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・貯金がない状態で老後を迎えると、最低限の生活をすることすら難しい可能性が高い。
・定年後も働くとしても、それまでと同じ水準の給与を受け取れる人はわずか。
・長く働き続けるとしても、健康寿命と平均寿命の間では大きな差があり、働けなくなった後は年金のみでの生活になる。
・老後の生活資金不足を補填する方法は複数あるが、それぞれ条件を満たさないと利用できない。
・気付いた時点で少しでも貯金を始めることが大事。
後数年で定年という時期にもかかわらず、貯金がないという人は少なからずいます。
そのような人は、老後の生活をどのように送ればよいのでしょうか。
高額な退職金があれば何とかなるかもしれませんが、そんな人ばかりではないでしょう。
60歳以降も働くとしても、それまでと同条件で働けるケースは少ないはずです。
この記事では、貯金がないまま老後を迎える人の生活がどのようになるのかを説明したうえで、年金だけで生活できない場合に取り得る対策について解説します。
この記事の目次
貯金なしで老後生活を迎える人はどのくらいいる?
老後資金に対して不安を抱えている人は増えているようですが、貯金がないまま老後を迎える人は少なくありません。
金融広報中央委員会の調査によれば、単身世帯の33.3%、2人以上世帯の21.0%が「金融資産を保有していない(貯蓄なし)」と回答しています。
一方で1,000万円以上貯蓄している世帯も3割以上存在するため、貯蓄状況は大きく二極化していると言えるでしょう。
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」
貯金がないまま老後を迎えるとどうなる?
老後にはさまざまなリスクがありますが、特に、貯金がない状態で老後を迎えた場合にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
早いうちにリスクに気が付けば、対策できるかもしれません。
貯金がない状態で老後を迎える人が抱える主なリスクは次に挙げる3つです。
・年金だけでは生活できない可能性がある
・急な支出や特別な支出には対応できない
・老後破産してしまう
年金だけでは生活できない可能性がある
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金受給額の平均は、自営業やフリーランス等で国民年金のみの場合は月57,700円、会社員や公務員等で厚生年金に加入していた場合は月151,312円です。
一方、総務省の「令和6年家計調査報告」によれば、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の消費支出は約25万6,521円、単身世帯の場合は14万9,286円です。
厚生年金に加入していたなら、年金だけでも最低限の生活を送れるかもしれませんが、国民年金のみの場合は年金だけで生活するのは難しいでしょう。
厚生年金に加入していた人でも、定年退職後すぐに年金を受け取らないのであれば、年金受け取り開始までの間は自分の稼ぎだけで生活することになります。
定年後は収入が大幅に減る可能性が高く、年金受給開始までの間は再雇用かアルバイトで稼いだお金で生活しなければなりません。
まったく貯金がない場合は、その間に生活できなくなる可能性があります。
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国民年金基金はやばいって本当?入ってはいけない理由やメリット解説
急な支出や特別な支出には対応できない
貯金がない状態で老後を迎えた場合、日常生活を送るためのお金は何とか確保できたとしても、病気やケガの治療費、入院費、家の修繕費、故障した車や家電、壊れた家具などの買い替えといった急な支出には対応するのが難しくなるでしょう。
親戚や友人とのつきあいがあれば、結婚式のお祝いやお葬式の香典など特別な支出が発生する可能性もあります。
しかし、入ってきたお金でギリギリの生活をしている状態では、それらの費用を捻出することができません。
貯金がないまま老後を迎える人の中には、「年金で生活できるから老後のお金は心配いらない」と誤解してしまうケースもあります。
こうした思い込みがどのようなリスクにつながるのかについては、下記記事で解説をしています。
「老後資金は必要ない」ってホント?貯金なしでも大丈夫?安心して生活を送るためのポイントを解説
老後破産してしまう
老後破産とは、定年後に収入や貯蓄が不足し生活に困窮する状態です。
このリスクは、元々所得が少なかった家庭や年金収入が少ない家庭だけに限りません。
現役で働いていた頃は収入が高かった家庭でも、十分な収入があった時期に貯金をしておかなかった場合には老後破産が起こり得ます。
収入が高くなるとそれに見合う生活水準まで簡単に上げられるのに対して、収入が減ったときには生活水準を下げられないケースが多いためです。
収入が減った後も、高収入があった時期と同じ消費行動を続けていたら破産する可能性が高くなります。
関連記事
老後破産する人の特徴とは?9つの原因と8つの対策で回避する方法を解説!
定年後を見据えたライフプランを立てておくかどうかで、将来の生活が大きく違うかもしれません。
【3STEP】貯金なしで老後を迎えないための対策
老後資金を準備するためには、漠然とした不安を抱えるだけではなく、具体的な行動に取り組む必要があります。
今日からすぐに始められる対策を3ステップで解説します。
STEP1:老後に必要な生活費をシミュレーションする
まずは、老後にどの程度の生活費が必要になるのかをシミュレーションしましょう。
どのような生活を送りたいのかを具体的にイメージすることが大切です。
最低限の生活費だけを見積もるのか、旅行や趣味を楽しむ「ゆとりある生活」を想定するのかによって、必要な資金は大きく変わってきます。
生命保険文化センターの調査によれば、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は23.2万円です。
一方、ゆとりある老後生活を送るために必要な費用は37.9万円という結果が出ています。
STEP2:必要額に応じて貯蓄計画を立てる
生活費のシミュレーションができたら、次は具体的な貯蓄計画を立てましょう。
年金やアルバイトなど、収入の合計と支出の差を計算して「目標金額」を求めます。
さらに「準備に使える期間(年数)」から逆算して月々いくら積み立てるべきかを決めましょう。
たとえば、年金などの収入が20万円で、老後に必要な生活費が25万円の場合、毎月5万円不足する計算になります。
老後の期間を25年と考えた場合、5万円×12ヶ月×25年=1,500万円不足するとわかります。
これを30歳〜60歳の30年間で貯める場合、単純計算で毎年50万円(1ヶ月あたり約4万円)の貯蓄が必要です。
夫婦2人の老後生活では、ゆとりある暮らしを目指すと30年で5000万円もの資金が必要となることもあります。
関連記事:老後資金は夫婦2人で5000万円あれば安心?リアルなシミュレーションや具体的な貯め方を解説!
STEP3:運用方法を考える
最後に、目標金額や期間に応じた運用方法を考えましょう。
例えば20年以上の運用期間を確保できるのであれば、多少リスクをとりながら投資信託や株式などで運用するのも一つの方法です。
反対に、定年まであと数年という状況であれば、大きく資産を減らすことがないよう、なるべく手堅い手段で貯蓄を進めた方が良いでしょう。
プロに相談してみるのが近道ですよ。
貯金がないまま老後を迎えた場合は何をすればいい?
定年間近まで貯金をしてこなかった人は、老後を迎えたとき、どうすればよいのでしょうか。
貯金がない人が取り得る老後の選択肢としては、以下のようなものが考えられます。
ただし、誰でもすべての選択肢を選べるわけではありません。
条件などがあることも理解したうえで確認していきましょう。
・持ち家を活用する
・できるだけ長く働く
年金の繰上げ・繰下げ受給を検討する
通常の受取開始年齢は65歳ですが、繰上げ受給を申請すると60歳から受給できます。
ただし、繰上げ受給すると、受取金額が1か月あたり0.4%減額され、その金額は一生涯変わりません。
60歳ちょうどから繰上げ開始をすると、最大の24%という減額率が適用されます。
また、一度繰上げ受給の申請をすると、後で65歳からに戻したいと思っても戻せません。
障害年金なども受けられなくなるので、繰上げ受給は慎重に検討する必要があります。
年金受給開始まで働いて生活に十分な収入を得られるのであれば、逆に繰下げ受給するということも可能です。
繰下げ受給すると、受給金額が1か月あたり0.7%増額されます。
最長の75歳まで繰下げすると、84%の増額になりますが、受給開始までは稼いだお金で生活を続けなければなりません。
果たして、75歳まで健康な状態で、生活するのに十分なお金を稼ぎ続けることができるでしょうか。
貯金がない状態で繰上げ受給を選ぶのはかなり厳しいといえます。
※参考:日本年金機構「年金の繰上げ・繰下げ受給」
持ち家を活用する
持ち家の場合は、売却、リースバック、リバースモーゲージという3つの活用方法があります。
誰でも真っ先に思い浮かべるのは売却かもしれませんが、売却すると住居がなくなります。
新たに住む場所を探さなければなりませんが、十分な収入がない高齢者が新居を借りるのは簡単ではありません。
リースバックは、自宅を第三者に売却して老後資金を得たうえで、賃貸契約をして住む方法です。
住み慣れた家に住み続けることができ、引っ越し費用もかからないので、比較的選びやすい方法といえます。
リバースモーゲージは、自宅を担保にして生活資金を借入れたうえで、そのまま自宅に住み続ける方法です。
借入人の死亡時に、担保の不動産を処分し、借入金を返済する形になります。
借入人が死亡した後、そこに住みたい人がいない場合は有効ですが、残された家族が住む可能性があるのであればおすすめはできません。
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リバースモーゲージはやばいのか?利用すると悲惨と言われる理由を解説!
できるだけ長く働く
年金だけで生活するのが難しいことはこれまでにも述べた通りです。
生活費を得るためには老後も働く必要があります。
近年は、定年で退職せずそのまま継続雇用で働く人や、積極的に高齢者の採用をする企業も増えているので、できるだけ長く続けられる仕事、長く働き続けられる職場を見つけることが大切です。
ただし、いくら働きたいと本人が強く思ったとしても、健康状態が悪くなれば働けなくなってしまいます。
厚生労働省が公表している「第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」によると、令和元年時点の健康寿命は男性が72.68年、女性が75.38年です。
同時点での平均寿命との差が男性は8.73年、女性は12.07年なので、働ける間に働けなくなってからの生活費も稼いでおく必要があります。
ただ、老後も自由で安心できる暮らしのためには早めの貯蓄計画と実践が必要ですね!
生活費のない高齢者が頼れる制度
貯金がないまま老後を迎えた場合、年金を受け取るまでに生活が苦しくなる可能性は高いでしょう。
年金を受け取れるようになってからも苦しい生活が続くかもしれません。
ここからは、そんな高齢者が頼れる制度を紹介します。
このような制度は自分で申請しないと受け取れません。
必要になったときにきちんと申請できるように、覚えておきましょう。
・年金生活者支援給付金制度
・生活福祉資金貸付制度
・生活保護制度
年金生活者支援給付金制度
年金生活者支援給付金制度は、公的年金収入や所得が一定基準以下の年金受給者の年金額を上乗せする支援制度です。
老齢・障害・遺族基礎年金を受給している人が対象で、老齢年金生活者支援給付金、障害年金生活者支援給付金、遺族年金生活者給付金の3つに分かれています。
それぞれ給付条件が定められており、受け取るためには、すべての条件満たさなければなりません。
この中で、貯金がない状態で老後を迎える人が当てはまる可能性が高いのは、老齢年金生活者支援給付金でしょう。
老齢年金生活者支援給付金の支給条件は、65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること、同一世帯の全員が市町村民税非課税であること、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が基準額以下であることの3つです。
この支給条件を満たしている限りは、年金額が永続的に上乗せされます。
※参考:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度は、都道府県の社会福祉協議会が、生活に困っている低所得者や高齢者、障害者などを対象に資金の貸付けと相談・支援を行う制度です。
この制度は対象が個人ではなく、世帯単位になっている点に注意が必要です。
他から資金を借りることが難しい低所得者世帯、障害者手帳などの交付を受けた障害者がいる世帯、65歳以上の高齢者がいる世帯などが対象で、生活福祉資金には次のような4つの種類があります。
・福祉資金
・教育支援資金
・不動産担保型生活資金
※参考:政府広報オンライン「生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。」
総合支援資金
総合支援資金は、さらに生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費の3つに分かれます。
生活支援費は、生活再建までの期間に必要な生活費用です。
住宅入居費は、敷金や礼金など、住宅を借りるときに必要な費用を指します。
一時生活再建費は日常生活費では賄うのが難しい、生活再建のために一時的に必要となる費用です。
例えば再雇用先を見つけるための就職活動費は、一時生活再建費に該当します。
福祉資金
福祉資金は、福祉費と緊急小口資金の2種類です。
福祉費には、生業を営むために必要な経費や病気療養費、住宅の増改築費、補修費用、福祉用具の購入費用、介護サービスを受けるための費用など、幅広い費用が該当します。
一方、緊急小口資金は、生計の維持が緊急かつ一時的に困難となった場合を対象とする少額の貸し付けです。
教育支援資金
教育支援資金には、教育支援費と就学支度費の2種類があります。
教育支援費は、低所得者世帯の子どもが高校、高専、大学などに修学するための経費、就学支度費は、低所得者世帯の子供が高校、高専、大学などへ入学する際の経費です。
例えば大学への進学なら、入学金には支度費が、大学に通うためには支援費が宛てられます。
不動産担保型生活資金
不動産担保型生活支援金には、通常の不動産担保型生活支援金のほかに、要保護世帯向け不動産担保型生活資金があります。
不動産担保型生活資金は、低所得の高齢者世帯を対象とする、一定の居住用不動産を担保とした生活資金の貸し付けです。
要保護世帯向け不動産担保型生活資金も一定の居住用不動産を担保とした生活資金の貸し付けですが、要保護の高齢者世帯を対象としています。
老後に貯金がなく生活が立ち行かない状態になっている場合は、要保護世帯向け不動産担保型生活資金の対象になる可能性が高いでしょう。
生活保護制度
生活保護は、世帯の収入や資産をすべて合わせても、国が定める最低生活費に満たない場合に、国や地方自治体が生活資金と、その他必要な生活支援を行う制度です。
預貯金や生活に利用していない土地、家屋などがある場合は、それらを売却して生活資金に充てることが優先されます。
また、働ける人に関しては、自分の能力に応じた働き方で、自身の生活資金を稼がなければなりません。
年金や手当など他に給付を受けられるものがあれば、それらをすべて受けたうえで、不足している分の支援になります。
親族等から支援を受けられる人は、その支援を受けることが優先です。
支給される金額は、最低限の生活費との差額分になります。
生活を送るうえで必要な経費が、生活扶助、住宅扶助、医療扶助のように目的別に分けて支給されるのも生活保護の特徴です。
生活が苦しいからといって簡単に受給できるものではありません。
※参考:厚生労働省「生活保護制度」
老後のために少しでも貯めておこう
保険がないまま老後を迎えると大変だということが理解できたのではないでしょうか。
生活が難しくなったときに取り得る手段はあると言っても、条件を満たす必要があるものばかりで、実際には支援を受けられない可能性もあります。
気づいた時点で貯金を始め、少しでも貯められるようにするのが賢明な選択でしょう。
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