この記事の要約はこちら
・公的医療保険(高額療養費制度)によって自己負担額が限定的であること、十分な貯蓄があれば治療費を賄えると考えていること、すでに加入している他の保険と保障が重複していることなどをがん保険不要論の根拠としてあげる人が多い
・がん保険に加入していない場合、高額療養費制度の対象外となる先進医療の費用や、がん罹患による収入減少、治療の長期化など、公的な保障だけではカバーしきれない経済的リスクに対応できなくなる
・貯蓄が十分にある人や会社の福利厚生が手厚い人はがん保険が不要な可能性がある。一方、十分な貯蓄がない現役世代、自営業者、扶養家族がいる人には必要性が高い
「がん保険はいらない」という意見を聞いて、自分にとって本当に不要なのか、それとも備えるべきなのか、迷いや不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
インターネットや書籍、あるいは著名人の意見の中には「がん保険は不要」とする声もあり、その根拠に納得できる部分があるのも事実です。
しかし、がん保険の必要性は、貯蓄額や働き方、家族構成、価値観などによって異なり、 万人に共通する絶対の正解はありません。
この記事では、生命保険のプロの視点から、「がん保険がいらない」と言われる理由を一つひとつ深掘りするとともに、その意見を鵜呑みにする危険性や、後悔しないがん保険の選び方などを解説します。
「がん保険が自分に必要かどうか」を判断できるようになりたい人はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
がん保険は「いらない」と言われる6つの理由
がん保険が不要と言われる主な理由は以下の通りです。
・公的医療保険制度(高額療養費制度)で自己負担は限定的だから
・十分な貯蓄があれば治療費をカバーできるから
・他の医療保険や死亡保険で保障が重複するから
・毎月の保険料が家計の負担になるから
・すぐに給付金が支払われないケースがあるから
・著名人が不要と言っているから
この機会に、公的制度や個人の資産状況に対しての理解を深めていきましょう。
理由①:公的医療保険制度(高額療養費制度)で自己負担は限定的だから
日本の手厚い公的医療保険制度、特に「高額療養費制度」の存在ががん保険は不要だと言われる理由の一つになっています。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初めから終わりまで)で一定の上限額を超えた場合に、超過分の金額が後から払い戻される制度です。
上限額は、年齢や所得によって区分されています。
▼高額療養費制度における自己負担上限額(70歳未満)
| 所得区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) |
| 年収約1,160万円~ | 252,600円 + (総医療費 – 842,000円) × 1% |
| 年収約770万~約1,160万円 | 167,400円 + (総医療費 – 558,000円) × 1% |
| 年収約370万~約770万円 | 80,100円 + (総医療費 – 267,000円) × 1% |
| ~年収約370万円 | 57,600円 |
| 住民税非課税 | 35,400円 |
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
例えば、年収500万円の方が、がんの手術と入院で1ヶ月の総医療費が100万円(窓口負担3割で30万円)かかったケースを考えてみましょう。
この場合、自己負担上限額は以下の計算式で求められます。
窓口で30万円を支払ったとしても、後から申請すれば差額の212,570円が払い戻され、最終的な自己負担額は約8.7万円に収まります。
この制度により、保険適用内の治療であれば、医療費が数十万、数百万円になったとしても、実際の負担は多くの場合で月10万円前後に抑えられます。
この事実をもって、「がん保険で備えなくても、公的制度で十分対応できる」と考える方がいるのです。
理由②:十分な貯蓄があれば治療費をカバーできるから
治療費や当面の生活費をカバーできるだけの十分な金融資産があれば、がん保険に入る必要はないという考え方もあります。
厚生労働省の調査によると、がんの種類別の年間治療費は以下の通りです。
▼がんの種類別・年間治療費の目安
| がんの種類 | 年間治療費(医療費総額) |
| 胃がん | 209,101円 |
| 結腸がん | 205,651円 |
| 直腸がん | 239,693円 |
| 肝がん | 218,214円 |
| 気管支及び肺がん | 221,409円 |
| 乳がん | 187,910円 |
| 子宮がん | 209,966円 |
| 悪性リンパ腫 | 405,049円 |
| 白血病 | 570,751円 |
| その他悪性新生物 | 215,491円 |
※上記は点数÷件数で求めた医療費を3割自己負担する場合の金額
出典:厚生労働省「医療給付実態調査(令和5年度)統計表第3表」
上記のデータを見ると、仮に治療が2年続いたとしても、治療費の自己負担分は数十万円から100万円程度に収まる可能性があります。
収入の減少が発生することも想定すると、300万円〜500万円程度の資金があれば、ある程度の治療には対応できると考えられます。
そのため毎月数千円から一万円程度の保険料を支払い続ける代わりに、その分を貯蓄や資産運用に回した方が合理的だと考える人もいるのです。
ただし、がん治療は長期化するケースも少なくありません。
一般的に寛解までは5〜10年程度を要するとされており、入院や手術を終えた後も定期的な検査や治療が必要になることもあります。
また、がんは再発や転移のリスクが高い病気とされているため、治療が一度で終わる保証はありません。
さらにがんの進行度合いによっては、先進医療や自由診療など、自己負担が高額になる治療が必要になる場合もあります。
したがって「◯◯円用意しておけば安心」といえる目安のようなものは、基本的にありません。
理由③:他の医療保険や死亡保険で保障が重複するから
すでに加入している他の保険で、がんに対する保障がカバーできている場合は、改めてがん保険に加入する必要はないと考えることもあるでしょう。
一般的な医療保険で支払われる入院給付金や手術給付金は、がんが原因の場合でも給付対象です。
例えば、入院1日につき1万円、手術1回につき20万円といった保障があれば、がん治療による入院や手術の費用を一部補えます。
また、死亡保険に「三大疾病保障特約」や「特定疾病保障特約」などを付帯している場合、がんと診断された際にまとまった一時金が受け取れるケースもあります。
これらの特約で100万円や300万円といった保障をすでに確保しているなら、新たながん保険は不要だと判断できるかもしれません。
しかし、保障内容が十分かどうかは個別に確認が必要です。
医療保険の入院給付金は入院日数が上限(60日や180日など)に達すると支払われなくなる上、手術給付金も対象となる手術や金額が限定されている場合があります。
近年の主流である通院での抗がん剤治療などは、従来の医療保険ではカバーできないケースがほとんどです。
特約でカバーされている一時金も、保険金額が30万円や50万円など、十分とはいえない場合もあるため、保障内容を詳しく確認しましょう。
理由④:毎月の保険料が家計の負担になるから
毎月の保険料が長期的に家計を圧迫することを懸念して「がん保険に入らない方がいい」と言う人もいます。
保障内容や年齢にもよりますが、がん保険の保険料は月々数千円から1万円を超える場合もあります。
この固定費が数十年単位で継続する点が、家計にとって負担になると感じる人がいるのです。
保障内容を手厚くすればするほど保険料も高くなるため、「万が一」の備えのために現在の生活費を削ることに抵抗を感じるケースもあるでしょう。
特に若いうちはがんの罹患率が低いこともあり、コストパフォーマンスが良くないと感じる場合もあります。
なお、がん保険には、保険期間が一定の「更新型」と一生涯保障が続く「終身型」があります。
更新型は加入当初の保険料は安いですが、更新のたびに保険料が上がっていきます。
終身型は加入時の保険料が一生涯変わりませんが、更新型に比べて当初の保険料は高めに設定されています。
理由⑤:すぐに給付金が支払われないケースがあるから
期待していた通りに給付金が受け取れない可能性があるため「がん保険に加入する必要はない」という意見もあるようです。
多くのがん保険には、契約が成立してから保障が開始されるまでの間に、約90日間の「免責期間」が設けられています。
免責期間中にがんと診断されても、給付金は一切支払われず、契約自体が無効になることもあります。
保障対象となる「がん」の範囲も商品によって違いがあるため確認が必要です。
特に「上皮内新生物(初期のがん)」は、通常の悪性新生物と区別され、給付金が半額や10%程度に減額されたり、そもそも保障の対象外になっていたりする商品があります。
がんと診断された時に一時金が受け取れる「がん診断給付金」の支払い条件は商品によって異なり、保険期間中に1回しか支払われないタイプもあります。
再発や転移に備えて複数回給付されるタイプでも「2年に1回を限度」など、一定期間を空けなければ給付を受けられない商品がほとんどです。
給付金の支払条件を理解していないと、いざという時に給付金が支払われず「入った意味がなかった」という結論に至る可能性があります。
理由⑥:著名人が不要と言っているから
医師や経済評論家など、社会的影響力のある著名人が「がん保険は不要」と発信していることも、加入をためらわせる一因になっています。
主に「高額療養費制度の存在」や「貯蓄での対応」を根拠に挙げて「がん保険は不要」と論じているケースが多いようです。
もちろんそれらの意見には一理ありますが、十分な資産があることを前提としたものも多く、全ての人に当てはまるとは限りません。
家計の状況や家族構成、がん治療に対する考え方などを無視して著名人の意見を鵜呑みにしてしまうのは危険です。
自分に必要な備えは、最終的には自分自身で判断する必要があります。
自分に合った備えかどうかは保険のプロに相談して判断するのがおすすめです!
「がん保険はいらない」を鵜呑みにする危険性|知っておくべき3つの落とし穴
「いらない」という意見の裏に潜む、見落としがちながん治療のリスクや実態について解説します。
【落とし穴1】高額療養費制度だけではカバーできない費用がある
高額療養費制度は優れた制度ですが、がん治療にかかる費用を全てカバーできるわけではありません。基本的に、以下の費用は全額自己負担となります。
▼高額療養費制度対象外の費用
| 項目 | 内容 | 費用 |
| 差額ベッド代 | 希望して個室や少人数の病室に入院した際にかかる費用です。 病院によって異なりますが、 都心の病院では1日あたり数万円の費用がかかる場合もあります。 |
6,714円(1日あたりの平均) |
| 入院中の食事代 | 入院中の食費の一部は自己負担です。 | 490円(1食あたり) |
| 先進医療の技術料 | 厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた療養にかかる費用。 治療方法によっては高額になることもあります。 |
陽子線治療 約268万円、 重粒子線治療 約314万円(1件あたりの平均) |
| 自由診療費 | 公的医療保険が適用されない治療や薬剤にかかる費用です。 国内未承認の抗がん剤などを使用する場合、治療費は全額自己負担となり、 高額になる傾向があります。 |
数十万円〜数千万円(目安) |
| その他の費用 | 通院のための交通費(特に遠方の専門病院に通う場合)、 抗がん剤治療の副作用による脱毛に備えるためのウィッグ購入費、 下着やスキンケア用品などの購入費、家族が看病するための交通費や宿泊費など |
数万円〜数十万円(目安) |
出典
厚生労働省「主な選定療養に係る報告状況」
厚生労働省「入院時の食費について」
生命保険文化センター「先進医療とは? どれくらい費用がかかる?」
上記の費用は、高額療養費制度の対象外であるため、貯蓄を大きく取り崩すことになる可能性があります。
また、高額療養費制度が適用される場合も、基本的に高額療養費は「月ごと」に計算されるため、例えば月末に入院し翌月初めに手術をした場合、両方の月で自己負担上限額まで支払う可能性があり、負担が重くなるケースも考えられます。
【落とし穴2】がん治療による収入減少のリスク
がん治療については、治療費だけではなく「収入の減少」という経済的なリスクにも備える必要があります。
東京都の調査によると、がんに罹患した人の38.6%が、本人または世帯の収入のいずれかもしくは両方が減ったと回答しています。
治療のために休職や退職を余儀なくされるケースは少なくありません。
会社員や公務員の場合、病気やけがで働けない時には「傷病手当金」が支給されます。
傷病手当金は、給与のおおよそ3分の2が最長で1年6ヶ月まで保障される制度です。
しかし、給与が満額保障されるわけではないため、収入は減少します。
また、1年6ヶ月を超えて治療が長引いた場合、保障は打ち切られてしまいます。
また、自営業者やフリーランスなど、国民健康保険の加入者に対してはそもそも傷病手当金の制度はありません。
つまり、働けない期間は収入が完全に途絶えてしまうリスクがあります。
がんの進行度合いによっては障害年金を受給できる可能性もありますが、申請から受給までに時間がかかるうえ、必ず受給できるとは限りません。
受給できたとしても、それだけで生活費のすべてをカバーするのは難しい場合もあります。
治療費という「支出増」と、働けないことによる「収入減」が同時に起こる経済的リスクについて、認識しておく必要があるでしょう。
出典:東京都福祉保健局「東京都がん医療等に係る実態調査結果(がん患者の就労等に関する実態調査)」
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【落とし穴3】がん治療の長期化と多様化
近年の医療技術の進歩に伴い、がん治療のあり方は大きく変化しています。
かつては長期入院が当たり前でしたが、厚生労働省の「患者調査」によると、がん(悪性新生物)の平均在院日数は年々短縮傾向にあります。
平成14年調査では新生物(悪性新生物などを含む)の平均入院日数は28.9日でしたが、令和5年調査では13.4日と、約20年で半分程度まで減少しています。
一方で、通院治療が主流となり、仕事や生活を続けながら、入退院を繰り返したり、定期的に通院したりしながら長期間にわたってがんと向き合うケースが増えているのです。
メットライフ生命の調査では、がんの通院治療期間は平均で2.4年にも及ぶというデータもあります。
治療法も、手術、放射線治療、抗がん剤治療の三大治療に加え、遺伝子情報を基に最適な治療法を選択する「ゲノム医療」や、免疫の力を利用する新しい治療法など、多様化しています。
今後も新しい治療法(特に公的保険が適用されない自由診療など)が登場する可能性は高く、その時にはまとまった資金が必要になるかもしれません。
長期化・多様化する現代のがん治療に対応するためには、経済的な面で十分な備えが必要です。
公的保障だけでは心もとないと感じ、保険で備えたいと考えるケースが増えています。
事実、多くの保険のプロががんへの備えとして、がん保険に加入しています。
【実体験あり】保険のプロが入っている保険を大公開!入ってよかったと感じる条件とは?
出典
厚生労働省「平成14年患者調査」「令和5年患者調査」
メットライフ生命 ガン治療に要した平均入院日数や平均通院年数はどのくらい?
それに治療は通院が長く続いたり、新しい自由診療が必要になることもあって、想像以上にお金がかかるんだね…
必要な保障がどれくらいかは人によって違うから、まずは保険にプロに相談して、自分に合った備えを考えてましょう。
データで見るがん保険の必要性
客観的なデータを用いて、がんという病気が誰にとっても身近なリスクであることを解説します。
自分は大丈夫と思わず、自分ごととして捉えるのが備えの始まりです。
2人に1人ががんに罹患する時代
国立がん研究センターの「最新がん統計」によると、生涯でがんに罹患する確率は、男性63.3%、女性50.8%(2021年データ)と報告されています。
日本人の2人に1人が一生のうちに一度はがんと診断されると言われており、もはや特別な病気ではありません。
また年齢別の罹患率を見ると、年齢とともにリスクは高くなる傾向があります。
特に女性の場合、乳がんや子宮頸がんは30代〜40代で罹患率が急増するため、若い世代にとっても決して他人事ではありません。
働き盛りの世代や子育て世代でもがんに罹患するリスクはあります。
出典:がん研究振興財団「がんの統計2025」
実際にかかるがん治療費の平均額
がんの種類や進行度(ステージ)、治療法によって費用は大きく変動しますが、一つの目安としてがんの種類別の年間治療費を以下に示します。
▼がんの種類別・年間治療費の目安
| がんの種類 | 年間治療費(医療費総額) |
| 胃がん | 209,101円 |
| 結腸がん | 205,651円 |
| 直腸がん | 239,693円 |
| 肝がん | 218,214円 |
| 気管支及び肺がん | 221,409円 |
| 乳がん | 187,910円 |
| 子宮がん | 209,966円 |
| 悪性リンパ腫 | 405,049円 |
| 白血病 | 570,751円 |
| その他悪性新生物 | 215,491円 |
※上記は点数÷件数で求めた医療費を3割自己負担する場合の金額
出典:厚生労働省「医療給付実態調査(令和5年度)統計表第3表」
実際の自己負担額は高額療養費制度によって抑えられます。
しかし、先述した通り、これ以外にも先進医療費や差額ベッド代、収入減少など、様々な経済的負担が発生する可能性があります。
高額な治療費がかかる可能性がある点を、具体的な金額でイメージしておきましょう。
がん保険・がん特約の加入率
多くの人が、がんに対して保険で備えているという実態もあります。
生命保険文化センターの「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、全世帯の68.2%が、何らかのがん保険やがん特約に加入しています。
多数派の行動が必ずしも正しいわけではありませんが、多くの人ががん保険を備えている背景には、やはり「がん罹患時の経済的リスク」に対する不安があると考えられます。
がん保険の必要性が低い人・必要な人の特徴
ここまで紹介したがん保険に対する意見や治療に関するデータなどをふまえて、がん保険の必要性が低い人・必要性が高い人の特徴を考えてみましょう。
がん保険の必要性が低い人の特徴
以下のような人は、がん保険に加入しなくても、経済的なリスクをカバーできる可能性が高いでしょう。
・勤務先の福利厚生が手厚い人
・治療方針を割り切れる人
・他の保険で手厚い保障を確保できている人
治療費や数年間の収入減少を自己資金で問題なく賄えるだけの貯蓄(最低でも500万円〜1,000万円以上)がある人や、健康保険組合独自の「付加給付制度」があり、高額療養費制度の自己負担額がさらに低く抑えられる(例:月2.5万円上限など)人や、長期の休業補償制度が整っている会社に勤務している人などは、がん保険に加入しなくても経済的に困らずに済む可能性があります。
また、治療を受ける際は、先進医療や自由診療などは選択せず、すべて公的医療保険の範囲内で治療すると割り切っている人も、がん保険でプラスアルファの備えをする必要はほとんどないかもしれません。
すでに加入している医療保険や死亡保険の特約で、がんと診断された時に200万円〜300万円以上の一時金が受け取れるなど、十分な保障を確保できている人も、がん保険に加入する必要性は低いと言えます。
がん保険の必要性が高い人の特徴
がん罹患時の経済的ダメージが大きくなる可能性が高く、保険での備えを検討すべきなのは、以下のような条件に当てはまる人です。
・経済的に支えるべき家族がいる世帯主
・自営業者、フリーランスの人
・遺伝的なリスクを心配している人
・生活習慣に不安がある人
万が一がんに罹患した場合の治療費を支払う余裕がない人や、配偶者や子どもがいて、自身の収入が途絶えると家計が立ち行かなくなる人は、家族に負担をかけないためにも、がん保険に加入しておいた方が良いでしょう。
また、自営業者、フリーランスのように公的保障が十分とは言えない人は、収入減少のリスクに備えてがん保険に加入しておく必要があります。
喫煙習慣がある、食生活が不規則、運動不足など、がんのリスクを高める生活習慣に心当たりがある人や、家族にがんに罹患した経験のある人などもがん保険の必要性が高いと言えます。
がん保険の必要性や加入タイミングについては以下の記事でも詳しく解説しています。
がん保険に入っておけばよかったと後悔する例は?貯金があれば不要?
必要かどうか迷う人は、保険にプロに相談をしてみましょう!
後悔しないがん保険の選び方5つのステップ
がん保険が必要だと判断した場合は、以下の手順で自分に合ったがん保険を選びましょう。
STEP2.必要な特約(オプション)を検討する
STEP3.適切な保障金額を設定する
STEP4.保険期間と払込期間を決める
STEP5.告知を確認する
【STEP1】メインの給付金タイプを決める
がん保険の主契約(メインの保障)となる給付金の受け取り方には、主に2つのタイプがあります。
▼がん保険の主契約タイプ
| 診断給付金タイプ | 治療給付金タイプ | |
| 概要 | がんと診断が確定した時点で、 まとまった一時金(例:100万円)を受け取れるタイプ |
入院、通院、三大治療(手術・放射線・抗がん剤)など、 治療を受けるごとに給付金が支払われるタイプ |
| メリット | ・治療開始前にまとまったお金が手に入るため、 当面の治療費や生活費の心配を軽減できる ・使いみちが自由なので、治療費以外 (差額ベッド代や収入補填など)にも充てられる |
治療が長引くほど給付を受けられるため、 長期的な治療に対応しやすい |
| デメリット | 商品によっては、給付が1回のみの場合や、 2回目以降の給付条件が厳しい場合がある |
診断されただけでは給付されず、 所定の治療を受けないと給付対象にならない |
「治療開始前の経済的な安心感を優先したい」のであれば診断給付金タイプ、「治療が長期化した場合にも備えたい」のであれば治療給付金タイプを選ぶのが良いでしょう。
診断給付金タイプを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
上皮内新生物の扱い:満額支払われるか、減額されるか
2回目以降の受け取り間隔:「1年に1回」か「2年に1回」か
なお、実際にかかった治療費を補償する「実費補償タイプ」のがん保険もあります。
収入の減少分をカバーするのは難しいものの、治療費(特に通院治療)に関して万全の備えをしておきたい人は、検討してみる価値はあるでしょう。
【STEP2】必要な特約(オプション)を検討する
主契約の保障をより充実させるための特約(オプション)を検討します。
一般的にがん保険には以下のような特約があります。
▼がん保険の特約
| 特約の種類 | 内容 |
| 先進医療特約 | 全額自己負担となる先進医療の技術料を保障する特約。 数百円程度の保険料で、2,000万円程度までの実費をカバーできる商品が多く、 治療の選択肢を広げるために検討する価値はあります。 |
| 通院特約 | 通院での抗がん剤治療など、長期化・多様化する治療に備えるための特約。 入院を伴わない治療でも給付金が受け取れるため、現代の治療スタイルに合っています。 |
| 保険料払込免除特約 | がんと診断された場合など所定の状態になった場合に、以降の保険料の支払いが免除される特約。 収入が減少する中で保険料の負担がなくなるのは、精神的にも経済的にも助けになります。 |
特約をセットする場合、保険料が上乗せされるため、本当に必要な特約だけを選びましょう。
【STEP3】適切な保障金額を設定する
治療費の実態や治療中の収入減少分などを考慮して、保障金額を設定しましょう。
例えば診断一時金を収入減少の補填として活用する場合、年収の3分の1程度に設定しておけば、傷病手当金だけでは不足する部分についてもカバーできるようになるでしょう。
入院日額や通院日額は、差額ベッド代や交通費なども考慮して、1万円〜2万円程度に設定するのが一般的です。
保障を手厚くすると安心感は増しますが、その分保険料も上がります。
家計とのバランスを考慮して決めましょう。
【STEP4】保険期間と払込期間を決める
保障をいつまで続けるか(保険期間)、保険料をいつまで支払うか(払込期間)を設定します。
がん保険の保険期間は、保障が一生涯続く「終身タイプ」と10年間や60歳までなど、保障期間が一定の「定期タイプ」があります。
終身タイプの場合、加入時の保険料が一生涯継続します。
がんのリスクは高齢になるほど高まるため、一生涯の保障を確保できると言う点で安心できるでしょう。
定期タイプは終身タイプより割安な保険料で加入できる点が魅力です。
ただし更新時にその時の年齢に合わせて保険料が高くなるため、子どもが独立するまでなど、一定期間だけ補償を手厚くしたい場合に適しています。
また、保険料払込期間は大きく以下の2種類があります。
- 終身払い:保障が続く限り、一生涯保険料を支払う方法です。
- 短期払い:60歳や65歳までなど、早めに保険料の支払いを終える方法。老後の負担はありませんが、毎回の保険料は高くなります。
基本的には、がん罹患リスクが高齢になるほど高まるため、保障が途切れない終身タイプがおすすめです。
払込期間は、ライフプラン(いつまで働くかなど)に合わせて検討しましょう。
【STEP5】告知を確認する
がん保険に加入する際は、現在の健康状態や過去の病歴などを保険会社に正しく伝える「告知」が必要です。
保険会社や商品によって告知内容は大きく異なります。加入を希望する商品が、自身の健康状態で加入できるかを確認しましょう。
例えば、高血圧や糖尿病などの持病があっても、がんとの関連性が低いと判断されれば、一般的ながん保険に加入できる場合があります。
もし健康状態に不安があり、一般的な保険への加入が難しい場合は「引受基準緩和型がん保険」を検討してみましょう。
引受基準緩和型がん保険は通常のがん保険よりも告知項目が少なくなっており、がん経験者でも治療から一定年数が経過していれば加入できる商品もあります。
ただし、一般的ながん保険に比べて保険料は割高です。
また、加入から一定期間は給付金が減額されるなどの条件が付く場合があります。
複数の商品を比較し、自身の健康状態にあった商品を探してみましょう。
どの商品が適しているか判断に迷う場合は、保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのも一つの方法です。
がん保険に加入する前に知っておきたい3つの注意点
がん保険に加入してから後悔しないために、以下のポイントについては必ず確認しておきましょう。
・免責期間
・上皮内新生物の保障範囲
・加入後の見直しの重要性
注意点①:免責期間
多くのがん保険には「免責期間」が設けられており、契約(責任開始日)からその日を含めて90日間(約3ヶ月)は保障の対象外となります。
免責期間はがんの自覚症状がある人が給付金目当てで契約するなどのモラルリスクを防ぐために設けられているものです。
免責期間中にがんと診断されてしまうと、給付金は一切支払われず、契約そのものが無効になるケースもあります。
なるべく健康なうちに検討を始めましょう。
注意点②:上皮内新生物の保障範囲
がんの種類によって給付金の支払われ方が異なる可能性がある点にも注意が必要です。
がんは、組織の奥深くまで浸潤している「悪性新生物」と、上皮内にとどまっているごく初期の「上皮内新生物」に大別されます。
商品によっては、上皮内新生物と診断された場合に、診断給付金が満額ではなく10%や50%に減額されたり、そもそも給付の対象外となったりする場合があります。
契約前に「ご契約のしおり・約款」をよく読み、診断一時金の支払い対象となるがんの定義や保障金額を必ず確認しましょう。
特に女性の場合、子宮頸がんや乳がんは上皮内新生物として発見されるケースも少なくないため、この保障範囲は重要なチェックポイントです。
また、がん保険はあくまで「がん(悪性新生物・上皮内新生物)」を保障する保険なので、良性のポリープや腫瘍の切除などは基本的に保障対象外である点も理解しておきましょう。
注意点③:加入後の見直しの重要性
がん保険に加入した後も、定期的なメンテナンスが必要です。
医療技術は日々進歩しているため、画期的な新しい治療法が登場するかもしれません。
その時、現在加入している保険の保障内容が最適でなくなっている可能性があります。
例えば、以前は入院日数を手厚くする保障が主流でしたが、現在は通院治療を手厚くする保障のニーズが高まっています。
また、結婚、出産、住宅購入、転職といったライフステージの変化によっても、必要な保障額や保障の優先順位は変わります。
最低でも5〜10年に一度は保障内容を確認し、必要であれば新しい商品への切り替えも検討しましょう。
見直しをしやすいように、特約を自由に組み合わせられる自由度の高い保険を選ぶのも一つの方法です。
契約からしばらくは免責期間があって、診断されても給付されないんだね。
あと、初期のがん(上皮内新生物)は満額じゃないことが多いんだね。
しかも加入して終わりじゃなくて、医療や生活の変化に合わせて見直しが必要なんだね。
がん保険に関するよくある質問(Q&A)
がん保険に関するよくある質問をまとめました。疑問や不安がある場合はここで解消しておきましょう。
Q1. がんを経験していても入れる保険はありますか?
引受基準緩和型がん保険であれば、がんを経験していても加入できる可能性があります。
引受基準緩和型のがん保険は一般的ながん保険よりも保険料が割り増しされている代わりに、告知のハードルが低くなっている保険です。
ただし、告知項目は少ないとはいえ、入院や手術をした直後に加入するのは難しいと考えた方が良いでしょう。
Q2. 女性特有のがん(乳がん・子宮がんなど)に手厚い保険はありますか?
女性向けがん保険や、医療保険の女性疾病特約に加入すると、女性特有のがんに手厚く備えられます。
乳がん・子宮がん・卵巣がんなど、女性特有のがんと診断された場合に、通常の診断給付金に加えて給付金が上乗せされる商品や、乳房再建術に対して保障される商品などがあります。
Q3. がん保険の保険料はいつから支払う必要がありますか?
保険会社や商品によっても異なりますが、基本的には申し込みと同時に保険料の支払いが始まります。
ただし「90日間の免責期間中は保険料の支払い不要」としている商品もあります。
がん保険が必要か迷ったら保険のプロに相談してみよう
公的医療保険制度が充実している点などから、がん保険は不要と言われることも少なくありません。
しかし、実際にがんに罹患した場合はどのくらい治療が続くかは不透明な部分があります。
また先進医療や自由診療など、公的医療保険の対象外となる費用も発生する可能性があり、収入の減少も予想されるため、貯蓄だけでがん治療に備えるのは現実的ではない場合もあります。
がん保険が必要かどうかは、貯蓄額や働き方、扶養家族の有無などを総合的に考慮して判断しましょう。
もし、自分だけで判断するのは難しい場合や客観的な意見がほしいと感じたときは、保険の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。
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(※1):申込み後の相談内容回答の際に希望可能。希望が承れない場合もあり。
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