この記事の要約はこちら
・国民年金基金は国民年金に上乗せして加入できる公的年金
・国民年金基金は掛金が全額所得控除になり、所得税や住民税を軽減できる
・NISAを活用すると、投資で得られた利益が非課税になる
・NISAは元本割れのリスクがあるため、ある程度の投資の知識が必要
個人事業主の場合は加入する年金が国民年金のみとなり、会社員や公務員の人と比較すると将来の年金受給額において不利になりやすいです。
そのため、国民年金に上乗せして自身で老後資金の準備を進めていく必要があります。
その際に有効な手段となるのが国民年金基金やNISAの活用です。
それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自身に適した方法を選択することが大切です。
この記事では、国民年金基金とNISAについて解説していきます。
どちらが向いているかも紹介するため、これから老後資金の準備を検討している人の参考になるでしょう。
この記事の目次
国民年金基金とNISAの特徴と違い
まずは「国民年金基金」と「NISA」の特徴、そしてそれぞれの違いについてみていきます。
国民年金基金とは
国民年金基金とは、個人事業主やフリーランスなどの第1号被保険者が加入できる公的年金制度です。
20歳以上60歳未満の第1号被保険者を対象としているため、会社員や公務員などの人は加入できません。
加えて、国民年金保険料を免除されている場合や農業者年金に加入している人も対象外となります。
国民年金基金の掛金は最大で月額6万8,000円までと上限が設けられています。
また、国民年金基金には、以下のように異なるタイプの年金を組み合わせて加入することができます。
初めの1口は終身年金のA型またはB型から選び、2口目以降にはこれらに加えて、受給期間が定められた確定年金のI~V型までの7種類から選択することが可能です。
画像引用:国民年金基金 国民年金基金とは
上記のように、A型B型とI型~V型を組み合わせ、毎月いくら掛けるかによって年金額が決まる仕組みです。
NISAとは
続いてはNISAについてみていきましょう。
NISAとは、2014年から開始された「少額投資非課税制度」のことです。
本来であれば、投資で得られた利益については約20%が課税されます。
しかし、この制度を利用すれば投資で得られた利益(配当金や分配金など)が非課税になります。
たとえば、株式に100万円投資し、株価が150万円まで上昇したのでその株式を売却したとしましょう。
そして売却したことによって50万円の利益を得られました。本来であれば、売却益50万円に対して約20%の税金がかかり、10万円の税金を納めなければなりません。
しかし、NISA口座で運用した場合はこの10万円も自身の手元に残すことが可能です。
そして、NISAは2024年から新NISAに生まれ変わり、より長期運用に適した制度となっています。
具体的には、非課税保有期間が無期限になり、非課税保有限度額も以前のNISAでは800万円(つみたてNISA)まででしたが、新NISAでは1,800万円まで拡大しています。
画像引用:金融庁 NISAを知る
国民年金基金とNISAの違い
国民年金基金とNISAの大きな違いは元本が保証されているかどうかです。
国民年金基金は年金制度のため、あらかじめ決められた金額を毎月積み立てることで、決められた金額の年金を受け取れます。
これに対し、NISAは投資のリターンを目的とした制度で元本保証はありません。
高いリターンを得られる可能性がある反面、投資先の市場動向によっては元本割れするリスクも伴います。
その他の違いについては以下の表にまとめています。
| 国民年金基金 | NISA | |
| 元本割れのリスク | なし | あり |
| 上限額 | 月6万8,000円 | 月30万円 |
| 運用方法 | 国民年金基金連合会 | 株式や投資信託 |
| 税制優遇 | 掛金の全額が所得控除 受取時も所得控除あり |
運用益が非課税 |
国民年金基金を活用するメリット
ここからは国民年金基金のメリット・デメリットについて解説します。
まずはメリットから順にみていきましょう。
・生涯にわたって受け取れる
・税制優遇がある
・年金額が確定している
生涯にわたって受け取れる
国民年金基金は亡くなるまで一生涯受け取れる終身年金タイプが基本となっています。
日本人の平均寿命は年々伸びており、厚生労働省が公表した令和5年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81歳、女性の平均寿命は87歳です。
今後、老後期間がますます伸びると予想されます。
終身年金を選ぶことで、長期に渡って安定した収入源を確保でき、大きな安心感を得られるでしょう。
税制優遇がある
国民年金基金は掛金の全額が所得控除となり、所得税や住民税の軽減が期待できます。
たとえば、国民年金基金として毎月3万円を積み立てる場合、年間60万円もの所得控除を受けられます。
仮に所得金額400万円の人がこの制度を利用した場合、約10万9,500円の節税が見込めます。
30年間で計算すると約330万円の節税が可能です。
なお、個人事業主の場合は確定申告を通じて所得控除の適用を受ける必要があるため、忘れずに申告してください。
年金額が確定している
国民年金基金は、加入口数や期間などに応じて将来受け取れる年金額が確定します。
そのため、将来の老後生活に向けた計画が立てやすくなります。
たとえば、課税所得額350万円の23歳の男性が、A型を10口選択したとしましょう。
その場合、65歳から年間132万円の年金を受け取ることができます。
画像引用:国民年金基金 みんなのプラン設計
なお、以下のURLから自身が受け取れる国民年金基金の年金額をシミュレーションすることが可能です。
自身が将来どの程度の年金を受け取れるか参考にするとよいでしょう。
国民年金基金を活用するデメリット
続いては国民年金基金のデメリットについてみていきましょう。
主なデメリットは次のとおりです。
・自由に脱退できない
・インフレに弱い
自由に脱退できない
国民年金基金は一度加入すると、原則、途中で脱退することはできず、掛金を自由に引き出せません。
そのため、加入する際は、無理のない掛金で加入する必要があります。
ただし、就職して第2号被保険者になった場合や、第3号被保険者になった場合には資格を喪失して脱退することは可能です。
それでも、支払った掛金は返還されるのではなく、65歳以降の年金として受け取ることになります。
インフレに弱い
前述で解説したとおり、国民年金基金は将来受け取れる年金額が確定しています。
しかし、これはメリットでもありますが、一方でインフレに対応できないというデメリットにもなります。
インフレとは物価が上昇することをいいます。
たとえば、いままで100円で購入できていた商品が、インフレの影響で5年後に200円まで上昇した場合、同じ商品を購入するためには2倍の費用が必要です。
近年の物価上昇を踏まえた場合、確定された年金額では、実質的な購買力が低下するリスクが高まってしまうでしょう。
国民年金基金についてはこちらの記事でも解説をしています。
国民年金基金はやばいって本当?入ってはいけない理由やメリット解説
NISAを活用するメリット
次はNISAを活用するメリットについてみていきます。
主なメリットは次の4つです。
・比較的高いリターンが期待できる
・流動性が高い
・非課税で運用できる
・インフレに強い
比較的高いリターンが期待できる
NISAは株式や投資信託といった金融商品を扱うため、国民年金基金よりも高いリターンが期待できます。
金融庁が公表したデータによると、毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券に積立投資を行い、20年間運用した場合のリターンは2~8%に収まっていることが分かります。
画像引用:金融庁 はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック
仮に毎月の積立額を2万円、年間リターンを5%とし、これを25年間運用した場合の最終資産額は約1,200万円になります。
元本600万円に対しほぼ2倍近く資産が増加する計算です。
流動性が高い
流動性が高い点もNISAのメリットの1つです。
NISAで扱う商品は株式や投資信託となりますが、これらの商品は購入後すぐに売却することが可能です。
そのため、運用中に病気やケガなどの理由で換金が必要になった際は、すぐに資産を現金化できます。
また、購入後に保有している商品の価値が大幅に上昇した場合にも、売却して利益を確定させるといった選択肢も持てるでしょう。
非課税で運用できる
前述のとおり、NISAを活用した場合は投資で得られた利益は非課税になります。
そのため、長期で運用した場合にこの非課税部分が最終資産に大きな影響を与えることになるのです。
たとえば、投資で毎年50万円の利益が出たとします。
通常であれば約20%が課税され、10万円の税金を納めなければなりません。
しかし、NISAを活用すれば10万円も自身の利益となり、これが20年続いた場合は200万円も最終資産額が増えることになります。
インフレに強い
NISAは株式や投資信託といった投資商品を扱うため、インフレに対応しやすくなります。
もし、インフレ率が2%で上昇し続けた場合、ほとんど利息の付かない預金口座では資産の実質価値が徐々に減少します。
一方で、年率2%以上のリターンが見込めるような金融商品を保有すれば、インフレによる価値の低下を抑えやすくなるでしょう。
ただし、投資するすべての商品の価値が上昇するわけではなく、商品によっては業績が低迷し、価値が下落してしまう可能性もあります。
NISAを活用するデメリット
NISAは高いリターンが期待できるなど多くのメリットがあります。
しかし、一方で気をつけておくべきデメリットもあるため、活用する前にきちんとデメリットを把握しておくことが重要です。
・元本割れのリスクがある
・投資の知識が必要
元本割れのリスクがある
繰り返しになりますが、NISAで扱う商品は投資商品となります。
したがって元本が保証されておらず、市場状況によっては元本が大幅に割れてしまうリスクがあります。
そのため、NISAを開始する際は、元本割れのリスクがあることを十分理解した上で取り組んでください。
投資の知識が必要
投資を始める際には基本的な知識が必要です。
とくに「長期投資」「分散投資」「積立投資」は投資初心者にとって重要な知識となります。
反対にこれらの原則をきちんと理解し、適切に実践することで投資のリスクを最大限に軽減できます。
投資の基礎をしっかり学びたい場合は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのも選択肢の1つです。
その際は、投資を得意とするFPを選ぶようにしましょう。
国民年金基金に向いている人
ここからは、国民年金基金に向いている人の特徴をみていきます。
以下のような人は国民年金基金に向いているでしょう。
・確実に決まった老後資金を受け取りたい人
・終身として年金を受け取りたい人
国民年金基金は加入口数や期間などに応じて将来受け取れる年金額が確定するため、長期的な計画を立てやすくなります。
また、国民年金基金には終身型と確定型があり、終身型を選択すれば加入者が亡くなるまで継続して年金を受け取れます。
そのため、年金の支払い期間を心配せず安心して老後生活を送れるでしょう。
NISAに向いている人
一方で、以下のような人はNISAの活用が向いています。
・高いリターンを得たい人
・ある程度のリスク許容度がある人
NISAは銀行の普通預金や国民年金基金よりも高いリターンが期待できます。
そのため、自身の資金をより効率良く運用したい人に適しています。
また、投資は元本が保証されているわけではなく、日々の値動きによって含み損を抱えることも多いです。
そのため、ある程度のリスク許容度があり、短期的な価格変動を受け入れられる人でないと続けることが難しいかもしれません。
老後資金の準備は早めの対策を!
国民年金基金とは、個人事業主やフリーランスなどの第1号被保険者が加入できる公的年金制度です。
そのため、会社員や公務員は加入できません。
国民年金基金は掛金の全額が所得控除となり、所得税や住民税の軽減が期待できます。
その一方で、一度加入すると、途中で脱退することは原則できず、支払った掛金は65歳からでないと受け取れない点に注意が必要です。
一方のNISAは、2014年から開始された「少額投資非課税制度」のことです。
この制度を利用すれば投資で得られた利益(配当金や分配金など)が非課税になります。
NISAは運用益が非課税となり、本来課税されるはずの税金部分も自身の利益として残すことができます。
しかし、その反面、元本保証がなく、市場状況によっては元本割れを起こす可能性があります。
自身がどちらを選択すればよいか分からない場合はお金の専門家であるFPに相談してみるのも選択肢の1つでしょう。
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