険金の非課税枠は適用されません。

さらに遺産を受け取った人が「被相続人の配偶者および一親等の血族(代襲相続をする孫を含む)」以外の場合、相続税額は2割加算されます。

代襲相続人ではない孫、孫養子、兄弟姉妹、祖父母、内縁関係の配偶者などは相続税額が2割増しになると知っておきましょう。

また受取人を複数指定した場合、受取人全員が手続きをしなければ死亡保険金を受け取れません。

相続トラブルを予防するためには、生命保険を受取人ごとに分けて契約する方法を検討するのがおすすめです。

 

税金の仕組みを理解して、保険金にかかる税金を最低限に抑えよう!

税金の仕組みは複雑ですが、生命保険加入時にきちんと理解して対策しておけば相続税の負担を減らすことができます。

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