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・ジュニアNISAは2023年末で廃止され、2024年以降は利用不可
・ジュニアNISAは子どもの教育費に向けた資産形成を目的とした制度で、運用益が非課税であった。
・しかし、利用者が少なく18歳まで払い出しができない不便さがあった
・ジュニアNISAの代わりとなる制度は新しく出ておらず、新NISAを利用するのがおすすめ
・新NISAは18歳以上のみ口座開設が可能で、子どもの名義で利用は不可
・新NISA以外に教育費を積み立てる方法は、定期預金、学資保険、財形貯蓄、低解約返戻金型終身保険、国債などがある
・さまざまな手段を組み合わせてリスクを分散しながら、効率的に資金を準備することが重要
ジュニアNISAが2023年末で廃止されました。
2024年以降、子どもの教育資金はどのように準備するのが適切なのでしょうか。
本記事では、ジュニアNISAの代わりとなる教育資金の積立方法について詳しく解説します。
この記事の目次
ジュニアNISAは2023年末で廃止された
2023年末で廃止され、2024年以降は利用できなくなったジュニアNISA。
ここでは、ジュニアNISAがどのような制度なのかをおさらいし、廃止となった理由やすでにジュニアNISAを利用していた人はどうなるのかを解説します。
ジュニアNISAとは
ジュニアNISAは、子どもの将来に向けた資産形成を目的に利用されていた制度です。
0~18歳の未成年向けのNISA制度で、通常のNISAと同じく投資先の運用成果によって得られた運用益は非課税という特徴があります。
しかし、非課税で運用できる期間は5年間に限られており、18歳まで払い出しができません。
投資できる上限額は80万円/年と、通常のNISAと比べて非課税枠は少ないという特徴がありました。
ジュニアNISAが廃止された理由と背景
ジュニアNISAが廃止となった理由のひとつは、利用者数の少なさが原因とされています。
【各NISA制度の口座数】
| 口座 | 口座数 |
| 一般NISA | 1,090万4,260 |
| つみたてNISA | 783万1,060 |
| ジュニアNISA | 98万7,296 |
出典:NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について:金融庁
ジュニアNISAの口座数は約98万件と、一般NISAやつみたてNISAと比べて少ない状況でした。
また、18歳まで払い出しができない点も不便と感じるユーザーが多かったことも要因にあるとされています。
ジュニアNISAで運用中の場合はそのまま継続が可能
ジュニアNISAが廃止された後も、すでに運用中の資産はそのまま継続して運用が可能です。
もともと非課税期間は5年間でしたが、2024年以降は18歳になるまで非課税で運用でき、18歳までの払い出し制限も撤廃され、いつでも払い出しが可能となります。
2024年以降に制度が新しくなった新NISAへの移管はできません。
継続して運用はできるものの、市場の変動リスクは変わらずにあるため、元本割れが起こる可能性があります。
分散投資や定期的なポートフォリオの見直しを実施をすること、今後の市場動向を注視し適切なタイミングで資産を見直すことが重要です。
また、払い出しするときはジュニアNISA自体を解約する必要があります。
一部だけを払い出すことはできないため、注意しましょう。
教育資金の準備ならジュニアNISAの代わりに新NISAを利用するのがおすすめ
ジュニアNISAの後継となる制度は現時点では存在しません。
しかし、2024年1月からスタートした新しいNISA制度を活用することで、教育資金を積み立てることは可能です。
以下のように、従来のジュニアNISAと比べても多くの非課税枠を利用できる点などがメリットです。
| ジュニアNISA | 新NISA | ||
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | ||
| 対象年齢 | 0~18歳 | 18歳以上 | |
| 年間投資枠 | 80万円 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税期間 | 5年間 | 無制限 | |
| 非課税保有限度額 | なし(実質的に80万円×5年=400万円が上限) | 1800万円 ※成長投資枠は1,200万円まで |
|
| 払い出し制限 | 18歳まで不可 | なし | |
| 投資対象 | 上場株式・ETF・公募株式投信・REITなど | 金融庁が選定した 長期積立分散投資に 適している投信 |
上場株式・投資信託など |
| 運用益の非課税 | あり | あり | |
教育資金の積立に新NISAを利用するメリット
教育資金の積立に新NISAを利用するメリットは以下のとおりです。
新NISAをより深く理解し、教育費の積立方法の候補として検討してみてください。
効率よく教育資金を増やせる可能性がある
新NISAを活用して資産運用をすることで、効率よく教育資金を準備できる可能性があります。
新NISAでは株式や投資信託など幅広い商品に投資可能です。
預貯金や学資保険などと比べても高い利回りに期待できる商品も多く、効率よく資産を増やせる可能性があります。
また、従来のジュニアNISAと同様に投資で得た利益に対して税金はかかりません。
手元に残るお金が多くなりやすい点も、運用効率の良さにつながる可能性があります。
少額から始められる
新NISAでは、一度にまとまった金額を投資するだけではなく、毎月コツコツ積み立てるという投資方法を選択することも可能です。
投資信託であれば、100円から購入できるネット証券もあるので、多くの投資資金を確保できない状況でも運用をスタートできます。
毎月の積立金額が少額であっても、投資期間を長く確保できれば、複利効果(※)によって大きな利益を狙うことが可能です。
※投資で得た利益を再投資に回すことで、利子が利子を産んでいく状態になること
非課税で投資できる金額が大きい
新NISAの成長投資枠では年間240万円、つみたて投資枠では年間120万円まで非課税で投資できます。
一生涯通算での非課税保有限度額は1800万円となっており、ジュニアNISAと比べても4倍以上多くの金額を非課税で運用することが可能です。
私立の大学や医学部など、多額の進学費用がかかる場合にも対処しやすくなるでしょう。
非課税枠の再利用ができる
新NISAでは、保有中の商品を売却すると、非課税枠が再利用できるようになりました。
そのため、一旦非課税枠を全て使い切ったとしても、教育資金の準備が終わった後に保有している商品を売却し、老後資金を貯める目的で再び運用を再開するという使い方もできるようになっています。
非課税で投資できる期間が無期限である
ジュニアNISAでは最長5年だった非課税期間が、新NISAでは無期限になっています。
これまでは損失が出ているタイミングで非課税期間が終了すると、十分な教育資金が準備できないケースがありました。
しかし、新NISAでは、損失が出ている場合には相場が回復するまで待って売却することも可能になっています。
子供が生まれたタイミングでNISAでの運用を開始すれば、10〜20年かけてじっくりと教育資金の準備ができます。
新NISAで教育資金を準備するときの注意点
新NISAを利用して教育資金を準備する際には、いくつかの注意点があります。
元本割れのリスク、NISA口座の利用制限、売却のタイミングなど、投資に伴うリスクや制約について十分に理解しておくことが重要です。
それぞれの注意点について詳しく説明します。
・NISA口座は1人1口座である
・元本割れの可能性がある
・自分に合った銘柄を見つけるのが難しい
・売却のタイミングに悩む可能性がある
子供名義で口座は作れない
新NISAはジュニアNISAのように「子供の名義で口座を作って親が運用をする」ことはできません。
新NISA口座を作れるのは、日本在住で口座を開設する年の1月1日現在で18歳以上の人に限られているからです。
各証券会社で取り扱っている「未成年口座」をつくれば、子供の名義で口座を作ることはできます。
ただし、運用で得た利益には課税されてしまうので、教育資金を効率よく貯めたいなら、親のNISA口座で運用し、教育費用を払ったほうがよいでしょう。
子供の金融教育を目的とする場合は、未成年口座をつくり、投資経験を積ませるのもよいかもしれません。
NISA口座は1人1口座である
新NISA口座は1人につき1口座のみ開設が可能です。
複数のNISA口座を開設することはできません。
よって、利用する金融機関や投資商品を慎重に選ぶ必要があります。
銀行窓口やネット証券から申し込みが可能です。
ネット証券に比べ、銀行窓口は銘柄が少なかったり、手数料が高くなったりする傾向にあります。
ただし、担当者のサポートを受けられる、相談しながら商品を選べるといったメリットもありますので、自分にあった方法で口座開設を検討しましょう。
元本割れの可能性がある
ジュニアNISAや旧NISAからありましたが、新NISAでも投資する際は、元本割れのリスクが存在します。
特に、短期間で大きなリターンを狙う場合やリスクの高い投資商品を選ぶ場合は、元本割れのリスクが高まります。
リスクを分散させるためにも、複数の投資先に分けることや、長期的な視点で投資することが大切です。
自分に合った銘柄を見つけるのが難しい
新NISAでは成長投資枠・つみたて投資枠の両方の非課税枠を併用できるため、商品の選択肢は数百〜数千種類にのぼります。
投資初心者は自分にどの銘柄が合っているのか悩んでしまうこともあるでしょう。
リスク許容度(どれくらいの損失なら受け入れられるかを表す度合いのこと)に合わない商品を購入し、予想外の損失を出してしまうことで、十分な教育資金を用意できなくなる可能性もあります。
銘柄選びが不安な人は、証券会社の担当者やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)、FP(ファイナンシャルプランなー)などに相談してみましょう。
売却のタイミングに悩む可能性がある
投資商品を売却するタイミングを見極めるのは、特に市場の変動が激しい場合や個別銘柄のリスクが高い場合に難しくなります。
大学入学など、まとまったお金が必要なタイミングで市場が下落し、資産が減ってしまうことのないように、事前にタイミングを見て払い出しをする、リスクの少ない運用先に移管するなどの対応が必要となるでしょう。
新NISAでの運用は「長期・積立・分散」を意識することが大切
資産運用は、長期・積立・分散投資の考えのもとで運用することが重要です。
| 資産運用の考え方 | |
| 長期 | ・複利の効果を活かして資産を増やす ・複利とは得られた利益を再投資することで、 雪だるま式に資産が増えていく仕組み |
| 積立 | ・定期的に一定額を投資する方法 ・一度にまとめて投資するのではなく少しずつ積み立てることで、 投資のタイミングによるリスクを分散 ・市場が下落したときに多くの株式や投資信託を購入できるため、 平均購入単価を下げることが可能(ドルコスト平均法) |
| 分散 | ・複数の資産に分けて投資する方法 ・一つの資産だけに集中して投資すると、 その資産の価値が大きく下落した場合に大きな損失を被る |
可能な限りリスクを減らせますし、安定的に運用が可能となるため、上記の3つを守りながらNISAを利用するとよいでしょう。
新NISA以外で教育資金を積み立てる方法も検討しよう
ジュニアNISAの代わりに、新NISAを使う手段がありますが、必ずしもすべての人に適した方法というわけではありません。
新NISAは、あくまでもお金を貯める手段のひとつであるため、積み立てている途中で万が一のことがあると、それまでに貯めたお金しか遺された家族は受け取れません。
例えば、世帯収入が低く貯蓄もあまりない家庭や、片親世帯では、親に万が一のことがあったとき、子どもに対して残るお金が少ない可能性が高いでしょう。
亡くなったときに、十分な教育費を用意できるように、保障がある学資保険や生命保険のほうが適している可能性もあります。
つまり、新NISAだけが教育費を積み立てる手段ではありません。
その他の手段も検討し、自分にあった方法で子どもの教育費を用意しましょう。
新NISA以外に教育資金を貯蓄する方法5選
教育資金を効率的に準備するためには、新NISA以外にもさまざまな方法があります。
・学資保険
・低解約返戻金型終身保険
・財形貯蓄
・国債
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、自分の状況に合わせた最適な手段を選ぶことが重要です。
1. 定期預金
定期預金は、安全性が高く元本が保証されているため、1番リスクなく教育資金の積立が可能です。
ただし、一定期間預け入れることで利息がつきますが、現在の低金利環境では大きな増加は期待できません。
毎月固定で自動積立を設定しておけば、振込などの手間はなく定期的に安定して貯蓄が可能となります。
しかし、利息がつかないことからインフレリスクには弱く、実質的に資産の価値が目減りする可能性もあります。
2. 学資保険
学資保険は、教育資金を貯めるだけでなく保険としての保障も兼ね備えています。
契約者が死亡した場合、保険料の支払いが免除されるうえに、満期時には予定通りの金額を受け取れます。
また、節目ごとに祝い金が受け取れる特約がある商品も多く、計画的な教育資金準備が可能です
ただし、途中解約すると元本割れのリスクがあるため、長期的な視点で無理なく払い込める保険料で契約することが重要です。
また、定期預金と同様に予定利率が低く資産を増やせないため、インフレに弱いデメリットもあります。
学資保険については、こちらの記事で解説をしています。
【徹底比較】学資保険vsNISA!教育資金準備に最適な方法とは?
3. 低解約返戻金型終身保険
一生涯の死亡保障が用意できる終身保険の一種です。
通常の終身保険よりも保険料が低く設定されていますが、保険期間中の解約返戻金が少ないのが特徴です。
解約せずに保険を続けることで、最終的には払い込んだ保険料よりも返戻金が増えた状態で受け取れます。
教育資金を準備しながら同時に死亡保障も確保できるため、リスク管理の一環として利用できる点がメリットです。
しかし、途中解約すると大きな損失が出る可能性があるため、無理なく払い込める金額で保険料の設定をすることが重要です。
低解約返戻金型終身保険については、こちらの記事で解説をしています。
学資保険代わりに低解約返戻金型終身保険はおすすめ?どっちいいのか特徴を徹底比較!
4. 財形貯蓄制度
財形貯蓄は、企業の福利厚生制度として提供されることが多く給与から天引きされるため、確実に貯蓄ができる方法です。
一般財形、財形年金、財形住宅の3種類がありますが、教育資金の貯蓄には一般財形が最も適しています。
積立期間が1年以上あれば自由に引き出しが可能で、使途も限定されていないため柔軟に利用できます。
ただし、利息は低いため、他の方法と組み合わせて利用するのが良いでしょう。
財形貯蓄については、こちらの記事で解説をしています
財形貯蓄なんて意味ない?やめた方がいいと言われる理由を知ろう
5. 個人向け国債
政府が発行する債券で、安全性が高い投資手段の国債。
定期的に利息が支払われ、満期時には元本が返還されるため、安定した資産運用が可能です。
特に個人向け国債は、安全性が高く、教育資金の長期的な積立に適しています。
ただし、株式や投資信託と比べてリターンは低めであるため、大きな利益の期待は難しいでしょう。
国債については、こちらの記事で解説をしています。
国債のメリット・デメリットとは?購入方法やその他の安全商品を解説
教育資金の準備に悩んだらお金の専門家に相談しよう
ジュニアNISAは2023年ですでに廃止されています。
ジュニアNISAの代わりとして新NISAを検討するケースが多いですが、新NISA以外にも教育資金を貯蓄するための方法はいくつかあります。
しかし、必ずしも一つの方法で教育費の積立をしなければいけないわけではありません。
いくつかの方法を組み合わせてリスク回避しながら貯蓄することも可能です。
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