不動産
  • 公開日:2025.11.10
  • 更新日:2025.11.10

不動産所得と損益通算の仕組みとは?節税効果から注意点まで解説

不動産所得と損益通算の仕組みとは?節税効果から注意点まで解説

【PR】この記事には広告を含みます

不動産所得の赤字は損益通算で給与などと相殺可能。節税の仕組みや具体例、注意点をわかりやすく解説します。

この記事の要約はこちら

・不動産所得は家賃収入から経費を差し引いた金額で、赤字は損益通算により他の所得と相殺可能。
・損益通算ができるのは、不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4区分に限られる。
・サラリーマンが赤字を給与所得と通算すれば、所得税や住民税を軽減できるメリットがある。
・損益通算には適用外のケース(例:土地ローン利子、リゾート物件、国外中古物件)が存在する。
・節税ばかりを目的とすると資金繰りが悪化する恐れがあり、投資全体の収支改善を重視することが重要。

不動産投資では、家賃収入よりもローン利息や修繕費などの支出が多くなり、赤字になるケースも少なくありません。

そんなときに活用できるのが「損益通算」という仕組みです。

損益通算を正しく理解すれば、不動産所得の赤字を給与など他の所得と相殺し、税負担を軽減できる可能性があります。

ただし、すべてのケースで適用できるわけではなく、税制上のルールや将来のリスクにも注意が必要です。

本記事では、不動産所得と損益通算の基本から、適用できる条件、具体例、そして押さえておきたい注意点までわかりやすく解説します。

節税につなげたい人や、自分のケースで使えるかどうか知りたい人はぜひ参考にしてください。

不動産所得と損益通算の基本を理解しよう

不動産所得と損益通算は、多くの投資家にとって税制面での要となります。

正しく利用すれば、課税対象となる総所得を圧縮できるため、所得税や住民税の負担軽減につなげられます。

ただし、損益通算には対象となる所得や経費に一定の制限があるため、仕組みを十分把握して申告することが肝心です。

不動産所得とは?(家賃収入-必要経費)

不動産所得とは、貸し出している物件から得られる家賃や共益費などの収入から、必要経費を差し引いた金額を指します。

必要経費には、ローン利息や修繕費、管理費のほか、建物や設備の減価償却費も含まれます。

このため、実際には家賃収入があっても会計上は赤字になりやすいという特徴があります。

赤字となった部分は「損益通算」によって給与所得など他の所得と相殺できる可能性があるため、経費を正しく計上することが節税の鍵となります。

損益通算とは?(赤字を他の所得と相殺できる仕組み)

損益通算とは、ある所得区分で発生した赤字を、他の所得の黒字と合算して相殺できる仕組みです。

たとえば、不動産所得が赤字になった場合、その損失を給与所得や事業所得などと相殺することで、課税対象となる所得を減らし、節税につなげることができます。

ただし、損益通算ができる所得には範囲があり、誰でもどんな赤字でも使えるわけではありません。

とくに、別荘など娯楽目的の不動産による損失は対象外とされるため注意が必要です。

損益通算できる所得の種類

益通算が適用されるのは、不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得という4つの区分に限られます。

このうち、不動産所得で赤字が生じた場合は、ほかの黒字の事業所得などと通算することで、税額全体を引き下げることができます。

とはいえ、個々の所得区分には独自の計算ルールや控除規定があるため、それぞれの仕組みを把握したうえで確定申告を行うことが重要です。

損益通算できる所得の種類
・不動産所得
・事業所得
・譲渡所得
・山林所得

 

不動産所得

不動産所得の注意点として、土地購入にかかる借入金の利子は損益通算の対象外になるなど、経費計上には細かなルールがあります。

正しく申告するためにも、国税庁のガイドラインや税理士のアドバイスを活用することが大切です。

事業所得

事業所得とは、個人が営む商売・農業・漁業などの事業活動から得られる所得を指します。

また、賃貸経営でも一定規模(例:アパート10室以上、独立家屋5棟以上が目安とされるケース) を満たすと、不動産所得ではなく事業所得として扱われることがあります。

事業所得に区分されると、青色申告特別控除(最大65万円)などの節税メリットを受けられる一方で、帳簿付けや申告方法が複雑になるのが特徴です。

開業届の提出や、税務上の手続きの整理をしっかり行ったうえで、自分の事業規模に合った区分を判断することが重要です。

譲渡所得

譲渡所得とは、土地や建物などの資産を売却したときに発生する所得を指します。

保有期間が 5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」に分かれ、適用される税率が大きく異なります。

マイホームを売却した場合は、3,000万円の特別控除や買い替え特例などの優遇措置が用意されています。

また、事業用資産の譲渡でも特定の条件を満たせば軽減税率が適用されることがあります。

ただし、譲渡所得は損益通算の対象になる場合とならない場合があり、さらに特例の適用条件や控除額は法律で細かく定められています。

節税を考える際には、国税庁のガイドラインや税理士の助言を確認することが重要です。

山林所得

山林所得は、山林を伐採して譲渡したり、山林そのものを売却したときに発生する所得を指します。

一般的な給与所得者や小規模な不動産オーナーにとっては馴染みが薄い区分ですが、山林経営を行っている人や相続で山林を引き継いだ人に関係してくる場合があります。

他の所得と同様に、事業として認められる範囲の山林経営で赤字が出た場合には損益通算が可能です。

たとえば、広大な山林の維持管理費や木材の販売活動で収支がマイナスとなったとき、給与所得や事業所得と相殺して全体の税負担を抑えられる可能性があります。

ただし、山林所得は税制上特殊な扱いが多く、計算方法や特例規定も複です。

実際に申告する際は、国税庁の資料や専門の税理士に確認することが不可欠です。

損益通算の計算方法

損益通算を行う際は、以下の流れで計算します。

1.赤字額の算出

まず、不動産所得などで発生した損失(赤字)を正確に計算します。

ローン利息や修繕費、減価償却費などを経費として適切に計上することが大切です。

2.黒字との相殺

次に、事業所得や給与所得、譲渡所得など他の所得区分で生じた黒字と赤字を相殺(通算)します。

これにより総所得金額を減らすことができ、結果として課税対象額が小さくなります。

3.確定申告への反映

損益通算の結果は確定申告書に記載する必要があります。

計算根拠を証明できるよう、日頃から収入や経費を明確に記録・整理しておくことが重要です。

【計算例】
給与所得:500万円
不動産所得:▲100万円(赤字)

 

損益通算後の総所得は 400万円(500万円-100万円) となり、課税対象額が減少するため、結果的に税負担が軽くなります。

このように、損益通算は赤字を有効活用して節税につなげられる仕組みですが、対象となる所得区分や条件に制限があるため、正しい理解と活用が欠かせません。

 
 

不動産所得で損益通算できる具体例

不動産投資では、減価償却費や修繕費などの経費計上によって帳簿上は赤字を作りやすい特徴があります。

こうした赤字が生じる場合でも、給与所得や他の不動産収益との通算を行えば、トータルでの課税所得を抑えることが可能です。

ただし、そのためには過大な経費計上にならないよう、適切な領収書管理や税法に沿った手続きを行うことが大切です。

サラリーマンが不動産所得の赤字で税負担を軽減するケース

サラリーマンが複数の不動産を所有している場合、家賃収入があっても、ローン利息や減価償却費、修繕費などの経費が大きく上回ると赤字になりやすい特徴があります。

この赤字を給与所得と損益通算することで、総所得金額を下げることができ、その分所得税や住民税の負担が軽減されます。

結果的に可処分所得(手取り額)が増えるため、投資と節税を両立できるのがメリットです。

ただし、損益通算を目的とした過度な投資は「節税効果はあるがキャッシュフローが悪化する」といったリスクもあるため、適正な費用計上と長期的な収支管理が欠かせません。

複数の物件を所有していて赤字物件がある場合

複数の賃貸物件を所有していると、ある物件はリフォーム費用がかさんで赤字になる一方、別の物件は入居率が高く黒字を生むことがあります。

このように黒字物件と赤字物件が混在していても損益通算は可能で、合算することで全体の課税所得を圧縮し、税負担を軽減できます。

ただし、赤字が大きくなりすぎると、黒字物件の利益や本業収入まで圧迫し、キャッシュフローに悪影響を及ぼすリスクもあります。

したがって、不動産投資全体を俯瞰し、バランスの取れた収支管理を行うことが大切です。

 
 

損益通算による節税効果

損益通算の最大のメリットは赤字を別の所得と相殺できる点で、総課税所得が下がるため所得税や住民税の軽減につながります。

ただし、赤字が大きい場合には翌年度以降に繰り越して相殺できる繰越控除制度もあるため、長期的な視点で活用することが望ましいです。

損益通算による節税効果
・住民税や所得税が減る
・赤字が大きい場合の繰越控除(最長3年)

 

住民税や所得税が減る

不動産所得で赤字が発生すると、その分だけ総所得金額が圧縮され、課税対象が小さくなります。

その結果、所得税では累進課税の区分が下がる可能性があり、より低い税率が適用されるケースもあるため、節税効果が高まりやすいのが特徴です。

さらに総所得金額が減れば、住民税の計算基準も下がるため、所得税と住民税の双方で支払い額を軽減できる点が大きなメリットとなります。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

参考:国税庁 No.2260 所得税の税率

赤字が大きい場合の繰越控除(最長3年)

不動産所得の赤字が当年の黒字所得と相殺しきれないほど大きい場合でも、損失を翌年以降に繰り越して控除できる仕組みがあります。

最大3年間まで繰越が可能で、翌年度以降に不動産所得や給与所得などの黒字が発生したときに相殺できるため、長期的な節税効果が期待できます。

ただし、この制度を利用するには、毎年必ず確定申告を行い、必要書類を揃えておくことが条件となります。

申告を怠ると繰越の権利を失ってしまうため、注意が必要です。

 
 

不動産所得で損益通算ができないケース

損益通算は非常に便利な制度ですが、すべての不動産投資で無制限に利用できるわけではありません。

以下では損益通算における例外や対象外のケースを紹介します。

不動産所得では損益通算ができないケース
・土地取得にかかるローンの利子
・国外中古物件やリゾート物件

 

土地取得にかかるローンの利子

建物の購入にかかるローン利子は必要経費として計上できますが、土地そのものは減価償却の対象外です。

そのため、土地取得にかかるローン利子は経費に含められず、不動産所得の赤字を作る要素にはなりません。

結果として、損益通算による節税効果を得にくくなるケースもあるため、土地と建物の購入費用のバランスを考慮したうえでローンを組むことが重要です。

国外中古物件やリゾート物件

国外の中古物件については、減価償却費の計算方法に厳しい制限があり、日本国内の物件と同じように損益通算できるとは限りません。

また、娯楽目的や別荘利用を前提としたリゾート物件は、賃貸事業として認められないケースが多く、損益通算の対象外となる可能性があります。

こうした例外的なケースでは、投資を始める前に税理士や不動産の専門家へ相談し、適用可否を事前に確認しておくことが重要です。

損益通算を利用する際の注意点

損益通算という制度は税額を減らせる反面、実質的な投資赤字を容易に見過ごしてしまうリスクもはらんでいます。

本来の投資目的はあくまで収益を上げることであり、損益通算はそのバランスを保ちながら活用することが望まれます。

損益通算を利用する際の注意点
・「節税目的の赤字」だと税務署に否認されることがある
・経費にできる範囲を正しく理解する必要がある
・確定申告の手間とリスク
・節税効果よりも投資全体の収支改善が大切

 

「節税目的の赤字」だと税務署に否認されることがある

意図的に赤字を作っていると判断されると、税務署から損益通算を否認される場合があります。

とくに、実質的な事業活動がともなわず、形式的に費用を大きく見積もっていると見なされると指摘を受けやすいです。

一方で、正当な投資活動に基づく経費であれば問題ありません。

領収書や契約書などの証拠書類をきちんと保管し、説明できる状態にしておくことが大切です。

経費にできる範囲を正しく理解する必要がある

経費に計上できる範囲は正しく見極める必要があります。

経費の代表例は、(建物部分の)ローン利息、管理費、修繕費、保険料、広告費、減価償却費など。

一方、土地の取得にともなう利息や私的利用に相当する支出は原則として経費になりません

誤って計上すると加算税や延滞税のリスクがあるため、建物と土地の区分や家事按分の根拠を明確にしつつ、必要に応じて税理士など専門家の確認を受けて慎重に処理しましょう。

確定申告の手間とリスク

確定申告には手間とリスクがともないます。

とくに賃貸物件を複数所有していたり、大規模な修繕を行った年は、経費計上や帳簿処理が複雑になりがちです。

もし集計や記帳に誤りがあれば、修正申告や追徴課税を求められる可能性もあります。

こうしたリスクを避けるためには、会計ソフトを活用して記録を自動化したり、税理士などの専門家に依頼することも検討すると安心です。

節税効果よりも投資全体の収支改善が大切

損益通算は節税に役立つ有効な制度ですが、不動産投資の本来の目的は安定したキャッシュフローの確保や資産形成にあります。

節税効果ばかりを重視して赤字経営を続ければ、資金繰りが厳しくなり投資そのものが立ち行かなくなるリスクもあります。

あくまで家賃収入や物件価値の向上を軸に据え、その上で損益通算を上手に活用することで、より健全で長期的な不動産投資を実現できるでしょう。

まとめ

不動産所得で生じる赤字を他の黒字所得と合算する損益通算は、税負担を効果的に軽減できる頼もしい制度です。

しかし、土地取得の利子や娯楽目的の物件など通算できない項目も存在し、かつ過度な赤字計上は否認のリスクをともないます。

最終的には投資効率と税制上のメリットを両立させることが肝要であり、確定申告や収支計画を丁寧に行う姿勢が重要です。

不動産投資の無料個別相談サービスであるトウシェルは、不動産投資のプロである担当者を紹介するサービスです。

無料で何度でも相談ができ、万が一強引な営業があった場合は、紹介された担当者からの連絡を止めることができるストップコール制度もあり安心して相談が可能です。

今なら不動産投資の相談と相談後に送られてくるアンケートに回答でpaypayポイント10000円分が貰えるキャンペーンもやっていますので、この機会にぜひ相談をしてみてはいかがでしょうか。

マネモのおすすめ保険相談サービスはこちら!

オンライン無料保険相談で豪華プレゼント実施中!