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・リートは自然災害や金利の上昇、投資法人の倒産・上場廃止などさまざまな要因で価格が変動するリスクがあるため「おすすめしない」といわれることもある
・リスクに比例して、狙えるリターンも大きい点や少額から不動産投資に取り組める点が魅力
・初心者は複数のリートに分散投資する「リートファンド」に投資することでリスクを抑えながら、リターンを追求できる可能性がある
リート(REIT)は、株式や投資信託などと同様に証券会社を通じて取引が可能な金融商品です。
少額から手軽に不動産投資ができるため、多くの投資家から注目を集めていますが、リートならではのリスクやデメリットが存在するため「おすすめしない」「やめておけ」と言われることもあります。
リートへの投資を検討しているものの、ネガティブな意見を目にして躊躇している人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、リートのデメリットを中心に、メリットや向いている人の特徴などを詳しく解説します。
この記事の目次
リート(不動産投資信託)とは?
リートとは、複数の投資家から集めた資金でマンションやオフィスビルなど複数の不動産を購入し、その売買益や賃貸収入を投資家に還元する商品です。
「不動産投資信託」として、法律上は投資信託に分類されます。
日本では「Jリート」と呼ばれています。
リートは証券取引所に上場しているため、株式と同様にリアルタイムで売買が可能です。
なおリートには以下の3種類があります。
・単一用途型
・複合型
・総合型
単一用途型は、特定の用途の不動産に投資対象を限定したリートです。
「オフィスビル特化型」や「物流施設特化型」などがあります。
それぞれの特徴やJリート市場全体での保有不動産の保有額割合は以下の通りです。
| 不動産の用途 | 保有割合 | 投資対象 | 特徴 |
| オフィス | 36.9% | 大型オフィスビルなど | 景気や立地の影響を受けやすいが、高い利回りに期待できる |
| 物流施設 | 20.6% | 都市・郊外のショッピングモール | テナントの入れ替えが少なく契約も長期に渡ることが多いため ミドルリスク・ミドルリターンの傾向 |
| 住宅 | 15.3% | 賃貸住宅 | 景気に左右されにくいが、利回りは低め |
| 商業施設 | 14.8% | 倉庫など | 景気や個人消費の影響を受けやすい |
| ホテル | 9.5% | 観光ホテルやビジネスホテル | 景気や季節変動、インバウンドなどの 影響を大きく受ける傾向にある |
| ヘルスケア | 1.5% | 有料老人ホームなど | 景気に左右されにくく、収益も高い |
(2025年2月末時点)
出典:一般社団法人 不動産証券化協会「J-REIT保有不動産の用途別比率」
2種類以上の用途の不動産を組み合わせたリートは「複合型」、3種類以上を組み合わせたリートを「総合型」と呼びます。
リート(不動産投資信託)が「おすすめしない」といわれる9つの理由
以下のように、リートは複数のリスクやデメリットが存在するため、一部の投資家から「おすすめしない」と評価されることがあります。
・元本割れのリスクがある
・分配金が少なくなる可能性がある
・レバレッジを活用できない
・上場廃止や倒産のリスクがある
・金利が上がると運用が悪化する恐れがある
・地震や火災など災害の影響を受けやすい
・法律や規制の変更に伴い価格が変動するリスクがある
・複利運用しにくい
・節税効果はほとんどない
元本割れのリスクがある
リートは元本割れのリスクがあるため、注意しましょう。
リートは一般的な株式と同様に証券取引所で売買されます。
そのため、不動産の運用自体が好調であっても、需給バランスによっては価格が大きく変動するケースも少なくありません。
特に、リーマンショックのような金融危機が起きた場合、リートの価値も大きく下がることが考えられます。
元本割れで損失が出ても耐えられるよう、資金に余裕を持った投資をすることや、一つの銘柄だけではなく、複数の銘柄に分散投資をしてリスクを軽減することが大切です。
分配金が少なくなる可能性がある
リートの魅力の一つである分配金も、常に安定しているわけではありません。
物件の稼働率が低下したり、新規物件の取得や既存物件の維持管理に多額の費用がかかったりすることで、分配金が減少する可能性があります。
利回りの高さばかりに目を向けるのではなく、投資対象や不動産投資法人の業績・動向もチェックしておくことが大切です。
レバレッジを活用できない
一般的な不動産投資と異なり、リートではレバレッジを活用することができません。
レバレッジとは、借入を利用して自己資金以上の投資を行う手法で、成功すれば大きなリターンを得ることができます。
しかし、リートではこのレバレッジを個人が直接使うことはできません。
リートの運用会社である投資法人が借金をすることはありますが、その方法や金額は投資法人が決めます。
つまり、投資家個人が借金の額やタイミングをコントロールすることができないのです。
また、投資法人が借金をしても、常にそれがうまくいくわけではありません。
もし不動産市場が悪化し、不動産の価値が下がると、借金が重荷となり、リートの利益が減ることがあります。
これにより、投資家が受け取る分配金も少なくなってしまうかもしれません。
リートはあくまでも自己資金の範囲内でしか購入できませんが、必要以上のリスクを負う必要がないという点については、メリットと考えることもできるでしょう。
上場廃止や倒産のリスクがある
リートの運営主体である投資法人も、他の企業同様に倒産のリスクを抱えています。
また、業績が悪化して、証券取引所の上場基準を満たせなくなった場合は、上場廃止になる場合もあります。
こうしたリスクが現実化すると、投資家は大きな損失を被ることになるでしょう。
リートは利益の大部分を投資家に還元するという仕組みになっていることから、資金繰りが逼迫しやすい傾向にあります。
リートを購入した後は、投資法人の業績についても定期的に確認することが大切です。
一般的に以下のようなリートはリスクが高い状態といえるため、取引については慎重に検討しましょう。
・LTVが60%を超えている
・時価総額が小さい
・NAV倍率が1以上になっている
・第三者機関による格付けが低い
NAV倍率とは、投資口価格(現在値)を投資証券一口あたりの純資産額で割ったもので、1を超えると資産の時価に対して割高になっている状態といえます。
地震や火災など災害の影響を受けやすい
地震や火災などの災害の影響を受けやすい点もリートのリスクの一つです。
不動産は物理的な資産であるため、自然災害による損害を完全に避けることはできません。
特に日本は地震が多い国ですので、このリスクは無視できないでしょう。
例えば、大規模な地震が発生すると、所有するビルや商業施設が損壊し、修復に多額の費用がかかることがあります。
これらの費用はリートの運用コストを押し上げ、分配金が減少する原因となることも少なくありません。
災害による直接的な損害だけでなく、災害後の経済状況の悪化もリートに悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、地震によって地域全体の経済活動が停滞し、テナントが減少すると賃料収入が減少することもあるでしょう。
このようなリスクを軽減するためには、地域分散が有効です。
例えば、東京、大阪、福岡など異なる地域に物件を所有することで、特定の地域で災害が発生した場合でも、他の地域の物件からの収益を確保しやすくなるでしょう。
金利が上がると運用が悪化する恐れがある
リートの運用には多くの場合、金融機関からの借入金が利用されています。
そのため、金利が上昇すると借入コストが増加し、運用成績が悪化するリスクがあります。
さらに、金利の上昇は不動産市場全体にも影響を与えることが少なくありません。
金利が上がると、不動産を購入するための借入コストも上がるため、不動産の需要が減少する傾向があります。
これにより、リートが保有する不動産の価値が下がり、分配金の減少につながることもあるでしょう。
法律や規制の変更に伴い価格が変動するリスクがある
不動産市場は法律や規制の影響を強く受けます。
例えば、税制の変更や建築規制の改正などが行われた場合、リートの価格に影響を与えることがあります。
これにより、投資家が予想していた収益が得られなくなる可能性も少なくありません。
複利効果が得にくい
リート投資のデメリットの一つは、複利効果が得にくい点です。
複利効果とは、得られた利益を再投資して、さらに大きな利益を得る効果のことを指します。
一般的な投資信託では分配金を受け取らずに再投資できるケースも多いため、複利運用をしやすくなっています。
しかし、リートでは基本的に分配金が都度払い出されるため、手動で再投資を行わなければなりません。
再投資するたびに取引手数料がかかり、その分コストが増えるため、利益が目減りすることがあります。
節税効果が低くなる
リートは実物不動産に投資するよりも、節税効果が低くなりやすいのが特徴です。
リートの売却益や分配金には、基本的に20.315%の税金がかかります。
NISA口座で取引すればこれらの税金はかからなくなるものの、経費に参入できる費用などはほとんどないため、節税できる金額は限定的です。
一方、実物不動産に投資した場合は、損失を給与所得と相殺することが可能です。
さらに減価償却費や借入金の金利や修繕費、広告宣伝費などを必要経費に参入できるため、所得を減らすことが可能です。
所得が高く、税率も高い人はリートよりも実物不動産に投資したほうが、より大きな節税効果を得られる可能性があります。
リート(不動産投資信託)6つのメリット
リートにはもちろんデメリットだけではなく、以下のように多くのメリットがあります。
リートは、さまざまな投資ニーズに対応できる商品といえるでしょう。
・高い利回りを狙える
・運用に手間がかからない
・NISAを活用できる
・換金しやすい
・少額から投資をスタートできる
・分散投資しやすい
高い利回りを狙える
リートの分配金は主に、賃料収入が原資となっています。
複数の不動産に投資することで空室リスクを分散しているため、安定的な収益に期待できるのが特徴です。
また、リートにおいては、利益の90%超を分配すれば法人税が課税されない仕組みになっています。
そのため、株式や債券に比べて高い分配金に期待できるのが特徴です。
一般的に、リートの平均分配金利回りは4〜5%程度であるのに対して、株式の平均配当利回りは1〜2%程度となっています。
なお、リートの分配金は、多くの場合年2回受け取ることが可能です。
運用に手間がかからない
リートは専門の運用会社が管理・運用を行うため、個々の投資家は運用に手間をかける必要がありません。
物件の選定をはじめとして、物件の管理やテナント対応、修繕・リフォームなど、煩雑な業務をすべてプロに任せることができるため、投資家は手間をかけずに安定した収益を期待できます。
また、運用会社の専門知識や経験を活用することで、効率的な運用が行われる点もメリットです。
投資家は運用実績を定期的にチェックするだけで済むため、現物の不動産投資のように大きな手間をかけずに利益を得られる可能性があります。
NISAを活用できる
NISAを活用してリートに投資することもできます。
NISAとは、投資で得た売買益や分配金などに対して、税金がかからなくなる制度です。
2024年から新制度がスタートしたことで、非課税で投資できる金額や非課税保有期間が拡大し、さらに利便性が向上しました。
利益が非課税になることで手元に残る資金が多くなり、結果として効率よく資産運用できる可能性があります。
NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2種類の非課税枠がありますが、リートを購入できるのは成長投資枠です(リートを含む投資信託であればつみたて投資枠でも購入可能)。
成長投資枠での年間投資限度額は240万円で、一生涯非課税で運用できます。
通算では1,200万円まで保有可能です。
関連記事
新NISAはデメリットしかないって本当?新NISAの基本的な仕組みやメリットなどを詳しく解説!
換金しやすい
リートは証券取引所に上場しているため、株式と同様に市場でタイムリーに売買が可能です。
これにより、投資家は必要なときに簡単に換金することができます。
不動産そのものを売却する場合、買い手を見つけるのに時間がかかることが多いですが、リートであればその心配はありません。
少額から投資をスタートできる
リートは少額から投資を始めることができるため、投資初心者にとっても敷居が低く感じられるでしょう。
リートの売買単位は1口なので、リートの価格=リートの最低投資金額です。
現物不動産を購入する場合、現物不動産の購入には最低でも数百万円から数千万円の資金が必要になりますが、リートであれば数万円程度から投資をはじめられます。
分散投資しやすい
リートのもう一つの大きなメリットは、分散投資がしやすい点です。
現物の不動産投資では、多額の資金を一つの物件に投資するため、リスクが集中する傾向にあります。
一つの物件に投資して空室が生じた場合は、ほとんど収益を得られない可能性もゼロではありません。
しかし、リートを利用すれば、少額の資金で複数の不動産に分散投資することが可能です。
たとえば「総合型」と呼ばれるリートであれば、オフィスビル、商業施設、住宅、ホテルなど、収益性や安全性の異なる、さまざまな種類の不動産に投資することになり、一つの物件の価値が下がったり、賃料収入が得られなかったりしても、他の物件の収益でカバーできる可能性があります。
また、リートは株式や債券など、他の金融商品とは違った値動きをすることが多いため、ポートフォリオに組み込むことで投資リスクを分散させられるというメリットもあります。
リート(不動産投資信託)をおすすめしない人
以下の特徴があてはまる人は、リート以外の投資方法を検討した方がよいかもしれません。
・リスク許容度が低い人
・短期間で大きなリターンを得たい人
・不動産の選定や管理を楽しみたい人
リスク許容度とは、どのくらいのリスク(損益の振れ幅)なら許容できるかを示す度合いのことです。
リートは、不動産市場や金利環境、自然災害などの影響を受けて価格が変動するリスクがあります。
元本割れするケースも少なくないため、ある程度のリスクを許容できない人は、リスクの低い定期預金や個人向け国債などを活用した資産運用を検討することをおすすめします。
基本的にリートは分配金による安定した収益を狙う投資方法であり、短期間で大きなリターンを狙う投資家にはあまり向いていません。
株式や先物取引のような大きな値動きを期待する人にとって、リートの値動きは物足りないと感じることもあるでしょう。
自ら物件を管理し、賃料収入を得たいと考える人にもリートはおすすめできません。
リートでは、専門の運用会社が物件の選定・管理・運営を行うため、投資家自身が直接物件に関与することはありません。
自分の手で物件の管理やメンテナンスを行い、その過程を楽しみたい人は、現物の不動産投資に取り組んだ方がよいでしょう。
国債については、こちらの記事で解説をしています。
国債のメリット・デメリットとは?購入方法やその他の安全商品を解説
リート(不動産投資信託)がおすすめの人
リートが向いている人の特徴は以下の通りです。
・長期的に安定した収益を求める人
・不動産投資に興味はあるものの多額の投資資金は用意できない人
・資産運用に時間をかけられない人
リートは利益の多くが分配金として還元される仕組みになっているため、長期的かつ安定した収益に期待できます。
年金生活をしている人など、安定したキャッシュフローを必要とする人にとって、リートの分配金は魅力的に映るでしょう。
少額から投資を始められるのもリートの大きなメリットです。
若年層や投資初心者など、現物不動産を購入する資金の余裕はない人でも手軽に不動産投資に取り組めます。
また、リートは基本的に分配金による収益を期待する投資方法です。
チャートを見ながらこまめに売買を繰り返さなくても利益を得られる可能性があるため、時間がない人でも取り組みやすいでしょう。
初心者はリートファンドへの投資も検討してみよう!
リートに投資したい場合は、リートを直接購入するだけではなく、複数のリートに分散投資する「リートファンド」の購入を検討するのも一つの方法です。
以下では、初心者がリートファンドを購入するメリットを解説します。
魅力2:銘柄選定や運用はプロに一任できる
魅力3:積立投資ができる
魅力1:インデックスファンドなら安定した運用に期待できる
投資信託(ファンド)には、大きく分けるとインデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。
インデックスファンドは、市場全体の動きを表す特定の指数に連動した運用成果を目指すファンドです。
一方、アクティブファンドは市場平均を上回る運用成果を目指します。
インデックスファンドであれば、1つのファンドを購入するだけで、その市場を構成する幅広い銘柄に投資できるため、安定的な値動きに期待できます。
たとえば「eMAXIS Slim国内リートインデックス」は、東証REIT指数を連動対象としているファンドです。
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している全銘柄を対象として算出している指数であるため、このファンド1つに投資するだけで幅広い銘柄への分散投資が実現します。
結果として、安定したリターンを得られる可能性があるのです。
魅力2:銘柄選定や運用はプロに一任できる
投資信託は、投資家から集めた資金を、運用の専門家であるファンドマネージャーが選定した銘柄で運用し、収益を投資家に還元する商品です。
自分で銘柄選定や運用を行う必要がないため、リート投資の知識や経験が少ない初心者でも、取り組みやすくなっています。
魅力3:積立投資ができる
リートは1口単位で取引を行うため、価格が高い場合には数万円以上の投資資金が必要になる場合もあります。
リートファンドなら口数ではなく価格指定の取引にも対応しており、コツコツと積立投資をすることも可能です。
証券会社によっては100円程度から投資できる場合もあります。
購入タイミングを分散させることで、購入価格を平準化し、高値掴みのリスクを減らせる点も積立投資のメリットです。
なお、リートファンドについては、NISA口座での投資も可能です。
「つみたて投資枠」の対象商品は基本的に「株式を含む」ことが要件になっているため、リートファンドについては基本的に成長投資枠で購入することになります(株式やリートを含む一部のアクティブファンドはつみたて投資枠で購入可能)。
まとめ
リートは自然災害や金利の上昇、投資法人の倒産・上場廃止などさまざまな要因で価格が変動するリスクがあります。
元本割れする可能性があることが「おすすめしない」といわれる原因の一つといえるでしょう。
しかし、リートはリスクに比例して狙えるリターンも大きくなりやすいというメリットがあります。
また、少額から不動産投資に取り組める点も魅力です。
初心者がリートに投資する際は、複数のリートに分散投資することでリスクをコントロールできる「リートファンド」も検討してみましょう。
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