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・外貨建て保険は、為替リスクや運用効率の観点から「解約した方がいい」と言われることがある
・外貨建て保険の解約は為替レートだけではなく、加入目的や契約からの経過期間などを総合的に考慮した上で判断しよう
・払済保険や延長保険、保険金の減額など、解約以外の選択肢も検討しよう
「歴史的な円安が進む今、加入している外貨建て保険をいつ解約すべきなのか」「そもそも外貨建て保険の解約は何を基準に判断すれば良いのか」と悩んでいる人もいるでしょう。
外貨建て保険は、為替レートによって実際に受け取る保険金や解約返戻金が大きく変わるため、解約のタイミングに悩むケースは珍しくありません。
しかし、短期的な為替の動きだけで判断し解約すると後悔する可能性があります。
適切なタイミングで解約をするためにも外貨建て保険の仕組みを詳しく理解しておきましょう。
本記事では外貨建て保険を解約した方が良いと言われる理由や、解約を判断する基準やタイミング、注意点などを解説します。
この記事の目次
円安・円高が外貨建て保険に与える影響
外貨建て保険は、為替レートの変動が保険料の支払いと保険金の受け取りの両方に影響します。
米ドルなどの外貨を基準に保険料や保険金が決まっているため、円換算した時の金額が為替レートによって変動するからです。
円安・円高が与える影響は、以下の通りです。
| 状況 | 保険料の支払い(円換算) | 解約返戻金・保険金の受け取り (円換算) |
| 円安 (例: 1ドル100円→150円) |
増加(負担が増す) | 増加 (受取額が増える) |
| 円高 (例: 1ドル150円→100円) |
減少(負担が減る) | 減少 (受取額が減る) |
円安とは、外貨に対して円の価値が下がる状況です。
例えば、1万ドルの保険金を受け取る場合、1ドル100円の時点では100万円ですが、1ドル150円の円安局面では150万円で受け取れます。
この差額50万円が為替差益です。
反対に、毎月100ドルの保険料を支払う場合、1ドル100円の時点では1万円ですが、1ドル150円の時点では1万5,000円となり、支払い負担が増えます。
円高とは、外貨に対して円の価値が上がる状況です。
毎月100ドルの保険料を支払う場合、1ドル150円の時点では1万5,000円ですが、1ドル100円の円高局面では1万円となり、支払い負担は減ります。
反対に、1万ドルの保険金を受け取る場合、1ドル150円の時点では150万円ですが、1ドル100円の時点では100万円に減少します。
この場合、支払った保険料の総額よりも、受け取る保険金の円換算額が少なくなる「元本割れ」が生じる可能性があります。
外貨建て保険の基本的な仕組みに関しては、以下の記事も参考にして下さい。
【FPが解説】ドル建て保険ってどんな商品?メリット・デメリットをわかりやすく解説!
外貨建て保険を解約した方がいいと言われる3つの理由
なぜ外貨建て保険は「解約したほうがいい」と言われることがあるのでしょうか。
主な理由として、以下の3点が挙げられます。
円高が進むと元本割れする可能性があるため
円高が進むと元本割れする可能性があるため、「解約した方がいい」と言われることがあります。
外貨建て保険の保険金や解約返戻金は、外貨ベースでは契約時に定められた金額が保証されています。
しかし、日本円で受け取る際の金額は、その時点の為替レートによって変動するため、一定ではありません。
例えば、保険料を総額1万ドル払い込み、10年後に解約すると1万ドルの解約返戻金が受け取れる保険に加入したとします。
平均して1ドル=150円のレートで保険料を払い込んだ場合、円換算での支払保険料の総額は150万円です。
一方、10年後の解約時に1ドル=100円まで円高が進んでいた場合、受け取れる金額は円換算で100万円になります。
つまり、このケースでは払い込んだ保険料150万円に対して、受け取れる金額が100万円となり、50万円の損失が発生します。
将来の資産形成を目的としているにもかかわらず、資産が目減りするリスクがあるのです。
円安が進むと保険料の支払いが困難になる可能性があるため
円安の進行によって保険料の支払いが困難になる可能性がある点も、解約が検討される理由の一つです。
保険料は外貨で一定額ですが、円換算での支払額は円安が進むほど増加します。
例えば毎月100ドルの保険料を支払う場合、1ドル=120円であれば毎月の支払額は1万2,000円です。
一方、1ドル=150円まで円安が進むと保険料は1万5,000円に上がります。
この例では、月々の支払いが3,000円増加しています。
保険契約は長期にわたるため、為替の変動によっては当初の想定よりも家計への負担が重くなり、支払いの継続が難しくなる場合があるのです。
資産形成が目的なら、より効率的な他の手段が存在するため
資産形成が目的の場合、より効率的な他の手段が存在することも解約を検討する理由の一つとして挙げられます。
外貨建て保険は、保障機能と資産形成機能を兼ね備えた保険です。
その分、保険金を支払うためにかかる手数料や保険会社の経費が保険料に含まれており、資産形成の効率だけを見ると他の金融商品に劣る場合があります。
例えば、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)のように、税制上の優遇措置を受けながら、投資信託などを運用できる制度を活用すれば、手数料を抑えてより効率的な資産形成を目指せる可能性があります。
保障は掛け捨ての保険で別途確保し、資産形成はNISAやiDeCoで行う、というように目的に応じて金融商品を組み合わせる人も少なくありません。
外貨建て保険のデメリットや問題点については、以下の記事でも解説しています。
外貨建て保険は問題が多いの?外貨建て保険の概要やメリット・デメリット、向いている人を解説
外貨建て保険の解約は為替レートだけで判断しない!
円安で為替差益が出ていると、すぐに解約して利益を確定させたいと考えるかもしれません。
しかし、外貨建て保険の解約を、為替レートの動きだけで判断するのは避けた方が良いでしょう。
というのも、「長期的な資産形成」や「万が一への備え」という生命保険本来の目的を達成できなくなってしまうからです。
解約を検討する際は、以下の3つの視点から総合的に判断する必要があります。
1.保険の加入目的
老後資金、教育資金、死亡保障など、保険に加入した当初の目的を再確認します。
解約がその目的の達成を妨げないか検討が必要です。
2.契約からの経過年数
契約から年数が経っていないうちに解約をすると、解約返戻金が払込保険料を下回り、元本割れする可能性が高くなります。
3.現在の保障の必要性
一度解約すると、同等の保障内容で再契約するのは難しくなる場合があります。
年齢や健康状態によっては保険料が上がったり、加入自体ができなかったりする可能性があるからです。
為替レートはあくまで判断材料の一つに過ぎません。
加入時の目的に立ち返り、冷静に検討を進めましょう。
外貨建て保険の解約前に確認すべき5つの注意点
為替差益が生じていても、解約には慎重な判断が必要です。
手続きを進める前に、以下5つの注意点を確認し、解約が最善策かを見極めましょう。
・早期解約による元本割れリスクがある
・保障が無くなる
・解約控除などの手数料が発生する場合がある
・解約返戻金には税金がかかる
・為替レートの適用タイミングは保険会社によって異なる
注意点を理解せずに解約すると、「手取り額が想定より大幅に少なかった」「必要な保障を失ってしまった」など後悔する可能性があります。
早期解約による元本割れリスクがある
契約から年数(一般的に5〜10年程度)が経過していない場合、解約返戻金が払込保険料総額を下回る「元本割れ」の可能性が高まります。
円安で為替差益が出たとしても、元本割れの損失分を相殺できないケースも少なくありません。
保障が無くなる
外貨建て保険は本来貯蓄ではなく、死亡保険などの「保障」がメインの金融商品です。
解約すれば、これらの保障はすべて失われます。
特に健康状態に不安がある場合、一度解約すると新たな保険への加入が困難になる可能性もあるため注意が必要です。
解約控除などの手数料が発生する場合がある
契約から一定期間内に解約すると、「解約控除」という手数料が解約返戻金から差し引かれる場合があります。
特に保険料を契約時に一括で払い込む「一時払い外貨建て保険」では解約控除が発生するケースが多くあります。
契約時の「契約締結時交付書面」や「ご契約のしおり・約款」で、手数料の有無や計算方法を確認しておきましょう。
解約返戻金には税金がかかる
解約返戻金の受け取りで利益(為替差益など)が出た場合は「一時所得」として課税対象になる可能性があります。
一時所得の計算:一時所得の金額=利益-50万円(特別控除)
課税対象額の計算:課税対象額=一時所得の金額×1/2
この課税対象額が他の所得と合算され、最終的な所得税・住民税が算出されます。
例えば、利益が100万円の場合、(100万円 – 50万円) × 1/2 = 25万円が課税対象です。利益が50万円以下であれば、課税されません。
参考:国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」
為替レートの適用タイミングは保険会社によって異なる
「解約を申し出た日」「保険会社の書類受付日」「手続き完了日」など、どの時点の為替レートが適用されるかは保険会社や商品で異なります。
為替相場が大きく動いている局面では、数日の違いで円換算の受取額に数万円の差が出ることもあるため、事前に保険会社に確認しておきましょう。
しかも為替レートのタイミング次第で受け取る金額が変わるなんて…解約って本当に難しいんだね。
外貨建て保険を続けるべきか、解約してNISAやiDeCoなどに切り替えるべきかは人によって正解が違う。
だからこそ、FPに相談して自分にとって最善の判断をするのが安心です!
【状況別】外貨建て保険の解約を検討すべきケースとは?
外貨建て保険を解約すべきか、継続すべきかは、保険の契約状況やライフプランによっても異なります。
ここでは、判断の目安として具体的なケースを紹介します。
解約を検討しても良いケース
以下の状況に当てはまる場合、解約を検討しても良いでしょう。
・まとまった資金が必要な場合
・保障の必要性が低くなった場合
・十分な為替差益が発生している場合
円換算した解約返戻金が、払込保険料総額を上回り、目標としていた利益が出ている場合です。
念の為、保険会社に現時点で解約すると円換算でいくら受け取れるのかを確認してから手続きを進めましょう。
・まとまった資金が必要な場合
子どもの進学費用や住宅購入の頭金など、預貯金だけでは賄えない出費が発生した場合は、解約を検討しても良いでしょう。
・保障の必要性が低くなった場合
子どもの独立などライフステージの変化で、契約時に設定した高額な死亡保障が不要になった場合などは、解約を検討する余地はあるかもしれません。
継続を検討すべきケース
以下の状況に当てはまる場合、解約せずに契約を継続する方が合理的と言えます。
・円高時に契約した場合
・資金を使う予定が当面ない場合
・保険料の支払いに無理がない場合
・契約からの経過年数が短い場合
契約後10年未満など、経過年数が短いケースです。
早期解約は元本割れの可能性が高いため、契約を継続して払込期間が長くなることで、プラスのリターンを期待できるでしょう。
・円高時に契約した場合
円高の時に契約すると、円建ての保険料で多くの外貨を購入できているため、将来の円安局面でより為替差益を得やすい状態と言えます。
長期保有が有利に働く場合があります。
・資金を使う予定が当面ない場合
15年以上先の老後資金など、長期的な資産形成を目的としている場合です。
すぐに資金を使う予定がなければ、短期的な為替変動に左右されず、時間をかけて資産を育てた方が良いでしょう。
・保険料の支払いに無理がない場合
円安で円換算の保険料が上がっても、家計への負担が少なく、無理なく支払いを継続できる場合です。
安定して支払いを続けることで、着実な資産形成を目指せます。
外貨建て保険を解約せずに保険料負担を軽減する方法
「円安で保険料の支払いが厳しいが、今解約すると元本割れする」といった状況では解約すべきか判断に迷うこともあるでしょう。
そんな時は、保険料の負担を軽減しつつ契約を続ける3つの方法を検討してみて下さい。
・払済保険や延長保険への変更
・保険金の減額
・契約者貸付制度の利用
払済保険や延長保険への変更
今後の保険料の支払いを停止し、その時点の解約返戻金を元手にして、保障を継続する方法です。
・払済保険
保障期間は元の契約と同じままで、保障額を減額した保険に変更します。
例えば、一生涯の保障はそのままに、死亡保険金額を少なくする形です。
・延長保険
保障額は元の契約と同じままで、保障期間を短くした定期保険に変更します。
例えば、死亡保険金額は変えずに、保障期間を「一生涯」から「10年間」などに変更する形です。
円安が進んだタイミングで変更した場合は、それまでの為替差益を確定しつつ、保険料負担を大きく減らせる可能性があります。
保険金の減額
「減額」とは、主契約の保険金額を減らし、毎月の保険料を抑える方法です。
例えば、10万米ドルの死亡保障を5万米ドルに減額して、月々の保険料負担を軽減します。
保障額は減りますが、契約そのものは継続できます。「保障は最小限にして、家計への負担を軽減したい」場合に有効です。
契約者貸付制度の利用
解約返戻金の一定範囲内(一般的に7割程度)で、保険会社から資金を借り入れる制度です。
保険を解約せずに当座の資金を確保できる上、金融機関からの借入とは異なり、基本的に返済期限はありません。
円安による一時的な保険料支払いが厳しい場合に活用可能です。
ただし、借入金には利息が発生します。借入元本と利息の合計が解約返戻金を上回った場合には契約が失効するため、注意が必要です。
さらに契約者貸付制度が利用できるかどうかは、保険会社や商品によって異なります。
まずは保険証券を確認するか、コールセンターへ問い合わせてみましょう。
外貨建て保険の解約手続き方法は?
外貨建て保険を解約する際の基本的な流れは以下の通りです。
1,保険会社へ連絡
担当者またはコールセンターに電話し、解約の意思を伝えます。
連絡の際は、手元に保険証券を用意して証券番号を伝えると、その後の手続きがスムーズです。
2,必要書類の準備
保険会社から解約請求書などの必要書類が郵送されます。
届いた書類に記入・捺印します。
3,必要書類の返送
記入した解約請求書と、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードのコピーなど)を合わせて保険会社へ返送します。
大切な書類のため、簡易書留など記録が残る方法で郵送するとよいでしょう。
4,手続き完了・入金
返送した書類に不備がなければ、通常1〜2週間程度で指定した口座に解約返戻金が振り込まれます。
書類の準備や郵送に時間がかかる場合もあるため、余裕を持って手続きを進めましょう。
また、円換算した解約返戻金の受取額は、以下の式で概算できます。
外貨ベースの解約返戻金額
保険証券や年に一度届く「契約内容のお知らせ」で確認できます。
不明な場合は保険会社に問い合わせましょう。
為替レート
保険会社が定める基準レートが適用されます。
どの時点のレートが適用されるかは、事前に確認しておく必要があります。
各種費用
契約者貸付制度を利用している場合は、その元金と利息が差し引かれます。
また、早期解約の場合は解約控除が発生する場合もあります。
まとめ
外貨建て保険の解約を検討する際は「加入目的」「契約期間」「保障の必要性」を総合的に判断しましょう。
円安が進むと為替差益を得られる可能性は高くなりますが、あくまでも解約を判断するための材料の一つに過ぎません。
また、どうしても保険料の支払いが厳しい時には「払済保険への変更」や「減額」といった解約以外の選択肢もあります。
まずはご自身の保険証券を手に取り、契約内容を再確認することから始めてください。
その上で、この記事で得た知識を基に、ご自身のライフプランと照らし合わせながら、冷静に今後の方向性を検討することが、後悔のない選択に繋がります。
もし、一人での判断に不安がある、あるいは客観的なアドバイスが欲しい場合は、保険・お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。
みんなの生命保険アドバイザーは、2,500名以上の保険専門家であるFPと提携しており、希望に合った担当者をマッチング・紹介してくれるサービスです。
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(※1):申込み後の相談内容回答の際に希望可能。希望が承れない場合もあり。
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