この記事の要約はこちら
・夫が病気で働けなくなると、支出がそれほど減らないのに収入は大きく減るため、家計に大きな影響が出やすい
・夫が病気で働けなくなった時には、各種公的制度が利用できる
・公的制度でカバーしきれない場合もあるので、万が一に備えて就業不能保険に加入しておくことや貯蓄をしておくことが大切
夫がもし病気やケガで働けなくなったら。
突然の収入減や医療費の増加を想像すると、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、家庭の収入の多くを夫が支えている場合、長期の休職や退職は家計に大きな影響を及ぼします。
しかし、焦る前に「もしものときにどうなるか」を具体的に知っておくことで、落ち着いて対処できるようになります。
この記事では、夫が働けなくなった場合の家計シミュレーションをはじめ、利用できる公的支援制度や、生活を守るための備え方をわかりやすく解説します。
「いざというときに困らない家計づくり」の第一歩として、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
夫が病気で働けなくなる確率はどのくらいある?
そもそも「働けなくなるリスク」はどのくらいあるのかみてみましょう。
全国健康保険協会の「令和5年度現金給付受給者状況調査」によれば、傷病手当金の受給率(被保険者千人あたりの受給件数を参考にして算出)は以下の通りです。
| 傷病手当金の受給率 | |
| 20~24歳 | 0.74% |
| 25~29歳 | 0.77% |
| 30~34歳 | 0.71% |
| 35~39歳 | 0.63% |
| 40~44歳 | 0.56% |
| 45~49歳 | 0.56% |
| 50~54歳 | 0.63% |
| 55~59歳 | 0.73% |
| 60~64歳 | 0.83% |
一方、厚生労働省の「令和5年人口動態統計(確定数)※」を基に計算した死亡率は以下の通りです。
※表番号5-15 死因(死因年次推移分類)別にみた性・年齢(5歳階級)・年次別死亡数及び死亡率(人口10万対)を参照
| 死亡率 | |
| 20~24歳 | 0.04% |
| 25~29歳 | 0.05% |
| 30~34歳 | 0.07% |
| 35~39歳 | 0.09% |
| 40~44歳 | 0.15% |
| 45~49歳 | 0.24% |
| 50~54歳 | 0.36% |
| 55~59歳 | 0.57% |
これらのデータからは、どの年代においても、死亡リスクより働けなくなるリスクの方が大きいことがわかります。
例えば働き盛りの30代では、働けなくなるリスクは死亡リスクの約7〜10倍です。
また、「令和5年度現金給付受給者状況調査」から、傷病手当金の受給の原因となった傷病についてみてみると、「精神及び行動の障害」が最も多くを占めています(35.2%)。
次に新生物(がん)が13.57%、筋骨格系及び結合組織の疾患(リウマチなど)が8.18%、循環器系の疾患(心筋梗塞など)が6.90%と多くを占めています。
病気で働けなくなるリスクは決して低いわけではないので、いつ万が一のことが起きても対処できるよう準備を進めておく必要があるでしょう。
しかも原因の多くはメンタルやがん、心疾患です。
もしものときに備えるなら、就業不能保険や医療保険を検討しておくと安心です。
まずは保険のプロに相談して、自分に合った保障を確認してみよう!
夫が病気で働けなくなったら家計はどうなる?
夫が病気で突然働けなくなった場合、単に収入が減少するだけではなく、医療費などの支出が増加するため、家計には深刻な影響が及びます。
| 夫が働けなくなった時 | 夫が亡くなった時 | ||
| 収入 | 給与や事業収入 | 減少する | 減少する |
| 生命保険金 | 所定の高度障害状態に該当した場合を 除いて支払われない |
支払われる | |
| 支出 | 生活費 | ほぼ変わらない | 減少する(夫の分は減る) |
| 医療費・介護費 | かかる | かからない | |
| 社会保険料・税金 | 支払いが必要 | 支払いは不要 | |
| 住宅ローンの支払い | 基本的には支払いが必要 ※団体信用生命保険の特約に加入していれば 支払い不要になることも |
団体信用生命保険に加入していれば 支払い不要になる |
|
夫が突然働けなくなった時に家計に与える影響を具体的にイメージするために、事例を2つ紹介します。
【事例1】
Aさんは40代の会社員で、妻と中学生の息子との3人家族です。ある日、急に胸に強い痛みを感じ、心筋梗塞と診断されました。緊急手術を受け、一命を取り留めたものの、仕事復帰までに数カ月かかると言われ、長期休職を余儀なくされました。
Aさんの会社では休職期間中も一定の給与補償があったものの、通常の給料よりも少なくなりました。
また、復職後も心臓に負担をかけない業務への変更が必要となり、以前ほどの収入を得られなくなりました。
加えて、治療費や通院費用、療養中の栄養管理や運動療法などの費用も家計に影響。
息子の学費や生活費の支出も続き、Aさんの家族は貯金を取り崩しながらの生活を強いられました。
【事例2】
Bさんは50代の自営業者で、妻と高校生の娘と3人で暮らしています。突然の体調不良で病院を訪れると、がんと診断されました。
Bさんは自営業者であったため、入院中の収入はなく、医療保険から給付金が支給されましたが、治療にかかる費用を全てカバーするには至りませんでした。
加えて、抗がん剤治療やその後の副作用に対するケア、さらなる通院治療の費用が増え、妻のパート収入だけでは家計を賄いきれない状況に。
娘は当初私立大学への進学を予定していましたが、受験を諦めざるを得ない状況になってしまいました。
さらに貯金を大きく取り崩してしまったので、今後老後資金を賄えるかどうかもわからず、大きな不安を抱えることになってしまいました。
夫が病気で働けなくなった場合の家計をシミュレーション!
夫が病気やケガで突然働けなくなった場合、家計にはどのような変化が起こるのでしょうか。
「万が一(死亡)」の場合と比較しながら、シミュレーションしてみましょう。
・家族構成: 夫(35歳・会社員)、妻(35歳・専業主婦)、長女(5歳)の3人家族
・夫の手取り月収: 30万円
・毎月の生活費: 25万円(うち住宅ローン8万円)
・現在の貯蓄総額: 300万円
・死亡保険金 2,000万円の生命保険に加入
・団体信用生命保険(団信)に加入(疾病保障特約はなし)
・公的保障(見込み額)
傷病手当金: 月額 約20万円(最長1年6ヶ月)
遺族年金: 月額 約13万円
・医療費:9万円(高額療養費制度適用後)
・社会保険料:5万円
結論としては、以下のように夫が亡くなった場合と比べて、家計にかかる負担は大きくなる傾向にあります。
| 平常時 | 夫が病気で 働けなくなった場合 |
夫が死亡した場合 | |
| 毎月の収入 | 30万円 | 20万円 | 13万円 |
| 毎月の支出 | 30万円 | 39万円 | 14万円 |
| 毎月の収支 | ±0円 | -19万円 | -1万円 |
| 一時的な収入 | なし | なし | 2,000万円 |
夫が病気で働けなくなった場合の家計
収入:月20万円に減少
会社員のため、健康保険から給与のおおよそ2/3にあたる傷病手当金(月額約20万円)が最長1年6ヶ月間支給されます。
しかし、手取りは10万円減少します。
支出:39万円に増加
| 項目 | 金額 | 備考 |
| 生活費 | 17万円 | 夫の小遣い等は減るが、 大きくは変わらない |
| 住宅ローン | 8万円 | 支払いは続く |
| 医療費・介護費 | 9万円 | 高額療養費制度を活用できるが 自己負担は発生する |
| 社会保険料など | 5万円 | 前年の所得に対して社会保険料や 住民税が発生する |
| 合計 | 39万円 | 支出が14万円増加 |
収支:毎月19万円の赤字
収入が減り、支出が増えるため、家計の収支は毎月19万円の赤字に転落します。
現在の貯蓄300万円でこの赤字を補うと、約16ヶ月(1年4ヶ月)で貯蓄が底をついてしまいます。
夫が亡くなった場合の家計
収入:遺族年金13万円+死亡保険金2,000万円
国の遺族年金(月額約13万円)と、生命保険会社から死亡保険金2,000万円が支払われます。
月々の収入は大幅に減りますが、まとまった資金が手に入ります。
支出:39万円に増加
| 項目 | 金額 | 備考 |
| 生活費 | 14万円 | 夫の分の生活費(食費、小遣い等) が減少 |
| 住宅ローン | 0円 | 団信により支払いが不要になる |
| 医療費・介護費 | 0円 | 支払い不要 |
| 社会保険料など | 0円 | 支払い不要 |
| 合計 | 14万円 | 支出が11万円減少 |
収支:毎月1万円の赤字
月々の収支は1万円の赤字ですが、一時金として受け取った死亡保険金2,000万円があるため、当面の生活費や子どもの教育資金の不安は小さいと言えます。
【結論】
シミュレーションからわかるように、月々の家計だけを見ると、「死亡した場合(-1万円/月)」よりも「働けなくなった場合(-16万円/月)」の方が、はるかに経済的に厳しい状況に陥る可能性があります。
「万が一」の死亡保障だけでなく、病気やケガで「働けなくなるリスク」にいかに備えるかが、家族の生活を守る上で重要と言えるでしょう。
まずは保険のプロに相談して、家族に合った保障額を確認してみましょう!
夫が病気で働けなくなったらどんな公的制度が利用できる?
働けなくなった時に利用できる公的制度は、働き方によっても変わります。
| 自営業 | 会社員・公務員 | |
| 高額療養費制度 | ○ | ○ |
| 傷病手当金 | × | ○ |
| 障害基礎年金 | ○ | ○ |
| 障害厚生年金 | × | ○ |
| 有給休暇 | × | ○ |
| 労災保険 | ×(特別加入制度あり) | ○ |
会社員や公務員と比べると自営業者が利用できる公的制度は限られています。
自営業と会社員(公務員)共通の制度
自営業と会社員(公務員)共通で利用できる公的制度は以下の4つです。
・高額療養費制度
・障害基礎年金
・自立支援医療制度
・生活福祉資金貸付制度
高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、ひと月(月の1日から末日まで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される制度です。
自己負担の上限額は、年齢(70歳未満か、70歳以上か)と所得水準によって区分が定められています。
例えば、70歳未満で年収が約370万~770万円の方の場合、1ヶ月の自己負担上限額は約9万円です。
高額療養費制度を活用することで、病気やケガで仕事を休んでいる間の医療費の負担を大きく抑えられるでしょう。
ただし、入院時の食事代や差額ベッド代、保険適用外の先進医療などは高額療養費制度の対象外です。
障害基礎年金
障害基礎年金は、国民年金に加入しているすべての人が対象となる公的年金制度です。
病気や事故によって障害を負った場合、障害等級1級または2級に該当する状態であれば、この年金を受給できます。
自営業者も会社員・公務員も共通で受け取れる制度で、障害の程度や子の人数などに応じて年金額が支給されます。
自立支援医療制度
自立支援医療制度は、精神疾患の治療にかかる医療費を一部負担してくれる制度です。
例えば、精神科の外来治療などが対象となります。
自己負担額は原則として医療費の1割になりますが、所得によって月あ突きたりの自己負担額に上限があります。
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度は、低所得者や高齢者、障害者などが対象として、生活資金や医療費などの必要な資金を無利子または低利子で貸し付ける制度です。
家計が厳しくなった際に、自営業者や会社員・公務員の区別なく利用可能です。
貸付資金には主に以下の4種類があり、それぞれ貸付条件や上限額、利子の有無が異なります。
福祉資金
教育支援資金
不動産担保型生活資金
会社員(公務員)のみの制度
会社員のみが利用できる公的制度は以下の4つです。
・傷病手当金
・障害厚生年金
・有給休暇
・労災保険
傷病手当金
傷病手当金は、会社員や公務員が病気やケガで働けなくなった場合、最長で1年6ヶ月にわたり、収入のおよそ3分の2の給付金が支払われる制度です。
自営業者が加入する国民健康保険に、傷病手当金の制度はありません。
障害厚生年金
障害厚生年金は、厚生年金に加入している会社員や公務員が対象となる年金制度です。
障害基礎年金に加えて、さらに上乗せで年金を受給できる制度で、障害の程度や平均標準報酬月額に応じて支給額が変わります。
障害基礎年金と異なり、障害厚生年金は障害等級3級の人でも受給可能です。
有給休暇
会社員や公務員は、病気やケガの際に有給休暇を利用して収入を確保できます。
有給休暇は法律で認められた権利なので、基本的に自由に取得可能です。
自営業者にはこのような制度は存在しません。
労災保険
労災保険は、仕事中や通勤中の病気や事故に対して、治療費や休業補償を受け取れる制度です。
労災保険は労働者を保護するための制度であるため、労働者を使用する企業に対しては加入が義務付けられています。
一方で、労働者を使用することがない自営業者は労災保険に加入できません。
ただし、一人親方など、業務実態に照らし合わせて労働者に準じて保護することがふさわしいとされる人は「労災保険の特別加入制度」を利用することが可能です。
自営業やフリーランスの保障対策は、こちらの記事で解説をしています。
自営業の人は病気で働けなくなったらどうすればいい?対処法や事前の対策を解説
夫が病気で働けなくなったときに備える方法
夫が病気で突然働けなくなった場合、家計に大きな影響が出ることは避けられません。
しかし、日頃から備えておくことで、そうした事態にも落ち着いて対応できるようになります。
1.日頃から生活費を抑えておく
2.貯金(緊急予備資金)をしておく
3.所得を分散しておく
4.就業不能保険や所得保障保険に加入しておく
ここでは、家計のリスクに備えるための具体的な方法を紹介します。
日頃から生活費を抑えておく
家計を守るためには、普段の生活費を見直して無駄な支出を減らすことが重要です。
生活費が少なければ、生活を維持するために必要な収入も減らせるので、結果として就業不能時のダメージを軽減しやすくなるでしょう。
まずは光熱費や通信費など、固定費の削減に取り組むのがおすすめです。
プランを見直したり、契約する会社を変更したりするだけで支出を削減できる可能性が高く、最初に変更してしまえば長期的に節約効果を得られるというメリットがあります。
貯金(緊急予備資金)をしておく
予期しない病気やケガに備えて、毎月の生活費の3〜6カ月分の資金を準備しておくのも有効です。
夫が働けなくなった場合でも、しばらくは貯蓄で生活を維持できるため、急な収入減に慌てず対応できます。
自営業者の場合は収入がゼロになってしまう可能性もあるので、毎月の生活費の1年分程度を貯金しておくと安心して過ごせるでしょう。
関連記事
生活防衛資金とは?金額の目安や効率よく準備するコツを解説!
所得を分散しておく
夫の収入に依存した生活をしていると、働けなくなったときのリスクが大きくなります。
妻がパートなどで収入源を増やしておけば、家計が安定しやすくなるでしょう。
余裕があれば、資産運用に取り組むのも1つの手です。
金融資産からの所得は労働収入とは異なるため、働けなくなった時も、定期的に収入を得られる可能性があります。
最近では“家にいながら学べて働ける”とのことで「Webマーケティング」も、主婦に人気のスキルです。
パソコンがあればスキマ時間に始められて、将来的には在宅ワークや副業にもつながるので、家庭と両立しながら働きたい方にもぴったりです。
未経験でも学びやすいスクールが増えているので、「自分にもできるかも」と感じたら下記の記事を参考にしてみてください。
いきかた図鑑 Webマーケティングスクールおすすめランキング20選
就業不能保険や所得保障保険に加入しておく
夫が病気やケガで長期間働けなくなった場合に備えて、就業不能保険や所得補償保険に加入するのも選択肢の1つです。
就業不能保険と所得補償保険は、どちらも病気やケガで働けなくなったときの収入減少をカバーする保険です。
ただし、就業不能保険は生命保険会社、所得補償保険は損害保険会社で取り扱っているという違いがあります。
また、保険料の支払い期間やカバーする病気など、就業不能保険の方がより広範囲をカバーできるケースが多くなっています。
関連記事
就業不能保険は支払条件が厳しいってホント?加入時の審査や商品の選び方も解説
まとめ
夫が病気で働けなくなると、収入は大幅に減る一方で、支出は大きく変わらないため、家計に大きな影響が出る可能性があります。
働けなくなった場合に備えて、公的制度を活用することもできますが、これらの制度だけでは十分にカバーできないケースも少なくありません。
そのため、日頃から緊急時のための貯蓄を確保しておくことや、就業不能保険への加入を検討しておくことが大切です。
また、保険商品を検討する際には、保険の専門家に相談するのも一つの方法です。
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担当者の変更や中断を希望する場合、WEBサイトから連絡できる「ストップコール制度」を用意しています。
万一担当者の対応に不満があるときや、相性がよくないときも気軽に変更が可能です。
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