医療保険
  • 公開日:2024.12.20
  • 更新日:2026.4.6

医療保険の入院給付金は日額3000円で大丈夫?十分な金額はいくら?

医療保険の入院給付金は日額3000円で大丈夫?十分な金額はいくら?

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医療保険の入院給付金は日額3000円で十分という意見と足りないという意見があります。本当はどちらなのでしょうか。入院にかかる費用や入院給付金の仕組みなどを理解して、自分に合う金額を設定できるようになりましょう。

この記事の要約はこちら

・入院給付金が日額3,000円では、入院時にかかる医療費の自己負担をカバーしきれない。
・医療保険だけで入院にかかる費用を全額賄う必要はない。
・高額の医療費がかかったときは、高額療養費制度を利用することで、自己負担限度額を超えた分が払い戻される。ただし、2026年8月以降は限度額が引き上げられるため自己負担は増える見通し
・日額を高くした場合と低くした場合それぞれにメリットとデメリットがある。
・適切な日額に設定するためには家計や保障とのバランスが重要。

医療保険の入院給付金は、どのくらいの金額に設定すればよいのか迷う方は多いでしょう。

「最低限の日額3,000円で十分」という声がある一方で、「1万円はないと不安」といった意見もあり、判断に悩みがちです。

実際には、入院時の自己負担額や収入減少の影響を踏まえて考えることが重要です。

本記事では、入院にかかる費用や逸失収入の目安をもとに、医療保険は日額3,000円でも十分なのかをわかりやすく解説します。

医療保険の入院給付金はどんな仕組み?

入院にどのような費用が掛かるのかがわかったところで、今度は医療保険の入院給付金について見ていきます。

どのような条件のときに支払われるのか、逆にどのような条件のときには支払われないのかなど仕組みについて知っておきましょう。

入院給付金の支給条件

入院給付金は、契約の際に決めた所定日数以上の入院をしたときに支払われます。

入院給付金の金額と支払われる条件によって保険料が決められています。

初日から支払われるタイプ、日帰り入院でも支払われるタイプ、継続して5日以上の入院をしたときに支払われるタイプなど条件はさまざまです。

入院給付金の金額は、1日当たり数千円~数万円の範囲で契約時に設定します。

入院給付金が支給されないケースは?

次のようなケースに該当する場合、入院給付金が支給されません。

  • 責任開始日より前に入院した場合
    (保険の効力が発生する日が責任開始日です。申し込み後にタイムラグがあります。)
  • 加入時の健康告知に虚偽記載があったことが発覚した場合
  • 保険料がきちんと支払われておらず、契約が失効していた場合
  • 給付金受け取りを目的とした詐欺行為があった場合
  • 契約者や被保険者、給付金の受取人のいずれかが反社会的勢力の一員、または関係者であると判明した場合

支払われる日数や回数には上限が設けられている

契約者の職業や居住地域などから入院給付金として設定できる金額には上限が設けられており、それ以上の金額は設定できません。

また、1回の入院で入院給付金が支払われる日数にも限度があり、支払い限度日数といいます。

支払い限度日数は、保険商品によって、60日、120日、180日など異なるので注意が必要です。

退院後に同じ原因で再入院した場合は、前後の入院を合わせて1入院として扱われる場合があります。

複数回入院した場合、入院給付金が支払われた日数が通算で所定の日数に達したら、それ以降入院給付金は支払われません。

日額タイプと一時金タイプの違い

日額タイプは、入院日数に応じて給付金が支払われるタイプです。

1日当たりの金額が決まっており、所定の日数以上入院した場合に何日分という形で支払われます。

1回の入院では何日まで、通算では何日までといった条件もあります。

それに対して、一時金タイプは、入院日数に関係なく一定金額の入院一時金が支払われるタイプです。

しかし、入院すれば無条件で受け取れるというわけではありません。

何日に1回、通算何回までといった条件が設けられています。

厚生労働省の「令和5年 患者調査」によると、退院患者の平均在院日数は28.4日です。

入院日数が短くなると、日額タイプでは受け取れる給付金の総額が少なくなるため、「入院したら一律○万円」といった一時金タイプの方が使い勝手がよいケースもあります

短期入院でも差額ベッド代や身の回り品の購入費など、まとまった出費は避けられません。

日額タイプと一時金タイプの両方を組み合わせられる商品もあるため、自分の入院リスクに合った給付タイプを選ぶことが重要です。

 

医療保険の入院給付金日額は3,000円で足りる?

入院するとさまざまな費用がかかります。

公的医療保険や高額療養費はありますが、やはり、医療保険の入院給付金に頼る必要がありそうです。

医療保険の入院給付金はいくらに設定すればよいのでしょうか。

高額療養費制度で医療費はある程度カバーできる

高額療養費制度を活用すれば、医療費の負担を一定額に抑えることが可能です。

高額療養費制度とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が、一定の金額(自己負担限度額)を超えたとき、その金額を超えた分が、後日払い戻される制度です。

例えば100万円の医療費がかかったとしても、高額療養費制度が適用されれば9万円程度の自己負担で済みます。

ただし、月をまたいで入院した場合などは、それぞれの月で自己負担額の計算を行います。

そして、それぞれの月の分の申請が必要です。

あらかじめ高額になることがわかっている場合は、限度額認定証を取り寄せておき、健康保険証や高齢受給者証と一緒に提示すれば、医療機関の窓口での支払いは、自己負担限度額までに抑えられます。

マイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証利用)を利用すれば、医療機関の窓口で限度額情報が確認できるため、限度額適用認定証を事前に取り寄せる手続きが原則不要になります。

窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられるので、立て替え払いの負担を軽減できるでしょう。

なお、2026年8月から、高額療養費制度の自己負担限度額が引き上げられることが決まっています。

たとえば、70歳未満で年収約370万〜770万円の会社員の場合、現行の自己負担限度額は「8万100円+(医療費−26万7,000円)×1%」ですが、2026年8月以降はこの基準額が約7%引き上げられます。

さらに2027年8月以降は所得区分が細分化されるため、同じ年収帯でも収入が高い側に寄るほど限度額がより大きく上がります。

入院給付金は3,000円では足りない可能性が高い

入院にかかる費用のうち、自己負担の費用を全額入院給付金で賄うのであれば、日額3000円では足りない可能性があります。

生命保険文化センターが行った「2025(令和7)年度生活保障に関する調査」によると、自己負担費用は1日あたり平均で2万4,300円です。

入院のときにかかる費用には以下のようなものがあります。

主な入院のときにかかる費用
治療費 検査や投薬、注射、点滴、手術、術後のリハビリなど、
病気やケガの治療にかかる費用
入院基本料 入院の際にかかる1日当たりの基本料金
診察、看護のほか、室料や寝具等、医療環境の提供にかかる費用も含まれる
食事代 入院中に病院で出される食事の代金
差額ベッド代 4人以下の少人数の病室(特別療養環境室)を利用した場合には追加料金がかかる
特別個室、一般個室、2人~4人部屋など区分によって費用が異なる
先進医療費 先進医療による治療を受けたときに支払う料金
交通費 付き添いやお見舞いをする家族が移動する際にかかる費用
消耗品費 有料テレビの視聴カードや雑誌、入浴グッズ、着替え、スキンケア用品、飲み物など
入院生活に必要なこまごまとしたものを購入するための費用

上記のうち健康保険で賄えるのは、基本的な治療にかかる治療費と入院時基本料だけです。

しかも全額を保険で賄えるわけではなく、1割~3割の自己負担があります。

入院中の食事代は、厚生労働省が定める食事療養基準額のうち、一定額(標準負担額)を患者が自己負担し、残りは健康保険から入院時食事療養費として給付されます。

ただし、食事代は高額療養費制度の対象外であり、入院が長引くと自己負担が積み上がる点には注意が必要です。

厚生労働省により、一般の人の負担額は1食510円(2026年3月30日現在)と決められています。

差額ベッド代や先進医療費も全額自己負担です。

家族の移動にかかる交通費や消耗品費は、プライベートな費用なので当然保険は適用されず、全額自己負担です。

また、逸失収入も考える必要があります。

逸失収入とは、本来入院せずに働いていれば得られるはずだった収入のことです。

過去5年間の入院で自己負担を支払った、あるいは逸失収入があった人の、直近の入院における自己負担費用と逸失収入の総額は平均で 26.8 万円でした。

逸失収入も全額カバーすることを考えるなら、かなり高額な設定をしなければなりません。

参考:厚生労働省「「健康保険及び国民健康保険の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額及び後期高齢者医療の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の一部を改正する告示」の公布について(通知)」

入院給付金の目安をシミュレーションしてみよう

入院給付金の適正額を考えるために、具体的なシミュレーションをしてみましょう。

70歳未満・年収約370万〜770万円の会社員が、1か月(30日間)入院した場合を想定します。

医療費の自己負担(高額療養費適用後)は約8万7,000円です。

これに加えて、食事代が1日1,530円(1食510円×3食)×30日=約4万5,900円、差額ベッド代を仮に1日3,000円とすると30日で9万円が必要です。

合計すると、月の自己負担は約22万円程度となります。

これを30日で割ると1日あたり約7,300円です。

つまり、公的保障を最大限活用した場合でも、入院給付金日額は少なくとも5,000円〜1万円程度あったほうが安心と言えます。

差額ベッド代を使わない場合でも、日額5,000円を下回ると不足する可能性が高いでしょう。

※2026年8月の高額療養費改正後は、自己負担限度額が約7%引き上げられるため、必要な日額はさらに増える見通しです。

貯蓄も活用できるなら3,000円で足りる可能性がある

入院にかかる費用を、医療保険だけでなく貯蓄も使ってカバーするのであれば、入院給付日額は3,000 円でも足りる可能性はあります。

しかし、実際にいつ入院するか、何回入院するかは誰にも予測はできません。

「〜円あれば確実に足りる」と言い切れない部分もあるため、よほど貯蓄にゆとりがある場合を除けば、入院給付金日額5,000円〜10,000円の医療保険に加入しておいた方が安心できるでしょう。

 

日額を3000円よりも高く設定した方がよい人とは?

入院給付金の日額を3000円より高くした方がよいかどうかは人によって違います。

特に、日額3000円では足りないことが明らかな人は、金額設定を見直した方がよいでしょう。

3000円よりも高く設定した方がよいのは以下のような人です。

3000円よりも高く設定した方が良い人

・いざという時に使える貯蓄がほとんどない人
・入院費用を全額医療保険で賄いたい人
・入院すると収入がなくなってしまう人

 

いざというときに使える貯蓄がほとんどない人

貯蓄があまりない人は、急な入院に余裕をもって対応できません。

貯蓄に頼れないなら、入院給付金を高めに設定しておきましょう。

そうすることで、入院時の経済的な負担を大幅に減らすことができます。

ある程度貯蓄はあるものの、医療費の支払いに貯蓄を使いたくない人も同様です。

特に収入が少ない人は、入院給付金を重視したほうがよいでしょう。

貯蓄に回す余裕がない人は、万が一のときに家計から支払わなければならないからです。

たとえ入院期間が短くても、家計に与える影響が大きくなります。

この場合は、1か月あたりの保険料が上がっても、入院給付金の日額を上げておいた方が安心です。

ただし、家計を圧迫しない程度の保険料に抑えることも必要になります。

バランスを考えて金額を選ぶことが大事です。

入院費用を全額医療保険で賄いたい人

入院にかかる費用を全額医療保険で賄いたいというのであれば、必然的に入院給付金の日額を高く設定しなければならなくなります。

入院1日あたりの費用を平均額で見積もっても、日額3,000円ではまったく足りません。

入院費用以外の費用も全額保険でと考えると、日額を最高額で設定しても、1つの医療保険だけでカバーするのは無理です。

多くの医療保険が、入院日額の最高額を1万円か1万5000円としていますから、初めから日額を高めに設定できる医療保険を選ばなければなりません

入院すると収入がなくなってしまう人

病気やケガで入院した場合、退院してもしばらくの間は収入を得られない可能性があります。

職業や雇用形態によっては、一度入院しただけで仕事を失う可能性のある人もいるでしょう。

そのような人は、無収入になるリスクを想定したうえで、入院給付金の日額を高く設定する必要があります。

働き方によっては、1週間仕事を休むだけで逸失収入が数万円になるかもしれません。

正規雇用であれば、健康保険から傷病手当金の給付を受けられますが、非正規雇用や自営業の場合は、傷病手当金の給付がないことも想定して金額を決める必要があります。

貯蓄が少ない人や入院費用を保険でしっかりカバーしたい人、入院で収入が減る人は日額を高めに設定した方が安心だね!
マネモちゃん
マネモちゃん
マネモ先生
マネモ先生
必要な保障額は人によって変わるので、迷う場合は保険相談で最適な金額を整理してみましょう。
 

入院給付金を決める際に押さえるべきポイント

入院給付金が日額3000円で足りないのであれば、いくらに設定すればよいか計算する必要があります。

金額を決める際に、押さえるべきポイントは次に挙げる4つです。

入院給付金を決める際に押さえるべきポイント
・家計と保険料のバランスを考える
・公的医療制度でいくら保障されるか確認する
・支払限度日数を適切な金額にする
・複数の医療保険に加入する手もある

 

家計と保険料のバランスを考える

万が一の入院に備えるためとはいっても、保険料が高すぎて家計を圧迫するようでは本末転倒です。

無理なく払い続けられる金額に設定することが重要になります。

医療保険は、入院給付金の金額を変えるだけでもかなり保険料が変わるので、必要な保障を選んだうえで、入院給付金の日額を変えてシミュレーションしてみるとよいでしょう。

どれくらい保険料が変わるかがよくわかります。

公的医療保険制度でいくら保障されるか確認する

入院にかかる費用を全額医療保険で賄う必要はありません。

日本人は原則的に全員が公的医療保険に加入しているからです。

どの費用が公的医療保険でカバーでき、自己負担がいくらくらいになるのかがわかっていれば、入院給付金の日額がいくらあれば十分かも計算しやすくなります。

支払限度日数を適切な金額にする

支払限度日数は、入院給付金が最大何日間支払われるかということを意味します。

支払限度日数は保険会社によって異なりますが、支払限度日数を30日〜180日としている保険会社がほとんどです。

入院給付金が支払われるのは最大でも6か月までということになります。

ただし、1回の入院が6か月以下でも、入院給付金が支給されないケースがあります。

この点には注意が必要です。

また、退院日の翌日から一定期間(180日が多いですが、商品により異なります)以内に同じ病気やケガで再入院した場合は、前後の入院を通算して1回の入院とカウントされます。

たとえば、2か月入院して退院したものの、1か月後にはまた同じ病気で3か月入院したという場合は、合計で6か月入院していたという計算です。

この6か月のうち、支払限度日数を超えた分は入院給付金の支給はされません。

支払限度日数が60日に設定されていた場合は、180日-60日=120日なので、4か月分の入院給付金が支給されないことになります。

複数の医療保険に加入する手もある

入院給付金の金額は途中で増額できないケースが多くなっています

保障が足りないと感じたら、新たに医療保険に別途加入する必要があります。

ただし、複数の医療保険に加入する場合は、それだけかかる保険料も余分にかかることになるので、十分な検討が必要です。

結局、保険料を払い続けられなくなって解約ということのないようにしなければなりません。

複数の医療保険に加入しても、入院給付金が支払われる条件がそれぞれ違っていたら、受け取れる金額が増えないかもしれません。

また、入院中の逸失収入を補うために複数の保険を考えるのであれば、医療保険ではなく、就業不能保険(働けなくなった場合に毎月一定額が支払われる保険)に入るという手も考えられます。

複数の保険で必要な金額を賄う場合は、給付金が支払われる条件や、トータルの保険料などを確認して組み合わせることが大事です。

就業不能保険についてこちらの記事で解説をしています。
就業不能保険はいらないといわれる5つの理由|必要な人・不要な人の特徴は?

家計とのバランスや公的保障でどれくらいカバーされるかを確認したうえで、必要な金額を決めるのがポイントです。
マネモちゃん
マネモちゃん
マネモ先生
マネモ先生
支払限度日数や複数加入の検討も重要になるため、自分に合った設計に迷う場合は保険相談で整理してみるのがおすすめです。
 

日額3000円は十分ではないが無理は禁物

公的医療保険制度はあるものの、入院時にかかる費用に実態を踏まえると、入院給付金日額3,000円では十分とは言えないでしょう。

しかし、入院給付の金額を上げることによって保険料負担が大きくなり、払い続けられなくなるというのでは意味がありません。

無理のない範囲で払い続けられる金額設定をしましょう。

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